浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

研究ノート

オーラル・ヒストリーについて――オンライン現代史事典ドキュペディア・ツァイトゲシヒテより

このブログで何度かドイツ語圏のオンライン現代史事典ドキュペディア・ツァイトゲシヒテ(Docupedia-Zeitgeschichte)を取り上げたことがあります。 Docupedia-Zeitgeschichte 2023年3月28日、このウェブサイトに、オーラル・ヒストリーの項目についての論説…

ジャカルタ・メソッドについてのローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトの書評

在外期間中、見逃していましたが、ヴィンセント・ベヴィンス『ジャカルタ・メソッド』の日本語訳が2022年4月に出版されていたんですね。 ヴィンセント・ベヴィンス『ジャカルタ・メソッド ――反共産主義十字軍と世界をつくりかえた虐殺作戦』竹田 円訳、河出…

現代史におけるナショナリズム――Merkurより

研究メモです。 ドイツの現代思想系の雑誌『メルクーア』 Merkur の2023年3月号に、「現代史におけるナショナリズム」という論説が掲載されました。オープンアクセスです。 Claudia Gatzka, Nationalismus in der Zeitgeschichte, in: Merkur, 886 (2023), 5…

(ポスト)コロニアル・ドイツ――近刊関連書籍のSehepunkte書評リスト

このブログでもたびたび紹介している、ドイツ語圏の歴史学書評オンライン・ジャーナル Sehepunkte (視点)ですが、2023年第2号として、これまでに近刊書として掲載された書評を、「(ポスト)コロニアル・ドイツ(Deutschland (post)kolonial)」と題してま…

インターナショナルにおけるパン・アフリカニズムと反植民地主義――ローザ・ルクセンブルク財団より

だいぶ以前の記事ですが、2019年3月22日にローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「共産主義が黒になったとき――共産主義インターナショナルにおけるパン・アフリカニズムと反植民地主義」という題の論説が掲載されました。 Matt Williams, "When Commun…

#アフリカ――「現在の歴史」より

少し前の論説になりますが、2020年11月11日にドイツ語圏歴史系ウェブサイト、Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)にゲジーネ・クリューガーさんによる 「#アフリカ」という論説が掲載されました。リンクを貼っておきます。 Gesine Krüger, #Afrika, in: …

Zeithistorische Forschungen(現代史研究)の男性史特集

Zeithistorische Forschungen(現代史研究)という専門誌の第18巻第3号(2021年)は「男性史」特集です。何かの拍子でたどり着きました。ここにリンクを貼っておきます。 Zeithistorische Forschungen, Online Ausgabe, 18 (2001), H. 3, https://zeithistor…

W.E.B.デュボイス、ナチ・ドイツへの旅、1936年

アメリカ黒人解放運動、パン=アフリカニズムの指導者として名高い、W.E.B.デュボイスは、1936年、ナチ支配下のドイツを訪れました。2022年、その旅行記のドイツ語訳が出版されました。 W. E. B. Du Bois, 'Along the color line': Eine Reise durch Deut…

グローバル権威主義研究――IRGACより

2022年11月、権威主義と対抗戦略についての国際研究グループ(International Research Group on Authoritarinism and Counter-Strategies、IRGAC)が、transcript社より『グローバル権威主義――南からの視点と異議申し立て』と題した論文集を刊行しました。オ…

21世紀のオーラル・ヒストリー――H-Soz-Kult の書評

2022年12月2日、ドイツ語圏の歴史学系総合ポータルサイト H-Soz-Kult に、リンデ・アーペル編『記憶する、語る、歴史を書く――21世紀のオーラル・ヒストリー』というタイトルの論文集の書評が掲載されました。 Linde Apel (Hrsg.), Erinnern, Erzählen, Gesch…

