浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

戦後75年、ドイツの記憶をめぐる政治について――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

 2020年7月に、戦後75年を記念して戦争とナチ支配をめぐる記憶に関する小冊子が、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに掲載されました。リンク先は以下の通りです。PDFのマークがあるアイコンをクリックしてください。

 

 

 著者のヤン・コルテ氏は、1977年生まれの修士号をもつ政治学者であり、左翼党(Die Linke)所属の連邦議会議員で、2020年2月に『左翼の責任(Die Verantwortung der Linken)』という本を出しています。

 第二次世界大戦後、そしてナチ=ファシズムからの解放75周年である今年、新型コロナ感染症に対応せざるを得ない状況下で多くの記念行事が阻まれたと書き出しています。そして、ナチによる東部占領と絶滅戦争によって生じた犠牲者を追悼する中心的な記憶の場所が欠けていると指摘しています。

 ナチズムの過去との向き合い方、とくにソ連側の戦争捕虜が記憶から忘却されたことが論じられていますが、若い世代の左派政治家からのナチによる戦争犯罪への意見表明として読むことができるでしょう。