浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

H・アーレント研究所ブログ――1990年代以降の東ドイツ女性運動史の紹介論説

 2020年6月4日、ハンナ・アーレント研究所ブログに、1990年代東ドイツ女性運動史についての論説が掲載されました。

 

 

 著者のイェシカ・ボック(Jessica Bock)さんは、2019年にドレスデン工科大学のジェンダー・コンセプト・グループ博士論文賞を受賞しています。博士論文は、1980年代から2000年までのライプツィヒを事例とした東ドイツ女性運動の歴史を扱ったものです。その博士論文は、2020年秋に出版予定とのことです。

 

 ハンナ・アーレント研究所ブログに掲載された短い論説では、東西ドイツ統一直後の1990年代に焦点を合わせて、ライプツィヒを事例にした東ドイツでの女性運動が描かれています。この論説では、1990年代は東ドイツ女性運動の終わりではなく、ライプツィヒではフェミニズム的基盤の確立であったと主張されています。

 

 実のところ、ハンナ・アーレント研究所ブログをはじめて訪問しました。

 

 

 ブログの標題に、アーレントの「手すりなき思考」が掲げられています。同名のアーレントの著作集のリンクを貼っておきます。*1

 

 

 この研究所は通常、学期ごとにコロキウムを開催していますが、このコロナ危機の時期ということで、新しい形式で"Frauen - Forschung - Feminismus"(女性・研究・フェミニズム)というコロキウムシリーズを行うとのことです。論説方式とのことで、上記の取り組みもその一環です。このコロキウムのなかで、また気になる論説を見つけたら紹介します。

 

 最後に補足です。以前に、このブログでドイツ歴史博物館で開催中のハンナ・アーレントについての展示を紹介しました。

 

 

 その関連で「手すりなき思考」を題名に付したデア・ターゲスシュピーゲル紙の論説(2020年6月22日)をみつけました。

 

 

 アーレントの新しい著作集の刊行プロジェクトを紹介しています。そのために、「ハンナ・アーレントを新たに発見する」というタイトルが掲げられています。

 

【2022年6月3日追記】

 イェシカ・ボックさんの博士論文は、すぐに2020年に出版されていました。出版社のリンクを貼っておきます。