浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ノルトライン=ヴェストファーレンと帝国主義――H-Soz-Kultより

 研究ノートです。

 2021年6月24-26日にオンライン・シンポジウム「ノルトライン=ヴェストファーレン帝国主義」のカンファレンス・レポートを見つけました。

 

 

 ここ20年来、植民地主義研究で確立された「国内の帝国(Empire at Home)」の視点は、いまなおきわめて生産的であり、ドイツでもローカルに根差し、とくに都市における(ポスト)植民地主義的痕跡をたどる取り組みが高まっていると指摘されています。このシンポジウムは、ノルトライン=ヴェストファーレン州における植民地的痕跡と構造について、学際的に検討するものです。

 同州を事例にした帝国主義研究における国民と地域の関係についての方法論的な考察(Susanne Kuss)の後、ラインラントにおけるインフラ面での植民地性についての報告(Nina Kleinöder)、ドイツ領東アフリカでの貿易・プランテーション会社についての分析(Andreas Donay)、地方の博物館収集物から見たドイツ帝国主義・南北アメリカ・中東との関係についての報告(Amir Theilhaber)など、2日間に及ぶシンポジウムでの各報告を簡潔に要約してくれています。

 レポートの最後に、シンポジウム構成が掲載されていて、概観を把握できるようになっています。