浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ハンブルク大学図書館によるオンライン展示「身体描写、古典文化、解剖学――デッサンで世界を開拓する」について

 ハンブルク大学図書館が2024年11月7日から12月20日まで、近世における身体描写と解剖学に焦点をあてた展示を開催しました。その展示がオンラインで見ることができます。リンクは以下の通りです。

 

 

 図書館のブログに掲載された展示会紹介はこちらです。

 

 

 この紹介記事の冒頭では、「デッサンは人間が現実を把握する魅力的な文化的技術」であり、この展示は「芸術における現実の把握と解釈の生産的な緊張に寄与するもの」と位置づけています。そのうえで、「見たものに手を加えるためには、芸術家見習いはどのような知識を身につけなければならないのだろうか」、そして「近世の芸術家の実践にとってどのような知の領域が重要だったのか」と問いかけます。

 

 この展示会の出発点は、1685-1687年に使用されたヨアヒム・エツェキール・レーヴェゾのスケッチブックをデジタル化し、公開するプロジェクトだったそうです。このスケッチブックは、「博物学、解剖学、古典文化の諸分野の視覚的な知を保存」しており、このデジタル化によって利用者が自由に活用できるようになったと述べています。

 上記のブログ記事に、そのスケッチブックのデジタル版へのリンクが貼られています。ページごとに解説が付されていて、分かりやすく面白いです。

 

 また展示では、デュラーの周辺の人びととヴォルフ・フーバーの価値の高いデッサンや、芸術家が現実を把握する過程で重要なスケッチブックや版画も閲覧できるとのことです。