浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ロシアによるウクライナ侵略戦争を非難するオーラル・ヒストリー学会(UK)声明

 2022年3月1日、英国のオーラル・ヒストリー学会理事会(Oral History Society, UK)がロシアのウクライナ侵略に対する非難声明を発表しました。

 

 

 ロシアのウクライナ侵略を非難し、民間人に対する無差別爆撃と不必要な人命の損失を嫌悪し、即時の停戦とロシア軍のウクライナからの撤退を要求しています。

 そのうえで、ウクライナ市民およびウクライナのオーラル・ヒストリー歴史家およびウクライナ・オーラル・ヒストリー学会と連帯し、またウクライナの軍事行動に反対するロシア市民を支持すると鮮明にしています。

 さらに、ウクライナの歴史遺産施設、そしてその施設と教育機関に収められているオーラル・ヒストリー資料の安全について深く憂慮しています。また、ロシアがウクライナを支配した後に、オーラル・ヒストリーの仕事の独立性と証言についての公共的な資料館へのアクセスが脅かされると信じているとも述べています。そのうえで、ロシアで最も歴史のある人権団体の一つ、Memorial が最近、閉鎖されたことに言及しています。そして、オーラル・ヒストリーは民主的な社会でのみ発展できると述べています。

 そのうえで、最も尊重されるべきホロコースト記念施設の一つであるバビ・ヤールを爆撃しながら、ロシアの行動を正当化するために歴史を不適切に乱用し、民主的なウクライナを「脱ナチ化」する必要があるという言語道断の特徴づけを行うプーチン大統領に抗議しています。

 そのうえで、同学会の会員に、できるかぎりの方法で、声を発し、ウクライナ、同僚のオーラル・ヒストリー研究家と文化遺産関係の専門家をサポートすることを求めています。