植民地のための権利請願――ブログ・民主主義の歴史(Blog Demokratiegeschichten)より

日常の小さな歴史から民主主義の歴史を確立させることを目的に掲げた、「ブログ・民主主義の歴史(Blog Demokratiegeschichten)」を知りました。リンク先はこちらです。 Blog Demokratiegeschichten 歴史(Geschichte)を複数形にすることで、民主主義が、…

ドイツ青年運動についての近刊書――歴史学系書評ジャーナル Sehepunkte より

研究ノートです。ドイツ語圏の歴史学系書評ジャーナル Sehepunkte のウェブサイトに、ドイツ青年運動についての研究書が紹介されました。 Antje Harms, Von linksradikal bis deutschnational: Jungendbewegung zwischen Kaiserreich und Weimarer Republik,…

20世紀における労働現場での暴力、20世紀のレジスタンス闘士――Call for PapersとCall for Articles

研究動向のメモです。ちょうど似た時期に知りまして。 一つは、2023年11月23日-24日にフリードリヒ・エーベルト財団が主催予定のシンポジウム「20世紀における労働現場での暴力――労働組合史への新たな視角」への報告ペーパー募集です。 Gewalt am Arbeitspl…

歴史家は論争する――アインシュタイン・フォーラムより

2022年9月29日に、ズーザン・ナイマンさんとミヒャエル・ヴィルトさんによって編集された論文集、Historiker streiten: Gewalt und Holocaust - die Debatte(歴史家は論争する――暴力とホロコースト、その議論)が出版されました。出版社のウェブサイトはこ…

データのなかのドイツ――歴史統計の視点から

すでにご存じの方も多いかもしれません。ドイツ経済史の通史をいくつかあさっていましたら、「データのなかのドイツ」というウェブサイトにたどり着きました。テキスト版とデータセットがダウンロードできます。 Deutschland in Daten – Zeitreihen zur Hist…

ベルリンにおけるポストコロニアルの記憶について

研究ノートです。 ドイツのフェアブレッヒャー出版社から、『ポストコロニアル都市を読む――フリードリヒスハイン=クロイツベルクにおける歴史的調査』という論集が出版されました。 Natalie Bayer/ Mark Terkessidis (Hg.), Postkoloniale Stadt lesen: His…

ルードルフ・ドゥアラ・マンガ・ベルとその名誉回復をめぐって

2022年8月15日、ドイツの左派系の新聞、taz 紙のオンライン版に、ドイツの都市アーレンとウルムが、1914年にドイツ植民地統治下のカメルーンで処刑されたドゥアラ王ルードルフ・ドゥアラ・マンガ・ベルの名をある広場につけることで、彼を顕彰することになっ…

ホロコーストと記憶へのアフリカ的パースペクティブ――Geschichte der Gegenwartより

2022年7月31日、「ホロコーストと記憶へのアフリカ的パースペクティブ」と題した論説が、「現在の歴史(Geschichte der Gegenwart)」のウェブサイトに掲載されました。 Charlotte Wiedemann, Afri­ka­ni­sche Perspek­tiven auf Holo­caust und Erin­ne­run…

植民地的過去-ポスト植民地的未来?――ドイツ=ナミビア関係論集と討論会

2022年、つまり今年ですが、『植民地的過去-ポスト植民地的未来?――ドイツ=ナミビア関係を新たに考える』と題した論集が、ブランデス&アプゼル出版社より刊行されました。 Henning Melber/Kirstin Platt (Hrsg.), Koloniale Vergangenheit - Postkolonial…

ドイツ皇帝のトレジャー・ハンター――南ドイツ新聞の書評より

2021年9月、『ドイツ皇帝のトレジャー・ハンター――オリエントでの略奪遠征』と題した本が、Ch.リンクス社から出版されました。 Jürgen Gottschlich / Dilek Zaptcioglu-Gottschlich: Die Schatzjäger des Kaisers. Deutsche Archäologen auf Beutezug im Or…

