浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ヴィルヘルム・クーネルト(1865-1926年)と『ブレームの動物誌』についての展示――ドイツデジタル図書館より

 ドイツデジタル図書館(Deutsche Digitale Bibliothek)のウェブサイトのなかで、ヴァーチャル展示「ライオンと伝説――ヴィルヘルム・クーネルト(1865-1926年)と『ブレームの動物誌』」が開催されていることを知りました。リンクを貼っておきます。

 

 

 「ブレームの動物誌」と訳しておきましたが、Brehms Tierleben は、ドイツの自然学者・動物学者アルフレート・エトムント・ブレーム(1829-1884年)による著作で、動物学の重要な文献とのことです。1863年から刊行開始され、2000種類以上の動物について詳細に記述されています。

 また、挿絵を描いたローベルト・クレッチュナー(Robert Kretschner, 1818-1872年)についても解説されています。その描画の特徴として、動物だけではなく、その動物が棲む生活世界まで描いていることが指摘されています。それはダーウィンの著作に描かれる挿絵との明確な違いとのことです。

 さらに、1876年から刊行開始された第2版や1884年から刊行開始された第3版とその挿絵についての解説が続きます。

 

 そして、第3版の挿絵を描いたヴィルヘルム・クーネルトについては、彼の経歴とともにドイツ植民地史との関連について解説されています。ドイツ領東アフリカでのマジマジ戦争に志願兵として参加し、さまざまな記述を残していると指摘されています。