浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

日歴協の呼びかけ――新型コロナ感染症と非常勤講師問題

 日本歴史学協会若手研究者問題特別委員会のメンバーの一人です。

 日本歴史学協会は、歴史学関係の学会・研究会の相互交流、連絡のための学会組織です。その組織のなかに若手研究者問題特別委員会が設置されています。

 2020年4月22日、同委員会が「新型コロナウイルス感染症対応下での教育現場における非常勤講師・兼任講師への適切な配慮と対応を求めます(呼びかけ)」を同会ホームページで公開し、また意見・要望の募集を始めました*1

 

  1. 新型コロナウイルス感染症への各教育機関の対応が遅滞なく非常勤講師・兼任講師へ連絡が届くように適切に配慮・対応すること
  2. 休業期間を含め、本来予定された賃金を保障するように適切に配慮・対応すること 文部科学省通知(2020年3月24日付、第7項目)では非常勤講師の業務体制の維持が求められています。
  3. 遠隔授業実施に伴う非常勤講師・兼任講師の負担増加に補助を含めた適切な配慮・対応を行うこと
  4. 非常勤講師・兼任講師に対して、就業上の安全衛生対策を適切に配慮・対応すること
  5. 非常勤講師・兼任講師が新型コロナウイルスに罹患した場合、賃金補償を含めた適切な配慮・対応を行うこと

 

 同サイトには、6月5日までに寄せられた非常勤講師・兼任講師の声が最新の更新日順に整理されています。

 委員会では、対面授業と遠隔授業が並行するなかで、非常勤講師の状況がいっそう悪化しているのではないか、とくにこの問題でもジェンダーの視点が重要ではないか、との議論が交わされています。

 以下のサイトで引き続き意見・要望を募集しています。ご協力いただけると幸いです。

 

 この問題に関連して、西洋史研究者・大学教員有志「新型コロナウイルス感染拡大下の大学教育を考える(2)」(第二回座談会)では、非常勤講師の事例が語られています。ぜひご一読ください。