浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

14世紀ブレーメンにおけるユダヤ教徒に対する差別の痕跡

 講義・演習・講読用のメモです。

 2021年1月3日、ブレーメン放送局のウェブサイト "buten un binnen" に「ブレーメン州立文書館でのセンセーショナルな発見が驚くべき歴史を語る」と題された記事が掲載されました。

 

 

 ニュース動画もついています。ブレーメン州立文書館で、14世紀のブレーメンで製作された、ユダヤ教徒を差別する印章が発見されました。その差別表現は南ドイツでも同様に広がっていたといいます。

 そのうえで、この記事では、金貸しのような限られた職業しか就けないユダヤ教徒に対する中世での構造的な差別について説明されています。

 とくに、14世紀半ばにヨーロッパでペストが猛威を振るったときに、多くの都市で、ユダヤ教徒に対する虐殺が起きました。ユダヤ教徒のコミュニティが消失する事例もあり、それはユダヤ教徒にペストの責任を負わせる一方で、借金を帳消しにする行為でもありました。