浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ文書館員連合(VdA)による大洪水に関するプレスリリース(2021年7月22日)

 2021年7月22日、ドイツ文書館員連合(VdA、Verband deutscher Archivarinnen und Archivare e.V.)のホームページに、ドイツでの災害による文書館への被害に関するプレス・リリースが掲載されました。

 

 

  冒頭では、自然災害への憂慮と犠牲者への追悼、さらに同連合がこれまで緊急時の文書館制度のあり方について議論してきたことが説明されています。

 そのうえで、今回の災害でノルトライン=ヴェストファーレン州ラインラント=プファルツ州で複数の文書館が被害に遭い、さらに一部は重大な損害を受けたと報告されています。また、その被害の規模はまだ確定できないとのことです。

 

 リンクが貼られているプレス・リリースの本文では、以下の文書館が支援を求めているとのことです。

 

 

 LVR-Archivberatungs- und Fortbildungszentrum と Landesarchivverwaltung Rheinland-Pfalz のウェブサイトには、それぞれ被害の速報が掲載されていました。こちらを参照ください。

 

 

  VdAは「最悪のケース・シナリオ」のなかで、どのように文書館関係者が専門的な知見に適った救出と文書の処置に沿った支援を行うべきかについて、ワークショップ資料を指示しています。

 

 

 また、2021年春にちょうど文書館員向けのオンライン研修で、この緊急計画にかかわるテーマが含まれていたそうです。こうした知識の共有は大切だと思います。

 日本でも歴史資料ネットワークの活動や、日本歴史学協会のシンポジウムなどで、災害時の史料保存の取り組みが進められていますが、地球温暖化の影響によって大規模な自然災害が頻発するなか、歴史家・文書館員にとってますます重要で、世界的な課題となっていることが分かります。