浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

冷戦期東西ドイツの間の郵便小包交流――ドイツ連邦文書館ヴァーチャル展示

 また、ドイツ連邦文書館のヴァーチャル展示を紹介します。

 この展示は、冷戦期の東西ドイツの国境を越えた郵便小包を通じた日常的な交流に焦点をあてています。

 

 

 この展示を解説したリード文によれば、1965年にドイツ連邦共和国の住民100人につき87個の郵便小包ドイツ民主共和国に送られており、その量はドイツ民主共和国の住民1人つき平均3個にあたるそうです。その逆に、ドイツ民主共和国の住民100人につき128個の郵便小包ドイツ連邦共和国に送られました。それはドイツ連邦共和国の100人あたり40個を受け取ったことになるとのことです。

 

 冷戦期の分断国家における日常とその国境を越えた交流を、郵便小包に焦点をあえた研究があるのですね。この解説文には、以下の2つの文献が紹介されています。

 

  • Konstanze Soch: Eine große Freude? Der innerdeutsche Paketverkehr im Kalten Krieg (1949-1989), Frankfurt/Main 2018
  • Josef Foschepoth: Überwachtes Deuschland. Post- und Telefonüberwachung in der alten Bundesrepublik, Göttingen 2012

 

 また、コンスタンツェ・ゾッホ氏が自身の研究について、ドイツ連邦政治教育センターのウェブサイトに紹介論説を寄稿しています。