浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ベルリン自由大学の敷地から発見されたナチ犯罪・植民地主義の痕跡

 2021年2月24日、オンライン版タッツ(taz)紙のウェブサイトに16,000片もの人骨をめぐるシンポジウムに関する記事が掲載されました。これらの遺骨は、ベルリンのダーレムにあるベルリン自由大学オットー・ズーア政治学研究所(Otto-Suhr-Institut für Politikwissenschaft)の敷地から発見されたものです。

 

 

 その発見場所に隣接して、かつてカイザー・ヴィルヘルム人類学・人間遺伝学・優生学研究所(Kaiser-Wilhelm-Institut für Anthropologie, menschliche Erblehre und Eugenik)が存在していました。ここには、植民地主義の歴史に由来する医学的な収集物があり、またそれはナチの人種政策の正当化に寄与したとのことです。さらには、収容所に勤務した医師ヨーゼフ・メンゲレは、ユダヤ系およびシンティ・ロマの双子の子どもを虐待・殺害し、その遺体の一部を同研究所に送っていた、と説明されています。

 この遺骨の発見は2014年に溯ります。この記事では、これまでの論争含みの過程が説明したうえで、専門家のコメントが紹介されています。

 さらに、アウシュヴィッツ絶滅収容所との関連についても触れた続報はこちら。