浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

南北戦争後の黒人女性活動家のポートレート――米国議会図書館デジタル化史資料より

 2020年8月6日のローザ・ルクセンブルク財団歴史部門の情報発信で、オンライン・アート誌 Hyperallergic のサイトに、南北戦争後の黒人女性活動家のポートレートを紹介する記事を知りました。

 

 

 このエッセイでは、米国議会図書館による写真のデジタル化プロジェクトを紹介し、そのなかから、19世紀後半以降に撮影された黒人女性活動家の写真がピックアップされています。以下に名前だけで紹介しておきます。

 

  • Elizabeth Brooks
  • Emma Hackley
  • Laura A. Moore Westbook
  • Lillian Parker Thomas
  • Maria "Molly" Baldwin
  • Hallie Quinn Brown
  • Josephine A. Silone Yates
  • Fannie Barrier Williams
  • Clarissa M. Thompson

 

 ちなみに、米国議会図書館の Prints & Photographs Online Catalog へのリンクも貼っておきます。

 

 

Radical Online Collections and Archivs について――New Historical Expressより

 New Historical Expressというウェブサイトを知りました。

 

 

 このウェブサイトを運営しているエヴァン・スミス氏は、南オーストラリア州のフリンダース大学で歴史学のリサーチ・フェローです。イギリスの共産党および戦後の反人種主義をめぐる政治が専門で、近著は以下の2冊です。

 

  • Evan Smith, The Communist Party of Great Britain and the Politics of Race, Brill/Haymarket, 2017.
  • Evan Smith, No Platform: A History of Universities, Anti-Fascism and the Limits of Free Speech, Routledge, 2020.

 

 そのウェブサイトには、オープンアクセス化されている急進左翼に関わる史料へのリンク一覧があります。なかなか充実していると思います。また、情報提供も呼びかけています。

 

 

 ドイツ近現代史関係では、Die Rote FahneEntdinglichung、あるいは Faschismus 、また面白いところでは、以下のような史料へのリンクもありました。

 

 

 こんなサイトもあります。

 

 

1848年革命後のドイツの女性と市民層の女性運動――ドイツ連邦政治教育センターより

 ドイツ連邦政治教育センター(Bundeszentrale für politische Bildung)のウェブサイトに、ドイツ女性運動家ルイーゼ・オットー=ペータース(Louise Otto-Peters, 1819-1895)についての特集号が掲載されていることに気づきました。

 

 

 その特集号のなかに、1848年革命後の女性運動についての論説がありました。

 

 

 掲載誌は学術雑誌というよりも、学術成果を一般向け、あるいは高等教育向けに普及するタイプの雑誌です。ドイツ近現代史の卒論、あるいは修士1年次でこのテーマを扱う人が読むドイツ語テクストとしていいかな、と思います。力作ですが。

 見出しを書き出しておきます。

  • Frauenleben in der zweiten Hälfte des 19. Jahrhunderts(19世紀後半における女性の生活)
  • Ursprünge der Frauenbewegung(女性運動の起源)
  • Frauenbewegte parlamentarische, bildungspolitische und soziale Arbeit(女性運動による議会活動・教育政策活動・社会事業)
  • Angekommen in der Mitte der Gesellschaft(社会の中心にたどり着く)
  • Erinnerung an die eigene Bewegungsgeschichte(独自の運動史への記憶)

 

 ちなみに、ルイーゼ・オットー=ペータースについては、デジタル・ドイツ女性アーカイブに論説がありました。以下にリンクを貼っておきます。

 

 

 また、日本語でもいくつかの論説がありました。2000年以降のものを挙げておきます。

 

 

女性運動家マリアンネ・ヴェーバーの生誕150周年特集記事――Deutschlandfunkより

 2020年8月2日、ドイツのラジオ放送局ドイチュラントフンク(Deutschlandfunk)のウェブサイトで、 マリアンネ・ヴェーバー(Marianne Weber, 2. August 1870 - 12 März 1954)生誕150周年特集記事が掲載されました。

 

 

 「女性のために、そして家父長制と闘った闘士」というタイトルです。

 医師の家庭に生まれ、1892年にマックス・ヴェーバーと知り合い、翌年結婚し、彼が大学を異動するたびに彼女も各都市を移動しました。自らも哲学・社会学・経済学を学び、1900年に『Fichtes Sozialismus und sein Verhältnis zur Marxschen Doktrin(フィヒテ社会主義マルクス主義的教義とのその関係)』という本を出版しました。その後、1907年に女性法制史の基本文献となる『Ehefrau und Mutter in der Rechtsentwicklung. Eine Einführung(法の発展のなかの妻と母――入門書)』を発表しました。

 また、同時に市民層の女性運動に参加し、女性の家事奉公人とウェイトレスの法的保護のための組織をつくり、また男女平等のためのいくつもの講演を行ったとのことです。

 1920年マックス・ヴェーバーが亡くなると、そのショックからマリアンネもハイデルベルクに戻り、一時、表舞台から離れます。そして、マックス・ヴェーバーの著作の編集と彼の伝記を執筆しました。その後、1954年に亡くなるまで、ハイデルベルクで学者・著述家として活動しました。

 2010年にマリアンネ・ヴェーバーの伝記が出版されています。

 

  • Bärbel Meurer, Marianne Weber: Leben und Werk, Tübingen: Mohr Siebeck, 2010

 

ナチ体制下のシンティ・ロマ虐殺について―― der Freitag紙より

 2020年8月2日、ドイツの週刊新聞 『デア・フライターク』(der Freitag、金曜日) にナチ体制下のシンティ・ロマ虐殺について、「沈黙を破る」と題された記事が掲載されました。8月2日は2015年にEUがシンティ・ロマの犠牲者を追悼する記念日に定められています。

 

 

 この記事は、ナチ体制による迫害を生き延びた体験者の子ども世代にインタビューした内容を中心としています。とくに2019年に自伝を出版したカタリーナ・ヤノスカ氏にスポットライトを当てています。

 

  •  Katharina Janoska, KriegsROMAn: Die Geschichte einer Familie, Bu & Bu Verlag, 2019

 

 シンティ・ロマの犠牲者の正確な数は分からないものの、1943年以降、ヨーロッパの11ヵ国から2万3000人がアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に送られ、1944年夏になお生存していた4300人がガス室で殺害されたと記述されています。

 このシンティ・ロマ資料・文化センターのサイトはこちら。