浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

現代社会・経済

東ドイツにおける国際友好と契約労働者について

1998年に設立された「ドイツ社会主義統一党独裁検証のための連邦基金(Bundesstiftung zur Aufarbeitung der SED-Diktatur)」のウェブサイトに東ドイツ時代に契約労働者に関連する特設ページがあることを知りました。こちらにメモしておきます。 Völkerfreu…

対ウクライナ戦争についてのPROKLA掲載論文のリンク集

批判的社会科学を掲げるドイツ語圏のジャーナル PROKLA のウェブサイトに、ロシアによるウクライナに対する戦争をテーマとした論文を一覧にしたページを知りました。 Krieg gegen die Ukraine, in: PROKLA. Zeitschrift für kritische Sozialwissenschaft 現…

ギリシャの対ドイツ戦争賠償要求について

2022年6月、ギリシャの外交官であるアリース・ラディオプロス(Aris Radiopoulos)氏が執筆した、第二次世界大戦時のギリシャの被害についての対ドイツ賠償要求を扱った本のドイツ語版が、メトロポール出版社から刊行されました。 Aris Radiopoulos, Die gri…

現代史におけるナショナリズム――Merkurより

研究メモです。 ドイツの現代思想系の雑誌『メルクーア』 Merkur の2023年3月号に、「現代史におけるナショナリズム」という論説が掲載されました。オープンアクセスです。 Claudia Gatzka, Nationalismus in der Zeitgeschichte, in: Merkur, 886 (2023), 5…

アフリカ系ドイツ人女性向け雑誌 Afrekete について

ブラック・ライブズ・マター運動を背景に、ヨーロッパ在住のアフリカ系の人びとの社会運動の歴史を振り返る試みをよく目にします。 その事例の一つとして、1988年から1990年まで刊行された、『アフレケーテ――アフリカ系ドイツ人および黒人女性のための新聞』…

ナチ期との司法の連続性について――南ドイツ新聞より

2023年2月15日、『南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)』オンライン版に「司法とナチズム――新たなローブをまとった褐色の法律家」というタイトルの記事が掲載されました。 Ronen Steinke, Justiz und Nationalsozialismus: Braune Juristen in frischen Rob…

1989・90年、東ドイツ体制転換についての研究動向論文――オンライン現代史事典ドキュペディア・ツァイトゲシヒテより

ドイツ語圏の現代史オンライン事典ドキュペディア・ツァイトゲシヒテ(Docupedia-Zeitgeschichte)というウェブサイトがあります。 Docupedia-Zeitgeschichte 2022年10月、このウェブサイトに、1989・1990年以降の東ドイツ体制転換についての研究動向をまと…

ドイツの右翼テロとその連続性、(非)記憶について――ローザ・ルクセンブルク財団より

2023年2月、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「メルン、NSU、ハレ、ハーナウ――右翼テロ、連続性、ドイツの(非)記憶」というタイトルの論説が掲載されました。 Efsun Kızılay, Mölln, NSU, Halle, Hanau, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung, Februar …

ベルトルト・ブレヒトについて――Jacobin誌より

2023年2月10日にドイツ語圏の左派系オンライン誌 Jacobin に、生誕125周年を記念して、ベルトルト・ブレヒトがいかに古典となったか、彼の作品をめぐる同時代の評価を論じた記事が掲載されました。 Marc Silberman, Klassiker wider Willen, in: Jacobin, 10…

#アフリカ――「現在の歴史」より

少し前の論説になりますが、2020年11月11日にドイツ語圏歴史系ウェブサイト、Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)にゲジーネ・クリューガーさんによる 「#アフリカ」という論説が掲載されました。リンクを貼っておきます。 Gesine Krüger, #Afrika, in: …

ドイツ記憶文化をめぐる「和解劇場」論について――マックス・チョレック氏の近著より

2023年2月5日にダス・エルステ(Das Erste、第1ドイツ・テレビ)局より放送された、作家マックス・チョレックによる近著『和解劇場』を取り上げた番組が放送されました。 "Versöhnungstheater": Max Czollek über einseitige deutsche Erinnerungskultur, in…

自己防衛運動としての反ファシズム――ローザ・ルクセンブルク財団より

2023年1月、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、『自己防衛運動としての反ファシズム――ポスト・ユーゴスラヴィア空間、ヨーロッパほかにおける今日の反ファシズムの状態についての省察』という本のPDF版がアップされました。フリーアクセスです。 …

フェミニズム・トークとデジタル暴力に対するパフォーマンス――デジタルドイツ女性アーカイブより

だいぶ前になりますが、2022年11月25日の「女性に対する暴力撤廃の国際デー」に合わせて、デジタルドイツ女性アーカイブでは、「フェミニズム・トークとデジタル暴力に対するパフォーマンス」と題したイベントが開催され、その様子がYouTubeで配信されました…

グローバル化のなかの農業問題――ワークショップ報告

2022年12月14日、スイスの歴史学専門ポータルサイト、infoclio.chに、「グローバル化のなかの農業問題――新しい農業史に照らした視角」と題したワークショップ報告書が掲載されました。リンク先はこちらです。 Die Agrarfrage in der Globalisierung. Perspek…

グローバル権威主義研究――IRGACより

2022年11月、権威主義と対抗戦略についての国際研究グループ(International Research Group on Authoritarinism and Counter-Strategies、IRGAC)が、transcript社より『グローバル権威主義――南からの視点と異議申し立て』と題した論文集を刊行しました。オ…

