浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

2021-01-01から1年間の記事一覧

「11月革命」――ローザ・ルクセンブルク財団歴史ポッドキャストRosalux Historyより

このブログでは、ローザ・ルクセンブルク財団の歴史ポッドキャストRosalux Historyに投稿された音声放送を紹介してきました。今回は、第12回「11月革命」です。以下のリンク先から視聴できます。 Rosalux History - Rosa-Luxemburg-Stiftung リード文では、…

「ドイツ統一、ドイツの多様性――10月3日のための新しい語りへの探求」について

これまで何度か、ドイツ語圏の歴史系ウェブサイト Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に掲載された論説を紹介してきました 。 ありがたいことに、前回紹介したジェノサイド研究者A・ディルク・モーゼス(A. Dirk Moses)さんの論考は、文章だけでなく、…

ローザ・ルクセンブルク理解のために――zeitgeschichte | onlineより

2021年4月27日、「ルクセンブルクへの中傷、あるいはパブリック・ヒストリはどれだけ不正確であるこことが許されるのか」という意味のタイトルを掲げた論説が掲載されました。 Dominik Rigoll/ Nikolai Okunew: Lästern über Luxemburg ... oder, wie ungena…

ベルリンから強制収容所へ――80年前を振り返るオンライン記事について

グルーネヴァルト駅の17番線は、おそらくベルリンから強制収容所へ移送される最も有名な場所です。そのような一文から始まる記事が、2021年10月18日、rbbというベルリンのラジオ局のウェブサイトに掲載されました。 Matthias Schirmer, Von wo aus Berliner …

ミュンヒェンの女性運動を想起する記念碑を――Hypothesesより

今年のドイツ歴史家大会のテーマは「解釈闘争(Deutungskämpfe)」です。このテーマにハッシュタグ(#)をつけて、歴史学関係の各ブログで論説を掲載する「ブログパレード」が取り組まれました。 その一つに、ミュンヒェンに、ドイツ最初の女性運動の民主主…

100年前のドイツにおけるアナーキスト女性団体による全国大会について

2021年10月15日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトにて、「1921年――サンディカリスト女性同盟の第一回全国大会」というドイツ語論説が公開されました。リンクはこちら。 Vera Bianchi: 1921: Erste Reichskonferenz des Syndikalistischen Frauenbund…

フリードリヒ・エーベルト財団の『労働運動史研究年報』のオンライン化

ドイツ社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団のウェブサイトに、労働運動史に関する雑誌がデジタル化され、オンラインで閲覧できるようになりました。いいですね。リンクはこちら。 JahrBuch für Forschungen zur Geschichte der Arbeiterbewegung, 20…

ドイツ連邦議会選挙での社会民主党勝利についての専門家評――歴史家クリスティーナ・モリーナへのインタビュー

2021年10月6日、フランクフルター・ルントシャウ(Frankfurter Rundschau)のオンライン版に、ビーレフェルト大学の歴史研究者クリスティーナ・モリーナさんへのインタビュー記事が掲載されました。 Historikerin Morina: „Die SPD weiß nicht, was ihre Zuk…

東西ドイツ統一から31年目のあれこれ

ドイツ再統一から31年目ということで、色々と関連情報が回ってきます。とくに移民視点のものが多いですね。 まず、フェアブレッヒャー出版社(Verbrecher Verlag)より、移民とユダヤ系の視点からみた「壁の崩壊」の記憶を問い直す論集です。それにしても Ve…

チューリヒ美術館でのビューレ・コレクションの来歴について――武器商人とナチ・ドイツ

チューリヒ美術館(Kunsthaus Zürich)のエミール・ビューレ(Emil Bührle)の美術収集品についての紹介記事です。 Niklas Maak, Das Kunsthaus Zürich zeigt die Sammlung des Waffenhändlers Emil Bührle, in: Frankfurter Allgemeine Zeitung, 3. Oktober…

「ノスタルジーの功罪――グローバル比較のなかの脱工業化の文化遺産」について

Zeithistorische Forschungen(現代史研究)の2021年第1号の特集テーマは「ノスタルジー」です。そこに掲載されたシュテファン・ベルガーさんの論考がオンライン上で読めます。 Stefan Berger, Vom Nutzen und Nachteil der Nostalgie: Das Kulturerbe der D…

ニュルンベルク裁判関係史料のオンライン公開

スタンフォード大学のオンライン・アーカイブより、ニュルンベルク裁判関係史料がオンライン公開されました。公開された史料の総データ容量は50テラバイトとのことです。リンク先はこちら。 Taube Archive of the International Military Tribunal (IMT) at …

Memoria, 48(09/2021)――アムステルダムのホロコースト・ネーム・モニュメントより

メモです。 オランダのアムステルダムにあるホロコースト・ネーム・モニュメントが発行する機関誌 MEMORIA が公開されています。 Memoria, No. 48 (09/2021) 内容は以下の通りです。 KL Plaszow. An Interview about the New Space of Memory in Cracow Holo…

女性史からみたバウハウス――ローザ・ルクセンブルク財団ほかあれこれ

女性史の視点からバウハウスを振り返った本の紹介がローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトにアップされていました。2014年に公刊されたものですので、ちょっと昔の情報ですが。 Müller: Bauhaus-Frauen. Meisterinnen in Kunst, Handwerk und Design, Be…

ホロコースト関連論説・記事あれこれ

またメモです。 ナチズム、ホロコースト、ジェノサイドに関わる最近の記事へのリンクです。 まず、2021年9月30日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、75年前のニュルンベルク裁判を振り返る論説が掲載されました。 Ralf Oberndörfer, Juristisch …

