浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ベルリンの植民地主義的過去への取り組み

 ベルリンに「ベルリンを脱植民地化する(Decolonize Berlin)」という団体がありまして、そのウェブサイトへのリンクがこちらです。

 

 

 その Decolonize Berlin のウェブサイト内に、「Koordinierungsstelle(調整局)」というページがあります。

 

 

 この調整局についての説明を要約します。

 

 2019年8月にベルリン州下院議会は、「ベルリン州植民地主義の歴史とその帰結について都市全体の取り組みと記憶のコンセプトの発展」を議決した。この調整局はその参加型プロセスに責任をもち、具体的な提案を作成し、ドイツの植民地的過去への取り組みを強化し、学術と教育にそのテーマを根づかせ、ふさわしい記憶のかたちを発展させることを目的としている。

 

 上記のページには、ベルリン州下院の議決、2019年以降の取り組みの記録、中間報告(2020年12月)、刊行物へのリンクがアップされています。

 

 これまでの刊行物には、以下のようなものがありました。

 

  • 3つの科学的所見を収録した『何を私は知っているのか』(2021年6月)
  • ベルリンにある植民地的文脈をもつ遺骸の状況についての科学的所見『わたしたちは取り戻したい』(2022年2月、英語版あり)
  • 2021年の調整局年次報告(2021年12月)

 

 植民地主義的過去を公共空間にいかに記憶するかという問題を、地域行政と連携して取り組んでいるという点で、とても興味深いです。