浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ植民地戦争の過去と補償問題――ナミビア政府の修正要求

 ローザ・ルクセンブルク財団からの情報で、ドイツ植民地戦争とその責任追及に関連するニュースを知りました。今年8月上旬のことです。

 

 

 1904年から1908年にかけて、現在のナミビア、当時のドイツ領西南アフリカでドイツ植民地支配に対するヘレロの人びとによる武装蜂起、それに対するドイツの鎮圧戦争、そしてさらに続いてナマの人びとによる抵抗と鎮圧戦争が起きました。この戦争については、20世紀最初の「ジェノサイド」の事例として歴史研究が進められています。

 この記事では2015年以降、ナミビア政府とドイツ政府の間でこの戦争被害への公式謝罪と開発援助を結びつけた交渉が続けられてきたことが紹介されています。

 今回、ナミビア大統領はドイツによる補償案を受け入れられない、修正が必要だと述べました。詳細については語られていないという一方で、その「傷を癒す」ものとしての "reparations" という用語の使用が拒絶されていると指摘されています。

 4年前のものですが、参考として以下のレポートをどうぞ。

 

 

 より広い視点から位置づけた論考として、以下もどうぞ。

 

 

 ドイツ連邦政治教育センター(Bundeszentrale für politische Bildung)に掲載されている関連論考へのリンクも貼っておきます。