少し時間が経ってしまいましたが、2024年6月28日にドイツ連邦文書館から発表されたプレスリリースを紹介します。
2021年に始まった試行的プロジェクトの枠組みによって、ドイツ連邦文書館は所蔵されているドイツ植民地省のすべての資料が、AI技術によって、完全に検索可能になりました。
手書きの文書を読むのは大変ですが、それをAIを使ってアクセスしやすいようにするというプロジェクトです。
まず、2年間はドイツ連邦文書館の現地で、同館のネットワークを使って利用できるようにし、その後は同館の新しいデジタル閲覧室と統合され、外部からも利用可能にする、とのことです。
ドイツ植民地省(R 1001)には1万点以上の文書があり、その多くに手書きの文書が含まれています。そして、ドイツ植民地支配が行った不正義について研究する重要な資料だ、と述べられています。この資料は、すでに完全にデジタル化されており、著作権保護もなく、自由にアクセスできます。
文化・メディア大臣クラウディア・ロートは、「ドイツ植民地期の犯罪は、あまりにも長い間、われわれの想起の文化における盲点でした。その際、とくに発達したAI技術を利用して、このドイツ史の暗黒の章についての知識を強めることに役立つために、ドイツ連邦文書館に感謝します。それは、この章の検証に一つの重要な貢献となります。」と述べています。