浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

民主主義革命の偉大な理論家としてのローザ・ルクセンブルク――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

 2022年9月21日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「ローザ・ルクセンブルクは民主主義革命の偉大な理論家だった」というタイトルの論説が掲載されました。

 

 

 こちらは、2022年3月に刊行された英語版のローザ・ルクセンブルク全集の第4巻を、編者の一人が紹介した記事です。出版社ウェブサイトでの紹介ページはこちら。

 

 

 導入部分では、ローザ・ルクセンブルクによる1905年のロシア革命についての分析が言及されており、かつ1906年から1909年までの期間をカバーする同巻の5分の4は、英語では初めて世に問われるものだとのことです。そのほとんどは、もともとポーランド語で書かれたものであり、ほかの言語でいまだ公刊されていないと指摘されています。

 そのうえで、彼女の同世代のほとんどのマルクス主義者と同様に、普通選挙制による民主的な共和政が階級闘争を成功へと帰結させる最良の形態と考えていたと述べます。そして、第二インターナショナルの同時代人の多くと同じく、ローザ・ルクセンブルクは、資本主義内部での民主的な改革のための闘いと資本主義を廃止する革命的移行への到達との間に矛盾を見ておらず、その二つを分かつ者たちと容赦なく争うほどであった、と説明されています。

 また、「平時」と革命の時期で用いられる闘争の形態を区別し、平時では、その闘争はブルジョワジーの支配の枠組みで生じるものであり、選挙、集会、出版、労働組合など既存の法律の制約のなかで運動を行うことが要求されると考えていた、と指摘されています。

 

 昨年は、生誕150周年ということで、色々な書籍が刊行されたり、ウェブサイトやYouTube動画がアップされたりしました。関心のある人は以下のノートをどうぞ。