浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

Gedenkort-T4――ナチ「安楽死」犯罪に関するウェブサイトについて

 Gedenkort-T4は、ベルリンのティーガルテン通り4番地で行われたナチによる「安楽死」殺人の犠牲者を祈念し、その歴史についての情報を発信するオンライン・サイトです。2011年以降、このサイトは設置されているとのことです。

 

 

 このプロジェクトのリード文では、長らくこの歴史について語られなかったり、軽視されていたと述べ、また関係者との参加型のプロジェクトとして始まったことが説明されています。

 このウェブサイトでは、犠牲者の目録、ドイツ国内の祈念施設・博物館・「躓きの石」・加害の場・記念碑や活動団体のリスト、ベルリンをテーマとした特設ページ、関係者および歴史的場所の登録ページ、文献目録など、とても充実しています。

 以前に、このテーマで卒論に取り組んだゼミ生がいましたが、またそうした学生を指導することになったら、このサイトは役立ちそうです。英語版もあります。

 

 この歴史と戦後補償との関連について、日本語では、紀愛子さんの研究がありますね。

 

  • 紀愛子「ナチ・ドイツにおける強制断種と被害者に対する戦後補償」『ジェンダー史学』第17号、2021年、21ー33頁
  • 紀愛子「ナチスによる強制断種政策をめぐる戦後補償政策の展開」『史観』第179巻、2018年、58-80頁