H-Soz-Kultというドイツ語圏の歴史学総合ウェブサイトがあります。
2021年5月5日、そのサイトに、2021年2月に4日間かけて開催された、「デジタル人文学とジェンダー史」の会議報告(英文)が掲載されました。
執筆者のマルツェル氏は開催したイエナ大学でジェンダー史を教えており、主催者の一人です。主催者には、イエナ大学ジェンダー史講座の3名の教員(ギーゼラ・メッテレ、ピア・マルツェル、マルティン・プレル)のほか、以下の2団体が名を連ねています。
- Arbeitskreis für historische Frauen- und Geschlechterforschung e.V.
- Digitales Deutsches Frauenarchiv
基調講演(Michelle Moravec, Rosemont College: Why Gender History Needs Digital Humanites and Vice Versa)を紹介した部分では、デジタル・ツールを使った女性解放運動のナラティヴがコンピュータで読み解けないテクスト、とくに周縁に位置する社会集団のテクストの欠如が問題となること、あるいはそれから派生してブラック・フェミニズムの開始と女性解放運動の時期区分を再考すべきこと、そしてデジタル・ツールは中立的なものではないことが指摘されています。
そのほか、各報告の要旨、そして会議の概要が掲載されています。気になります。
【2022年1月17日追記】
以下のリンク先で、会議報告やプログラムなど各種の資料がダウンロードできます。