浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ナチズム、ホロコースト

ドイツ史におけるユダヤ教徒の女性たち――ドイツ連邦政治教育センターより

ドイツ連邦政治教育センターのウェブサイトにある「現代史・文化史」欄に「ドイツにおけるユダヤ教の生活」という項目があります。そこに、2023年3月30日に、「ドイツ史におけるユダヤ教徒の女性たち」という論説が掲載されました。ドイツ近現代史における宗…

ナチの権力掌握(1933年)と女性運動――デジタルドイツ女性アーカイブより

2023年2月7日、デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトでは、女性運動の視点から、ヒトラーが権力を掌握した1933年1月30日を振り返る特集ページを立ち上げました。 „Nun wird es anders“ (Hertha Nathorff): 1933 und die Frauenbewegung, in: Digitale…

カール・フォン・オシエツキーについてのヴァーチャル展示――ドイツ連邦文書館より

今年2月28日のドイツ連邦文書館SNSで、90年前のこの日、ジャーナリスト、文筆家、そして平和主義者であるカール・フォン・オシエツキーが逮捕された、ということを知りました。ドイツ国会議事堂放火事件後、ゲスターポがナチ体制の敵とみなした人物を大量検…

レーテ共和国から右翼独裁へ――Jacobin誌より

2023年3月13日、ドイツ語圏の左派オンライン・ジャーナル、Jacobin誌に、「レーテ共和国から右翼独裁へ」と題した論説が掲載されました。 Ralf Hoffrogge, Von der Räterepublik zur Rechtsdiktatur, in: Jacobin, 13. März 2023. リード文を要約します。 第…

ローザ・ルクセンブルクを支えた社会主義者マティルデ・ヤーコプ――WDRより

2023年3月8日、WDR(Westdeutscher Rundfunk、西部ドイツ放送)のウェブサイトより、「社会主義者マティルデ・ヤーコプ(Mathilde Jacob, Sozialistin)」というポッドキャスト番組が配信されました。 Mathilde Jacob, Sozialistin (Geburtstag, 08.03.1873)…

ナチ期との司法の連続性について――南ドイツ新聞より

2023年2月15日、『南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)』オンライン版に「司法とナチズム――新たなローブをまとった褐色の法律家」というタイトルの記事が掲載されました。 Ronen Steinke, Justiz und Nationalsozialismus: Braune Juristen in frischen Rob…

1933年のナチによる権力掌握への回想――デジタルドイツ女性アーカイブより

2023年1月25日、「権力への憎しみとともに――1933年ナチの権力掌握」というタイトルの、デジタルドイツ女性アーカイブによるポッドキャスト番組の紹介文が同ホームページに掲載されました。 Mit Hass an die Macht – die NS-Machtübernahme 1933, in: Digital…

ナチ期の駐在武官についてのヴァーチャル展示――ドイツ連邦文書館より

ドイツ連邦文書館のウェブサイトに、ナチ期の駐在武官(Militärattachés)についてのヴァーチャル展示が公開されていることを知りました。リンクはこちらです。 Militärattachés, in: Bundesarchiv - Internet 全部で11点の写真および文書が掲載されているほ…

ドイツ記憶文化をめぐる「和解劇場」論について――マックス・チョレック氏の近著より

2023年2月5日にダス・エルステ(Das Erste、第1ドイツ・テレビ)局より放送された、作家マックス・チョレックによる近著『和解劇場』を取り上げた番組が放送されました。 "Versöhnungstheater": Max Czollek über einseitige deutsche Erinnerungskultur, in…

ナチ・ホロコースト研究における亡命歴史家たちについての近著オープンアクセス

戦後西ドイツと米国のナチズム・ホロコースト研究における亡命経験をもつ歴史家たちに焦点を合わせた研究が、オープンアクセスで公刊されました。以下にダウンロードできるウェブサイトへのリンクを貼っておきます。 Anna Corsten, Unbequeme Erinnerer: Emi…

ラーフェンスブリュック強制収容所とレズビアン女性について――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2022年1月24日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、「ラーフェンスブリュック強制収容所におけるレズビアン女性」というタイトルのインザ・エッシェバッハさんによる講演録画が公開されました。 Lesbische Frauen im Konzentrationslager Ravensb…

ドイツの1933年1月30日を語る本――ナチズムに抗する記憶の古典について

2023年2月1日、ドイツ語圏の現代史系ウェブサイト、Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に、ドイツの1933年1月30日、つまりヒンデンブルクによってヒトラーが首相に任命されたナチによる権力掌握の日の記憶にかかわる2冊の基本文献を紹介する論説が掲載…

グローバル史的視角のなかの1933年

2023年1月20日、ドイツ連邦政治教育センターが発行する雑誌『政治と現代史から(Aus Politik und Zeitgeschichte)』より、「グローバル史的視角のなかの1933年」と題した論説が公表されました。 Sven Reichardt, 1933 in globalgeschichtlicher Perspektive…

W.E.B.デュボイス、ナチ・ドイツへの旅、1936年

アメリカ黒人解放運動、パン=アフリカニズムの指導者として名高い、W.E.B.デュボイスは、1936年、ナチ支配下のドイツを訪れました。2022年、その旅行記のドイツ語訳が出版されました。 W. E. B. Du Bois, 'Along the color line': Eine Reise durch Deut…

ノイエンガメ強制収容所記念館の新しいオンライン展示

2022年11月30日、ハンブルク近郊にある、ナチのホロコーストを追悼・記録・検証するノイエンガメ強制収容所記念館が新しいオンライン展示の公開を告知しました。 Neue Online-Ausstellung #WaswillstDutun? 紹介文を要約します。 このオンライン展示は、反ユ…

