浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

歴史家は論争する――アインシュタイン・フォーラムより

 2022年9月29日に、ズーザン・ナイマンさんとミヒャエル・ヴィルトさんによって編集された論文集、Historiker streiten: Gewalt und Holocaust - die Debatte(歴史家は論争する――暴力とホロコースト、その議論)が出版されました。出版社のウェブサイトはこちら。

 

 

 あきらかにドイツの「歴史家論争(Historikerstreit)」をもじった表題を掲げたこの論文集は、2021年10月4日に、アインシュタイン・フォーラム(Einsteinforum)が主催したシンポジウムを基にしたものです。新型コロナ感染症の影響でオンライン開催されたものですが、その報告動画がまだウェブサイトにて公開されています。

 

 

 アインシュタイン・フォーラムでの本の紹介サイトはこちらです。

 

 

 色々とこれから書評が現れるでしょう。すでに、報告者の一人、Zoé Samudzi さんが、「ナミビアのドイツ史か、ドイツのナミビア史か」を発表しましたが、「文学的分析」という理由で論文集に招待されなかったことを批判しています。ちょっと気になりますね。

 

 アインシュタイン・フォーラムは、ブランデンブルク州の公法上の資格をもつ財団で、革新的・国際的・学際的なプログラムを世論に提供することを謳っています。

 

 "Projekte" をクリックすると、興味深そうなタイトルが並んでいます。いまのところ、「批判的道徳」、「過去との取り組み」、「啓蒙の新解釈」、「悪を理解する」、「正義、資本主義、抗議」、「自然科学の自己理解について」、「細部から範例へ――ミクロ史的視点」、「(複数の)歴史の理論」、「感情の理論と歴史」、「映画の世界」が列挙されています。