浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ワファ・ムスタファのツァイト紙オンライン版への投稿について

 2024年8月11日の朝日新聞デジタルに、インタビュー記事「つながるガザとホロコーストの記憶 ドイツの歴史家論争2.0とは」が掲載されました。また、関連して8月15日付の朝日新聞の文化面に「ドイツ、岐路に立つ『過去の克服』」でも、コメントを載せてもらいました。

 

 この記事を読んで、難民でベルリン在住ジャーナリストのワファ・ムスタファさんの投稿記事に関心を寄せた方もいらっしゃると思います。以下に、彼女のエッセイへのリンクを貼っておきます。

 

 

 タイトルは「わたしはいつか、生き延びたかどうかを知るのだろうか」という意味です。このタイトルに「生存者(サバイバー)」という言葉がもつ重みとその限界を感じさせられました。

 もともとは、「多方向的記憶」論を提起したマイケル・ロスバーグさんの以下の論考で知ったものです。

 

  • Michael Rothberg, Gelebte Multidirektionalität: Der „Historikerstreit 2.0“ und die Politiken der Holocausterinnerung, in: Jürgen Zimmerer (Hg.), Erinnerungskämpfe: Neues deutsches Geschichtsbewusstsein, Dizingen 2023, S. 223-246.

 

 今年6月30日に明治大学で開催された、第40回日本ドイツ学会大会シンポジウム「植民地主義ホロコースト、想起の文化 ―いま「負の歴史」にいかに向き合うか―」での報告内容を踏まえたものです。

 報告の成果を論説として、『ドイツ研究』に掲載すべく、投稿準備中です。夏休みの宿題の一つです。