浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツほか歴史博物館のなかの「社会的市民権」展示について

 ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトで、2021年6月14日に、ヴォルフガング・イエーガー『博物館における社会的市民権――9つの文化史博物館における社会的民主主義の表象』(2020年)の書評が掲載されました。

 

 

 「文化史博物館」とありますが、本書で取り上げられている9つの博物館は、歴史、なかでも近現代史と社会・経済に関わる歴史博物館です。以下、列挙しておきます。

 

 

 評者によれば、本書は「社会的民主主義(soziale Demokratie)」の関心の展示は可能であり、いくつかの博物館(たとえばハンブルクの労働博物館)は全体として、あるいは各部に様々な方式で取り組まれている、と主張しています。その一方で、ドイツ歴史博物館は保守的な政治史に支配されていることは驚くことではない、とも評されています。それでも、これらの博物館展示では、総じて「社会的な民主主義の関心」は乏しい、と結論づけられています。

 ちなみに、評者は、工業化に力点をおいた博物館展示のなかで、以下の博物館も考慮すべきと指摘しています。