浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

植民地主義・帝国主義|一般

1910年2月22日に撮影されたドイツ社会民主党の党学校記念写真とローザ・ルクセンブルク

2021年3月5日、フリードリヒ・エーベルト財団のウェブサイトに、1910年2月22日に撮影されたある記念写真とその解説が掲載されました。 その写真は、ベルリンにあったドイツ社会民主党の党学校内で撮影されたもので、ローザ・ルクセンブルク、ハインリヒ・シ…

マーカス・レディカー「下からの歴史」を語る――Counter Punchより

2021年11月9日、オンライン上で論説を掲載するカウンター・パンチ(Counter Punch)誌に、歴史家・作家・活動家マーカス・レディカー(Marcus Rediker)へのインタビュー記事が掲載されました。タイトルは「下からの歴史を書くことについて(On Writing Hist…

ロシア革命とブラック・アトランティック――近刊の論文集について

研究メモです。 2021年8月、ロシア革命と大西洋をまたいだアフリカン・アメリカ人の運動の接点を扱った論文集が刊行されました。 David Featherstone and Christian Høgsbjerg (eds.), The Red and the Black: The Russian Revolution and the Black Atlanti…

1921年のリーフ共和国の独立と挫折について――nd より

2021年7月23日、ドイツ語の左派のオンライン・ジャーナル nd に1921年にモロッコ北部で独立を宣言したリーフ共和国についての論説が掲載されました。リンクはこちらです。 Reiner Tosstorff, Ein kurzer Moment der Hoffnung, in: nd, 23. Juli 2021. リード…

デジタル化されたコミンテルンの反帝国主義同盟関係資料について

研究メモです。 反帝国主義同盟(League against Imperialism)に関するコミンテルンのファイルのデジタル化資料が閲覧できるとのことです。以下のリンクのドイツ語史料のなかに、1926年2月のベルリン市庁舎地下室での会合出席者のリストがあるそうです。 До…

Archiv für Sozialgeschichte 第60巻(2020年)について

ドイツ社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団が刊行する『社会史アルヒーフ(Archiv für Sozialgeschichte)』の第60巻が2020年に刊行されました。「連帯」が特集テーマでして、タイトルを日本語で仮訳すれば、「『インターナショナルに誓って・・・』…

ドイツ民主共和国における元モザンビーク出身契約労働者への補償を求める公開書簡について

2021年4月13日、ドイツの歴史系ウェブサイトに、ドイツ民主共和国時代に二国間協定によって就労したモザンビーク出身契約労働者に対する補償支払いを、ドイツ連邦政府に求める公開書簡が掲載されました。2つのサイトを見つけましたので、それぞれリンクを貼…

フンボルト・フォーラムとベニン・ブロンズ返還問題

2021年3月22日、『南ドイツ新聞』(Süddeutsche Zeitung)オンライン版に、フンボルト・フォーラムがベルリン民族学博物館からベニン・ブロンズとして知られる銅像・レリーフの返還について、9月までに決定されるという記事が掲載されました。 Benin-Bronzen…

歴史雑誌『労働-運動-歴史』の特集「労働者と他者」より

Arbeit-Bewegung-Geschichte(労働-運動-歴史)という労働史を専門とするドイツ語の学術雑誌があります。その2021年第1号の特集が、「労働者と他者」です。目次はこちらからどうぞ。 20. Jahrgang - Heft 2021/I | Arbeit – Bewegung – Geschichte: Zeit…

第二インターナショナル関係新聞・雑誌オンライン一覧――Social History Portalより

以前にもこのブログで、Social History Portal というウェブサイトを紹介しました。*1 今度は第二インターナショナルにかかわる社会民主党系の新聞・雑誌のオンライン公開リストが掲載されました。このリストは作成中で、このウェブページの制作者は情報提供…

脱植民地的法批判と法実践――ドイツ連邦政治教育センターより

2020年12月に、ドイツ連邦政治教育センター(Bundeszentrale für politische Bildung)より、ポストコロニアル批評の視点から第二次世界大戦後の国際法の展開を検討する論集が出版されました。その紹介、注文、冒頭30頁弱までのPDFへのリンクはこちらになり…

アフリカ系の人たちへのマルクスの負債――African Review of Political Economy ブログの論説より

2020年10月21日、African Review of Political Economy のブログに以下の論説が掲載されました。 Biko Agozino, "Karl Marx's Debt to People of African Descent," in African Review of Political Economy, Blog, October 21, 2020. 「アフリカ系の人たち…

共産主義インターナショナルのグローバル史

研究メモです。 2020年11月に、ブリギッテ・シュトゥーダー氏による『世界革命の旅行者――共産主義インターナショナルのグローバル史』と題したドイツ語の書籍が出版されました。 Brigitte Studer, Reisende der Weltrevolution: Eine Globalgeschichte der K…

Slave Voyages のウェブサイトとメアリー号の航海日誌についての記事

大西洋奴隷貿易についての総合的なデータベースを提供するウェブサイト、Slave Voyages について、ご存知の方も多いかと思います。 Slave Voyages 日本語文献では、布留川正博さんによる以下の研究論文がありますし、また布留川さんは岩波書店から2019年に公…

「植民地史を打破する」――ブラック・ライヴズ・マター運動によせたローザ・ルクセンブルク財団の試み

ローザ・ルクセンブルク財団ブリュッセル事務局のホームページに、ブラック・ライヴズ・マター運動に寄せた植民地主義批判の特集サイトが立ち上がりました。 Unmaking Colonial History, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung Büro Brüssel 世界各地で起きた植民地主…

