2021年1月9日、ドイツの国際放送を運営しているドイチェ・ヴェレのオンライン版で、ナチによって強制断種の手術を受けさせられたアフリカ系ドイツ人の子どもについての記事が掲載されました。
第一次世界大戦後、ヴェルサイユ講和条約によってドイツに課された賠償支払いの一環としてフランス軍がラインラントを占領しました。1920年に10万人の兵士がフランスから派遣され、そのうち5分の1がフランス植民地支配下のセネガルおよびマダガスカル出身でした。
そのアフリカ出身の植民地兵がラインラントを占領したことは、当時ドイツで「黒い恥辱」と呼ばれました。その言葉には、当時のドイツに根差した人種主義的思考が表現されています。
その植民地兵とドイツ人女性との間に生まれた子どもは、「恥辱の子ども」と呼ばれました。そして、1937年にヒトラーの命令で、秘密警察ゲスターポのもとに非合法の強制断種が行われたとのことです。
この記事には、戦後の裁判についても言及されています。画像資料に加えて、動画へのリンクもあります。
これに関連する史料を以前にこのブログで紹介しました。関心のある方はあわせてご覧ください。