2022年6月7日、ミュンヒェン=ベルリン現代史研究所のホームページに、連続講演「民主主義――約束・展望・測定」の一環として、ウーテ・ダニエルさんの講演「民主主義のもう一つの前史」の紹介が掲載されました。
講演要旨を紹介します。
まず、今日の民主主義の前史は何かという問いは、一見、不要なものであるように思われるといいます。というのも、民主主義の歴史叙述の重点――選挙権とその実践、議会制の過程、政治参加の拡大を要求する政治・社会的運動――が民主主義の前史の一部であることは疑いないからです。
しかし、ここでは、そうした民主主義の歴史はその歴史のほんの一部にすぎないと指摘します。そこには、民主化の歴史の中心的な観点、とくに人間の生活状況を均等化する議会の権限の歴史が欠けていると主張します。議会は引き継がれた所有関係に介入する権限をもつのです。
このミュンヒェン現代史研究所で2022年6月2日に行われた講演では、ドイツとイギリスにおける1914年以前の所有税をめぐる抗争について、1900年頃の時期を対象に、今日まで続く衝撃をもったこの問題がどのように争われたのかを例示されます。
この講演はYouTube動画でアップされています。上のリンクから視聴できます。