ドイツ連邦文書館所蔵ヴァイマル共和国期史料のデジタル化――「黒い恥辱」関連資料

2020年9月15日、ドイツ連邦文書館所蔵のヴァイマル共和国期史料に関するブログ "Weimar - Wege zur Demokratie" に、新しいデジタル化に関する報告が掲載されました*1 Digitalisierung (11): Bestand R 1603 Rheinische Volkspflege | Weimar – Wege zur De…

「歴史家論争2.0」――マイケル・ロスバーグの論説より

「現在の歴史(Geschichte der Gegenwart)」というドイツ語のウェブサイトがあります。 Geschichte der Gegenwart このサイトに、2020年9月23日、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のホロコースト史研究者、マイケル・ロスバーグ(Michael Rothberg)氏の論…

1920年「東方諸民族大会」から100周年――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイト記事より

2020年8月28日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、100年前に開催された「東方諸民族会議」を記念する論説が掲載されました。 Mario Kessler, Sieben Tage Empowerment: Vor 100 Jahren tagte in Baku der antikoloniale "Kongress der Völker des …

ドイツにおける植民地記念碑をめぐる論争――ハンブルクのビスマルク像ほか

2020年はブラック・ライヴズ・マター運動の追い風を受けて、植民地支配の過去を顕彰するような記念碑をめぐって世界各地で大きな議論が起きた年として記録されることでしょう。 2020年6月、イギリスのブリストルではエドワード・コルストン像が引き倒され*1 …

ポストコロニアル・ベルリン――「歴史を消し去りたいのではない」

ブラック・ライヴズ・マター運動は、ドイツでの植民地支配の歴史との向き合い方をめぐる議論に火をつけた感があります。 2020年8月7日、Norddeutscher Rundfunk (北ドイツ放送)のラジオ&テレビ局のウェブサイトで、Berlin Postkolonial という団体のスポ…

Radical Online Collections and Archivs について――New Historical Expressより

New Historical Expressというウェブサイトを知りました。 New Historical Express このウェブサイトを運営しているエヴァン・スミス氏は、南オーストラリア州のフリンダース大学で歴史学のリサーチ・フェローです。イギリスの共産党および戦後の反人種主義…

ドイツにおけるブラック・スタディーズの緊急性にかんする7つのテーゼ――Generation Adefraより

Generation Adefraというウェブサイトを知りました。このサイトを運営するADEFRA e. V. はドイツの黒人女性による、黒人女性のための「文化政治フォーラム(ein kulturpolitisches Forum)」と説明されています。 Generation Adefra - Home ドイツにおける黒…

フランツ・ファノンについて――ドキュメンタリーほか

Piet Hansenさん――とくに知人でも何でもありませんが――が、2020年7月20日にフランツ・ファノン(Frantz Fanon, 1926年7月20日ー1961年12月6日)の95回目の誕生日に寄せて、1996年に撮影されたドキュメンタリー映像の情報を発信していました。 FRANTZ FANON: …

ファシズム理論の本――Mathias Wörsching, Faschismustheorien (2020)

日本学術会議会員候補者の任命拒否問題の対応、歴史学の若手研究者問題関連の企画、またふつうに原稿の締切、校正など、ちょっと頭が追いつかない日々になってしまいました。 久しぶりの投稿です。2020年7月14日にローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイト…

W・E・B・デュボイスのヨーロッパ旅行ルート(1892-1894年)――Helmut Walser Smithさんのウェブサイトより

数多くの研究業績をもつドイツ近現代史研究者、Helmut Walser Smithさんのホームページに、W. E. B. デュボイスが1892年から1894年にかけてヨーロッパを旅行したルートを記した地図がアップされました。HWS Mapsと題されたページに掲載されています。 The Tr…

「植民地なき植民地主義」としてのスイス――Neue Züricher Zeitungのインタビュー記事より

2020年7月10日、Neue Züricher Zeitung(新チューリヒ新聞)のウェブサイトに、植民地期インドを主な研究領域として、トランスナショナル史・グローバル史に取り組むハラルド・フィッシャー=ティネ(Harald Fischer-Tiné)氏へのインタビュー記事が掲載され…

金属製の拘束具と手錠――人種差別的な警察行動における英米間「特別な関係」について

2020年7月9日、History Workshopのウェブ・サイトに人種主義的な警察行動についての歴史を振り返る論説が掲載されました。 Joseph Yannielli and Christine Whyte, "Shackles and Handcuffs: The 'Special Relationship' of Racist Policing", July 9, 2020,…

カント像を撤去すべきか否か――taz紙の記事より

2020年6月26日、 taz 紙にカント像を撤去すべきではない、という主張の記事が掲載されました。リンク先はこちらです。 Immanuel Kant und der Rassismus: Lasst das Denkmal stehen - taz.de ブラック・ライヴズ・マター運動を機に、世界各地で人種主義・植…

イギリスの博物館とBlack Lives Matter運動――BBC Newsより

2020年6月29日に、BBC Newsのウェブサイトで、「どのようにイギリスの博物館がブラック・ライヴズ・マターに応えているのか」と題した論説が掲載されました。 How UK museums are responding to Black Lives Matter この論説には、「ブラック・ライヴズ・マ…

「反ファシズム小史」について――スミソニアン・マガジン誌のウェブサイトより

ローザ・ルクセンブルク財団からの情報で、2020年6月24日、『スミソニアン・マガジン(Smithsonian Magazine)』という雑誌のウェブサイトに、「反ファシズム小史」と題した論説が掲載されましたことを知りました。 James Stout, A Brief History of Anti-Fa…