浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ザクセン=アンハルト州でのネオナチによる暴力を記録する

 2022年6月23-24日にライプツィヒ大学およびザクセン科学アカデミーで開催されたワークショップ「ザクセンポストコロニアル」に参加してきました。この催しについては、以前にこのブログでも紹介しました。

 

 

 研究者と活動家がともに議論する興味深い場でしたが、活動家にとっての「ポストコロニアル」とは、人種差別的な動機に基づく暴力・偏見、構造的差別の問題であることがはっきりと表明されていたことが印象的でした。この問題がザクセンにとっての喫緊の社会的課題として認識されていることも、心に残りました。

 

 そうした記憶があったなか、あるSNSの情報発信で、「わたしたちはザクセン=アンハルト州における右翼暴力の犠牲者を記憶する」というウェブサイトを知りました。そのなかに、2000年6月11日に3人のネオナチの襲撃によって亡くなったモザンビーク出身のアルベルト・アドリアーノさんの記録が掲載されています。

 

 

 アドリアーノさんは、1988年にモザンビークからドイツ民主共和国にやってきた最後の二国間協定契約労働者の一人としてやってきたとのことです。デッサウで食肉業で働き、のちに結婚する方と1990年に知り合い、3人の子どもがいたとのことです。当時のネオナチによる殺害の様子が詳細に記録されています。

 同ウェブサイトのトップページへのリンクはこちら

 

 ドイツ民主共和国時代のモザンビークからの契約労働者についても、このブログで何度か紹介しています。関心のある方は以下をどうぞ。