第二次世界大戦後のドイツ連邦共和国エリート官僚のナチ経歴――ドイチュラントフンクより

2022年11月2日、ドイツのラジオ放送、ドイチュラントフンク(Deutschlandfunk)のウェブサイトに、「1949年後の西ドイツ・エリート官僚――どのように元ナチと協力者が新国家を建設したか」というタイトルのプログラムを放送しました。 Maximilian Brose, West…

ベルリナーレとアルフレート・バウアーのナチズムの過去

2022年10月、ベルリナーレの創設以来のディレクター、アルフレート・バウアーのナチズムの過去を調査していた、ミュンヒェン=ベルリン現代史研究所の委託研究の結果が公表されました。研究所の紹介ページへのリンクは以下の通りです。 Schaufenster im Kalt…

ウィーンと反ユダヤ主義についての論争――ルエーガーをめぐって

2022年11月30日、ドイツ語圏の歴史系ウェブサイト「現在の歴史(Geschichte der Gegenwart)」に、ハプスブルク帝国時代のウィーン市長で、反ユダヤ主義者として知られるカール・ルエーガーとその過去をめぐる歴史政策についての記事が掲載されました。 Benj…

連邦情報局に関する独立歴史家委員会によるナチとの連続性を明らかにした研究について

2022年をもって、ドイツ連邦共和国の諜報機関である連邦情報局の1968年までの歴史を分析してきた連邦情報局歴史家委員会の事業として、最後の刊行物が出版されたとの報道がありました。2022年11月26日のフランクフルター・アルゲマイネ紙オンライン版に掲載…

東欧の癒えない傷――ドイツ語圏の書評サイト sehepunkte より

研究ノートです。 ドイツ語圏の書評サイト sehepunkte に『東欧の癒えない傷――第二次世界大戦の記憶の場への旅』という本の書評が掲載されました。 Offene Wunden Osteuropas, in: Sehepunkte, 22: 11 (2022), rezensiert von Bert Hoppe. 2022年に刊行され…

ショアー・メモリアル・フランクフルトについて

昨日に続いて、ナチズムの犠牲者のオンライン検索関連の話題です。 フランクフルト・アム・マインにあるショアー・メモリアル・フランクフルトのウェブサイトでは、ナチによるショアーによって強制移送され殺害された、1万2000人以上のユダヤ系の犠牲者につ…

プレッツェンゼー記念館のオンライン死亡者名簿について

ひと月ほど前に、プレッツェンゼー記念館(Gedenkstätte Plötzensee)のオンライン死亡者名簿 Totenbuch を知りました。この名簿について解説したページへのリンクを貼っておきます。もちろん名簿へのリンクがあります。 Die Totenbuch von Plötzensee 1933…

ホロコーストを記憶し、研究するための資料一覧――現代史オンラインより

2022年11月7日、ドイツ語圏の現代史専門ウェブサイト、zeitgeschichte | online(現代史オンライン)に、ホロコーストを記憶し、研究するための資料リストが掲載されました。 Alina Müller, Erinnern an und forschen über den Holocaust. Eine Materialsamm…

ナチ期ベルリンからの強制移送の道をたどる音声ガイドについて

1941年10月18日、ベルリンからユダヤ系の人びとに対する体系的な強制移送が始まりました。その強制移送の道すじをたどる音声ガイドのウェブサイトを知りまして、リンクを貼っておきます。 Audiowalk: "Ihr letzter Weg" ダウンロードできる音声データ、関連…

ナチズムと「国民社会主義」概念について――ローザ・ルクセンブルク財団より

2022年10月、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、「ナチズムと『国民社会主義』――二つの基本概念の波乱に満ちた歴史」というオンライン冊子が掲載されました。PDF版を自由にダウンロードできます。 Rüdiger Hachtmann, Nazismus und "Nationalsozi…

ルクセンブルク協定についてのドイツ連邦文書館ヴァーチャル展示

2022年は「ナチズムの不正の補償」のための国際協定、いわゆる「ルクセンブルク協定」の調印から70周年ということで、ドイツ連邦文書館がヴァーチャル展示を開催しています。 背景説明によれば、ルクセンブルク協定は、1952年9月10日に、ユダヤ系のナチ迫害…

オルガ・ベナリオ・プレステスについて

フェアブレッヒャー出版社の近刊書『オルガ・ベナリオ・プレステス――伝記的アプローチ』を紹介します。 Anita Leocádia Prestes, Olga Benario Prestes: Eine biografiische Annäherung, Berlin: Verbrecher Verlag, 2022. Aus dem Portugiesischen vom Cole…

Mal nach den Rechten schauen――法分野におけるナチ期との連続性を問うポッドキャスト

ドイツの法分野および司法関係者養成におけるナチ期との連続性を問う興味深いドイツ語ポッドキャストを知りました。 Mal nach den Rechten schauen 「右翼/法律をちょっと見てみよう」といった意味です。右翼と法・権利の複数形が同じ die Rechte なので、…

ダッハウ強制収容所とスペイン内戦――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2022年10月26日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「ダッハウ強制収容所におけるスペイン人収容者――迫害された者たちの視点からの基礎研究」というタイトルの短い書評が掲載されました。 Meerwald: Spanische Häftlinge in Dachau, Göttingen 20…

ウクライナにおける戦争とドイツ記憶文化―― Jacobin 紙より

2022年10月11日、ドイツ語圏の左派系オンライン・ジャーナル、ジャコバン紙に「新たなドイツの戦闘用意か」という趣旨の論説が掲載されました。 Christian Dietrich, Neue deutsche Kampfbereitschaft? in: JACOBIN Magazin, 11. Oktober 2022. ロシアによる…