ノルトライン=ヴェストファーレンと帝国主義――H-Soz-Kultより

研究ノートです。 2021年6月24-26日にオンライン・シンポジウム「ノルトライン=ヴェストファーレンと帝国主義」のカンファレンス・レポートを見つけました。 Stephanie Zloch / Michael Rösser: Nordrhein-Westfalen und der Imperialismus, in: H-Soz-Kul…

ハイパー資本主義者としてのナチズム――Jacobin誌より

2022年7月8日、ドイツの左派系ジャーナルのジャコバン誌(Jacobin)に「ナチたちはハイパー資本主義者だった」というタイトルのインタビュー記事が掲載されました。 Nils Schniederjann, Die Nazis waren Hyperkapitalisten, in: Jacobin Magazin, 8. Juli 2…

マイケル・ロスバーグ、ホロコーストとアルジェリア独立闘争との関連性を語る――ローザ・ルクセンブルク財団より

研究メモです。 以前に、マイケル・ロスバーグさんの『多方向的記憶』について紹介しました。 「『歴史家論争2.0』――マイケル・ロスバーグの論説より」浅田進史研究室/歴史学ブログ、2021年1月20日 2022年7月4日、ローザ・ルクセンブルク財団のホームページ…

革命記念碑と記憶政策について――Geschichte der Gegenwartより

研究ノートです。 2022年6月26日、ドイツ語圏の歴史学系ウェブサイトGeschichte der Gegenwart(現在の歴史)に「共産主義はどれほど記憶に値するか――ミース・ファン・デア・ローエの革命記念碑の再建計画について」という論説が掲載されました。 Claus Legg…

ヨーロッパに在住するアフリカ系の人びとの組織化について――ローザ・ルクセンブルク財団より会議報告

2022年6月21日に「いかにヨーロッパにいる黒人が組織化し始めたか」というタイトルの論説が掲載されました。ベルリンで6月10日-12日に開催された「ブラック・ヨーロッパ」という会議の英文報告です。関心のある方はどうぞ。 Femi Awoniyi, How Black People…

ベルリンの植民地主義的過去への取り組み

ベルリンに「ベルリンを脱植民地化する(Decolonize Berlin)」という団体がありまして、そのウェブサイトへのリンクがこちらです。 Decolonize Berlin その Decolonize Berlin のウェブサイト内に、「Koordinierungsstelle(調整局)」というページがありま…

アイルランドと世界史―― Radical History Reviewより

2022年5月に公刊された『ラディカル・ヒストリー・レヴュー』第143号は、「アイルランドと世界史」特集です。 "Irish and World Histories," Radical History Review 143 (May 2022) 同名の巻頭論文(Peter Hession and Aidan Beatty)とアイルランドのポス…

ホーエンツォレルン家の旧財産返還交渉と右翼の友人たち――反ファシズム雑誌 Der rechte Rand より

以前にこのブログで、反ファシズム雑誌 Der rechte Rand とホーエンツォレルン家をめぐるドイツ語圏の議論について紹介しました。 Der rechte Rand については、こちら。 「反ファシズム雑誌 Der rechte Rand の特集号「反フェミニズム」について」浅田進史…

ヴァイマル期ドイツ社会民主党と反ユダヤ主義――ローザ・ルクセンブルク財団より

今日も研究書の書評を取り上げます。 2022年5月17日、ローザ・ルクセンブルク財団ホームページに、2020年にフランクフルト・アム・オーデルのヨーロッパ大学(Viadrina)に提出された教授資格論文を基にした学術成果が紹介されました。 Florian Weis, Christ…

脱植民地化について――Cambridge Core Blogより

2022年5月13日、「世界における西欧近代」を研究テーマとするクリストフ・カルターさん(ノルウェーのアグデル大学)が、Cambridge Core Blogに「脱植民地化について」と題する論考を投稿しました。 Christoph Kalter, "On decolonization," in Cambridge Co…