浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ連邦文書館所蔵ヴァイマル共和国期史料のデジタル化――「黒い恥辱」関連資料

 2020年9月15日、ドイツ連邦文書館所蔵のヴァイマル共和国期史料に関するブログ "Weimar - Wege zur Demokratie" に、新しいデジタル化に関する報告が掲載されました*1

 

 

 こちらのページの解説によれば、この新たにデジタル化された史料ファイル "Rheinische Volkspflege"(ライン社会福祉局)は、1920年に "Reichszentrale für Heimatdienst"(全国郷土奉仕センター)から組織された情報・教育部局で、今日の "Bundeszentrale für politische Bildung"(連邦政治教育センター)の先駆と位置づけられています。

 1923年以降、この部局は民間組織となりましたが、それでも第一次世界大戦後に占領されたラインラントのドイツ政府プレスセンターの役割を担っていました。その活動は、ベルギーとフランスの宣伝および分離主義運動の監視であり、またそれらに対抗する宣伝を調整することだったと説明されています。1930年に解散したとのことです。

 あわせて222点の史料があり、そのなかにはアフリカ系フランス兵士の駐留に対する反対キャンペーン、いわゆる「黒い恥辱(Schwarze Schmach)」に関する史料もあります。関連する日本語の論考としては、こちらをどうぞ。

 

 

【2021年8月19日追記】

 2021年7月5日、ドイツ文書館総合ポータルサイト Archivportal-D に、Die Reichszentrale für Heimatdienst に関する論説が掲載されました。かなりしっかりした記事です。以下にリンクを貼っておきます。

 

 

 また、これに関連して、ドイツ連邦文書館のSNSで、R43 I(Reichskanzlei)と R 1501(RM des Innern)にある関係資料がデジタル化されているとの情報提供がありました。