浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

1960-1980年代の小児性愛・児童虐待をめぐる議論へのインタビュー記録保存の取り組み――デジタルドイツ女性アーカイブより

 2024年6月27日、デジタルドイツ女性アーカイブより、同機関が1年間助成する「沈黙された暴力――当事者保護のための闘い」という研究プロジェクトの紹介が公表されました。

 

 

 冒頭では、自律的な女性運動はこれまで、子どもへの性的虐待と暴力についての啓蒙活動に決然と関与しており、被害にあった当事者たちのための支援施設の拡充の先駆者に数えられてきた、と述べています。そして、ケルンのFMT(FrauenMediaTurm、女性メディアタワー)が、このプロジェクトを進めていくとのことです。

 

 上記のリンク先の説明によれば、1960年代に、西ドイツでは、刑法改革の過程で、数多くの性に関わる刑法上の規定が再検証され、数多くの議論が繰り広げられました。そこで、女性運動は、幼少期の性暴力の被害者が声を上げることを支え、また自助のための支援施設と新しい治療の可能性を創り出し、さらに予防措置の発展にも関与しました。

 

 このプロジェクトでは、とくに1960年代から1980年代までのセクシュアリティ小児性愛、虐待をめぐるセンシティヴな議論についてのインタビューが行われ、また主要な文書と研究成果が調査されるとのことです。