2020年8月の間にドイツ連邦文書館のSNSやウェブサイトで、所蔵史料のデジタル化進行状況について2つの報告がありました。
1つめは軍関係史料のデジタル化状況についてです。
この案内では、1849年から1949年までの期間で軍関係史料のうち、すでにデジタル化済み、デジタル化途中、次のデジタル化予定が一覧になったPDFファイルへのリンクが紹介されています。以下、その解説とPDFへのリンクをお知らせします。
- Digitalisierung in der Abteilung Militärarchiv (Überlieferungsbereich 1849 bis 1949)
- Digitalisierungen in der Abteilung Militärarchiv, Stand Juli 2020 (PDF, 3MB)
まあこのPDFの一覧で確認するよりも、研究テーマがはっきりしている人はinvenioで検索した方が手っ取り早い気がしますけど。いや、やはり一覧があるとありがたいですよね。
いまはこのブログでもすでに紹介したヴァイマル期にデジタル化の力点が置かれていますが、次はナチ期に集中するとのことです。*1
2つめは、ヴァイマル期関係の史料です。上記のヴァイマル期の史料について、ドイツ連邦文書館は "Weimarer Republik - Die erste deutsche Demokratie" というポータルサイトを設けています。
SNSを通じて、8月13日、"R 1602 Reichskommissar für die besetzten rheinischen Gebiete" の一部がデジタル化されたとの情報が発信されましたが、18日には、ヴァイマル期の選挙ポスター、史料、写真を整理したページが掲載されました。
短い解説はこちら。
実際のサイトはこちら。
俳優アンナ・ミュラー=リンケ(Anna Müller-Lincke, 1869-1935)が急進的な女性団体の議長として立候補する女性の役を演じた無声短編映画へのリンクが貼られています。こちらは1分弱に編集されています。
こちらは投票を呼びかけるために1919年に作成されたコメディ調の宣伝映画ですが、女性参政権の歴史の重要な一コマでしょう。
本来の長さは15分程度でして、そちらへのリンクも貼っておきます。
【追記 2021年2月28日】
ヴァイマル共和国成立に関する史料のうち、1918年11月12日に公表された"Aufruf an das deutsche Volk" (ドイツ人民への呼びかけの意)の史料がデジタル化されました。以下の解説ページにはデジタル化された史料へのリンクに加えて、とくに女性参政権を保証する文言が引用されています。