浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ユダヤ系の人びとによるナチズムへの抵抗について――『南ドイツ新聞』近刊3冊の書評より

 2022年1月23日、『南ドイツ新聞』のウェブサイトに、ナチ・ドイツのテロ行為にユダヤ系の人びとの抵抗にかんして、近刊の3冊を紹介する論説が掲載されました。「ホロコースト――決死の覚悟をもった人たち」という意味の題名です。

 

 

 紹介された本は以下の3冊です。

 最初の本はこちら。「私たちには死しかないと決して言わないで――ユダヤ系自由闘士の忘れられた歴史」といった意味で、ユダヤ系の人びとによる抵抗運動がテーマになっています。原著は英語で、ドイツ語に翻訳されたものです。

 

 

 著者のホームページによる英語の原著の紹介はこちら。

 

 

 次の本はこちら。「『復讐は私だけ』――ショアーへの報復」という感じで、東欧の地下活動闘士でショアーを生き延び、戦後に600万人のドイツ人を殺害することを決議した50名の若い男女を取り上げた本とのことです。原著はヘブライ語です。

 

 

 最後の3冊目はこちら。「『とにかく誰かが犯罪者を、そう、処罰しなければならなかった』――ユダヤの復讐、1945年以降のドイツ司法の過失、ドイツ=ユダヤ和解のおとぎ話」というタイトルです。

 

 

 上記の紹介によれば、1945年以降、ユダヤ系の人びとへの大量虐殺を行った加害者が組織立って赦され、戦後社会に統合されていく一方、数百万もの犠牲者に正義が果たされることなかったことを批判するものです。