移行期の東ドイツ社会と移民についてのインタビュー論集

「忘却に反対し、民主主義に賛成する」(Gegen Vergessen – Für Demokratie e. V.)という協会のホームページに、『東ドイツにおける移民社会と移行社会』というタイトルの論集が掲載されました。 Deniss Hanovs/ Dennis Riffel/ Anastasia Sudzilovskaya/ A…

ロシア人権団体メモリアルへの連帯の動きについて――ドイツ連邦政治教育センターへの投稿論説

ロシアの人権団体で、おもにソ連時代の人権侵害を記録する活動を行ってきたメモリアル(Memorial)は、2021年12月28日にロシア最高裁の決定によって解散が決まり、翌日、その判決が下されました。そのおよそ一年後、そのメモリアルは、2022年12月10日、オス…

1990年代の右翼の暴力――ドイツ連邦政治教育センターより

ドイツ連邦政治教育センターが発行する雑誌 Aus Politik und Zeitgeschichte(APuZ、政治と現代史から)の2022年12月号の特集は、「1990年代における右翼の暴力」です。無料でPDF版がダウンロードできます。 Rechte Gewalt in den 1990er Jahren, in: Aus Po…

ゲッティンゲン・ポストコロニアルの映画プロジェクト

ゲッティンゲン・ポストコロニアルという地域から植民地主義を批判するポストコロニアル的社会活動を行う団体があります。 そのウェブサイトでは、クラウドファンディングによるドキュメンタリー映画の制作プロジェクトが紹介されています。最近、知りました…

ノイエンガメ強制収容所記念館の新しいオンライン展示

2022年11月30日、ハンブルク近郊にある、ナチのホロコーストを追悼・記録・検証するノイエンガメ強制収容所記念館が新しいオンライン展示の公開を告知しました。 Neue Online-Ausstellung #WaswillstDutun? 紹介文を要約します。 このオンライン展示は、反ユ…

ポツダム現代史研究所ライプニッツ・センターが提供する現代史ポッドキャスト番組

歴史研究者・歴史研究機関のポッドキャスト番組を知る機会が多くなりました。 今回は、ポツダム現代史研究所ライプニッツ・センター(ZZF、Leibniz-Zentrum für Zeithistorische Forschung Potsdam)が提供するポッドキャスト番組を紹介します。 まずリンク…

ベルリナーレとアルフレート・バウアーのナチズムの過去

2022年10月、ベルリナーレの創設以来のディレクター、アルフレート・バウアーのナチズムの過去を調査していた、ミュンヒェン=ベルリン現代史研究所の委託研究の結果が公表されました。研究所の紹介ページへのリンクは以下の通りです。 Schaufenster im Kalt…

ウィーンと反ユダヤ主義についての論争――ルエーガーをめぐって

2022年11月30日、ドイツ語圏の歴史系ウェブサイト「現在の歴史(Geschichte der Gegenwart)」に、ハプスブルク帝国時代のウィーン市長で、反ユダヤ主義者として知られるカール・ルエーガーとその過去をめぐる歴史政策についての記事が掲載されました。 Benj…

労働組合の歴史――ローザ・ルクセンブルク財団歴史ポッドキャストRosalux Historyより

ローザ・ルクセンブルク財団の歴史ポッドキャスト Rosalux History の第20回放送が同ホームページにアップされています。今回は、「労働組合の歴史」です。リンク先はこちら。 Rosalux History - Rosa-Luxemburg-Stiftung 説明欄の内容を要約します。 資本主…

連邦情報局に関する独立歴史家委員会によるナチとの連続性を明らかにした研究について

2022年をもって、ドイツ連邦共和国の諜報機関である連邦情報局の1968年までの歴史を分析してきた連邦情報局歴史家委員会の事業として、最後の刊行物が出版されたとの報道がありました。2022年11月26日のフランクフルター・アルゲマイネ紙オンライン版に掲載…

ライプツィヒ権威主義研究――ハインリヒ・ベル財団より

2022年11月9日、ライプツィヒ権威主義研究の2022年版が、ハインリヒ・ベル財団のウェブサイトに掲載されました。 Leipziger Autoritarismus-Studie 2022, in: Heinrich-Böll-Stiftung PDF版が自由にダウンロードできます。テーマは「不確かな時代における権…

ナチズムと「国民社会主義」概念について――ローザ・ルクセンブルク財団より

2022年10月、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、「ナチズムと『国民社会主義』――二つの基本概念の波乱に満ちた歴史」というオンライン冊子が掲載されました。PDF版を自由にダウンロードできます。 Rüdiger Hachtmann, Nazismus und "Nationalsozi…

植民地のための権利請願――ブログ・民主主義の歴史(Blog Demokratiegeschichten)より

日常の小さな歴史から民主主義の歴史を確立させることを目的に掲げた、「ブログ・民主主義の歴史(Blog Demokratiegeschichten)」を知りました。リンク先はこちらです。 Blog Demokratiegeschichten 歴史(Geschichte)を複数形にすることで、民主主義が、…

エクスプレス誌について――社会主義的経営・組合事業のためのドイツ語ジャーナル

『エクスプレス――社会主義的経営・組合事業のための新聞』という月刊誌を知りました。 express: Zeitung für sozialistische Betriebs- und Gewerkschaftsarbeit 自己紹介欄によれば、この雑誌は、1962年に前身となる express international が設立され、197…

ベルリンのカール・マルクス通りとハンザ地区の世界文化遺産登録への呼びかけ

冷戦期東ベルリンの大通り、つまり今日のカール・マルクス通り(Karl Marx Allee)と西ベルリンのハンザ地区をユネスコ世界文化遺産に登録しようという呼びかけがあることを知りました。 2022年10月22日、ベルリンのラジオ放送局 rbb Kultur のオンラインサ…