ドイツの戦後補償の取り組みについて――ドイツ連邦財務省のポータルサイト

メモです。 ドイツ連邦財務省のウェブサイトに、ドイツの戦後補償に関する特集ページがあります。 Bundesfinanzministerium - Wiedergutmachung und Kriegsfolgen リード文は、「ナチ不正の補償と二つの世界戦争からの戦争結果の除去は、今日までドイツ連邦…

「マルタ・ヒラースは誰だったのか」――匿名ベストセラー『ベルリンのある女性』をめぐって

2021年9月22日、Hypothesesというサイトに、「マルタ・ヒラースは誰だったのか」という論説が投稿されました。 Manuela Ostermeier: Wer war Marta Hillers? Kontroversen zum Bestseller „Eine Frau in Berlin“ von Anonyma, in: Hypoteses, 22. September …

ステファン・テマーソン&フランツィスカ・テマーソン「ヨーロッパ」――ナチに略奪された映画作品とその返還について

2021年9月21日、ドイツ連邦文書館のウェブサイトに、ステファン・テマーソンとフランツィスカ・テマーソンが1931・32年に製作した前衛映画「ヨーロッパ」が、パリでナチによって押収されてから80年後にその相続人に返還された、というニュースが掲載されまし…

「ドイツ人の教理問答」――ジェノサイド研究者A・ディルク・モーゼスの論説について

以前にこのブログで、ドイツ語歴史学系ウェブサイト「現在の歴史(Geschichte der Gegenwart)」に掲載されたマイケル・ロスバーグさんの論説を紹介しました。ロスバーグさんは「多方向的記憶(Multidirectional Memory)」で知られるホロコースト研究者です…

ドイツ連邦文書館所蔵ナチ関係史料のデジタル化プラン

2021年9月20日、ドイツ連邦文書館のホームページで、ナチズム関係史料のデジタル化について、今後の予定を知らせる案内が掲載されました。 Digitalisierung von Archivgut zum Nationalsozialismus 1933-1945, in: Bundesarchiv, 20. September 2021. これま…

「AfDの新植民地修正主義」――ローザ・ルクセンブルク財団より

2021年9月28日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、ドイツの右翼政党AfD、つまり「ドイツのための選択肢(Alternative für Deutschland)」の植民地修正主義的な主張を分析する論説が掲載されました。リンク先はこちらです。 Robert Heinze, Der ne…

エリック・ホブズボームのドキュメンタリー映像――London Review of Booksより

2021年4月8日、London Review of Books のYouTubeチャンネルから、エリック・ホブズボームのドキュメンタリー映像がアップされました。 Eric Hobsbawm: The Consolations of History, in London Review of Books - YouTube, 8. April 2021. 幼少期からの彼の…

住宅占拠運動の歴史――Rosalux Historyポッドキャストより

2021年9月27日、ローザ・ルクセンブルク財団が提供する歴史ポッドキャスト Rosalux History の第11回は、「住宅占拠運動の歴史」です。 Geschichte der Hausbesetzerbewegung, in: Rosalux History - Podcast, 27. September 2021. いまから40年前の1981年秋…

「想起/抵抗/団結」――ザクセン州ホイエルスヴェルダ市での排外主義的暴行事件から30年

1991年9月17日から23日にかけて、ザクセンの小さな都市ホイエルスヴェルダ(Hoyerswerda)で、契約労働者居住施設および難民宿泊施設への人種主義的な暴行事件が起こりました。それからちょうど30年が経ち、ベルリン州政治教育センターが「想起/抵抗/団結…

「ヴァイマル共和国の墓掘り人」――『南ドイツ新聞』より

2021年9月24日、『南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)』のウェブサイトに、ホーエンツォレルン家とナチの関係について論じたシュテファン・マリノフスキーの近著を紹介した記事が掲載されました。 Lothar Müller, Totengräber der Republik, in: Süddeutsc…

プロレタリア運動とユダヤ系の人びとの同盟を歴史的に振り返る――ローザ・ルクセンブルク財団より

2021年9月、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、国際的な左翼運動のなかのユダヤ系の人びとに焦点をあてた論文集がオンライン公開されました。そのリンク先のある紹介記事はこちらです。 Riccardo Altieri, Bernd Hüttner, Florian Weis (Hrsg.): …

フンボルト・フォーラムへの反植民地主義的批判――taz紙より

2021年9月20日、タッツ(taz)紙に「フンボルト・フォーラム――そしてそれ〔プロイセン文化財団〕はさらに漕いでさかのぼる」という記事が掲載されました。 Susanne Messmer, Humboldt Forum: Und sie rudern weiter zurück, in: taz.de, 20. September 2021.…

ベルリンの極右に関するメディア・アーカイブ=教育センターapabizについて

apabiz(antifaschistisches pressarchiv und bildungszentrum berlin e.V.)というベルリンの反極右・反ネオナチ監視を目的としたメディア・アーカイブ=教育センターを知りました。そのホームページはこちらです。 apabiz: antifaschistisches pressearchi…

アナーキズムについてのドイツ語ポータルサイト

ちょっとしたことから、アナーキズムについてのドイツ語ポータルサイトにたどり着きました。 www.anarchismus.at アナーキズムの古典、スペイン革命、歴史、フェミニズム、(反)教育、反軍国主義など様々なテーマについて、数多くの情報が掲載されています。…

SYNAGOGA――ホロコースト後の最初の大きなユダヤ教・芸術展覧会カタログのデジタル化

ベルリンのユダヤ博物館(Jüdisches Museum Berlin)のウェブサイトに、1961年にノルトライン=ヴェストファーレン州のレクリングハウゼン(Recklinghausen)で開催された、ホロコースト後の最初の大きなユダヤ教・ユダヤ芸術展覧会のカタログがデジタル化さ…