浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

グローバル史的視角のなかの1933年

 2023年1月20日、ドイツ連邦政治教育センターが発行する雑誌『政治と現代史から(Aus Politik und Zeitgeschichte)』より、「グローバル史的視角のなかの1933年」と題した論説が公表されました。

 

 

 リード文を意訳しますと、ナチ政権の開始は外国では忌避と賞賛の相反する反応をもっていたと言います。そのうえで、すぐにこの新しい権力者はほかの国々のファシストと密接に結びいたこと、その特徴には反共産主義と人種主義があったことが指摘されます。

 読了まで16分とのことですが、まあネイティブでないのでそんな訳にはいかないですね。最後の見出し「人種主義インターナショナル」は、こうしたファシスト同士の連帯を批判する重要なキーワードですね。

 

閲覧回数の多かった記事(2023年2月時点)

 もう2月ですね。

 前回はTwitterからの閲覧回数が多かった記事トップ5を紹介しましたが、今月は、Googleからのそれにします。

 

Googleからの閲覧回数が多かった記事トップ5(2023年2月1日時点)

 

  1. フレデリック・ダグラス「奴隷にとっての独立記念日」演説についてのあれこれ(2020年9月23日)

  2. 1919年にベルリンに設立された性科学研究所について――Der Tagesspiegel紙の記事より(2021年2月13日)

  3. 「歴史家論争2.0」――マイケル・ロスバーグの論説より(2021年1月20日)

  4. ドイツの大学で歴史学を学びたい人に(2020年9月5日)

  5. ナチ・ドイツ「全国収穫感謝祭」の過去を記録するビュッケベルク記録・学習施設について(2021年12月9日)

 

 前回のTwitterからの閲覧回数の場合、比較的新しい記事が多かったですね。媒体の違いがよく表れていると思います。来月はYahoo!で。

 

第一次世界大戦における戦時動員の神話――デジタルドイツ女性アーカイブより

 2022年11月11日、デジタルドイツ女性アーカイブのホームページに、「戦時動員の神話」というタイトルの論説が掲載されました。

 

 

 リード文は、第一次世界大戦は女性運動の触媒として機能したのかどうかという、いまなお流通する仮定についての熟考を促しています。

 最初に、ドイツにおける女性の戦時動員プロパガンダに利用された1916年のポストカードが紹介され、その後「戦争と女性の職業」、「戦前の強い女性運動」、「女性運動と分裂」の見出しが続きます。

 「神話」というタイトルの通り、この論説は、女性運動史の視点から、第一次大戦が女性の社会進出を促進したと安易に結論づける見方を批判するものになっています。

 

カール・ハインツ・ロートさんの記念論文集

 カール・ハインツ・ロートさん(Karl Heinz Roth)さんは、20世紀社会史財団(Stiftung für Sozialgeschichte des 20. Jahrhunderts)および社会史オンライン(Sozial.Geschichte Online)で活動してきました。

 歴史家であると同時に、医師・評論家としても活動する彼ですが、その80歳を記念する論文集が、社会史オンラインの別冊33号として出版され、そのPDF版が無料で配信されています。

 

 

 収録された論文のタイトルを一部、挙げておきます。

 

  • Their Wonderful War: Jenseits der Schmerzgrenze intellektueller Arroganz
  • Krieg vor dem Krieg:  Die Annexion Österreichs und die Zerschlagung der Tschechoslowakei 1938/39
  • Faschismus oder Nationalsozialismus? Kontroversen im Spannungsfeld zwischen Geschichtspolitik, Gefühl und Wissenschaft
  • Empirie und Theorie: Die Marxsche Arbeitswertlehre im Licht der Arbeitsgeschichte
  • Die globale Krise: Bisheriger Verlauf - Entwicklungstendenzen - Wahrnehmungen und Handlungsmöglichkeiten von unten
  • Griechenland und die Euro-Krise

 

ドイツ史学習のためのオンライン・ポータルサイトLeMOと「植民地政策」

 ドイツ史学習のためのオンライン・ポータルサイト、LeMO、すなわち「生きている博物館オンライン(Lebendiges Museum Online)」は、ドイツ歴史博物館や「ドイツ歴史の家」財団、ドイツ連邦文書館による共同プロジェクトです。便利なので講義準備の際に、よく参照しています。

 

 

 ドイツ植民地政策の項目を訪れてみました。対外政策の下位区分に置かれています。

 

 

 対外関係と植民地政策の流れはつかめるでしょうが、こうなるとドイツ国内への影響についての研究成果を紹介したり、議論することは難しくなりますね。