ブレーメン大学のワーキンググループ「ブレーメンの植民地史と現在(Bremens koloniale Geschichte & Gegenwart | Bremen's Colonial History Working Group)」というホームぺージに、ブレーメン・アフリカ資料館(Bremer Afrika Archiv)の収蔵物を検証するプロジェクトの紹介とその作業終了報告書が掲載されていることを知りました。リンクはこちらです。
この検証作業は、2023年8月から12月の期間に行われました。作業終了報告書はPDFでダウンロードできます。
ブレーメン・アフリカ資料館は1975年に、ブレーメンの開発政策およびアフリカ関係事業を集約する目的で設立されたとのことです。ブレーメン州の植民地主義検証のための特別プログラムの資金によって、この資料館が収集した約250箱の史資料が整理され、目録が作成されました。
収蔵資料を紹介しながら、この事業の意義を紹介する動画もアップされています。
同資料館とその収蔵物は、ブレーメンの植民地主義についての初期的な記憶作業の一つの証拠になるとのことです。1970年代末以降、同資料館はいわゆるナミビア・プロジェクトの担い手となりました。それはブレーメン大学とルサカにある国連の施設ナミビア・インスティテュートとの間の協力プロジェクトです。当初より、そのプロジェクトはアパルトヘイトへの闘争とSWAPOとの連帯の色彩を帯びていたと述べられています。
以下に、この資料館とナミビアとの関係を、脱植民地化の関係から説明されています。初期植民地的記憶の検証の例として、ヨーロッパ中に広がった反アパルトヘイト運動にブレーメンが加わり、1989年、もともとかつてのドイツ植民地支配を称える記念碑であった巨大なゾウの石像が、反植民地的記念碑へと再解釈されたことが紹介されており、興味深いです。