浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

2021-01-01から1年間の記事一覧

1956年のドイツ共産党禁止に関する当時のARD報道リスト

1956年、冷戦期に西ドイツでドイツ共産党(KPD)が禁止されました(1968年に新しい別の組織として、ドイツ共産党(DKP)が認可)。 この出来事について、ローザ・ルクセンブルク財団SNSより、当時のニュース報道をまとめたサイトのリンクを知りました。ARD 1…

コロナ感染症拡大のさなかのコンテナ船の労働環境について

2021年11月25日、ジャングル・ワールドというドイツ語圏のウェブメディアで、「船員がちがもっとも苦しんでいる」というタイトルのインタビュー記事が掲載されました。 »Die Seeleute haben am meisten gelitten«, in: jungle.world, 47/2021 コンテナ輸送費…

権力の問題を覆い隠すような誤った「学問の自由」ではなく――Geschichte der Gegenwartより

2021年12月8日、ドイツ語ウェブサイト Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に、「神話ではなく権力関係を――学問の自由の解放的理解のために」と題された共同署名の論説が掲載されました。 Robin Celikates / Katharina Hoppe / Daniel Loick / Martin No…

エンツォ・トラヴェルソが自著を語る――The LRBポッドキャストより

ホロコースト研究などで知られる思想史家エンツォ・トラヴェルソさんが、ロンドン・レビュー・オブ・ブックスのポッドキャストで近著について語っています。 Podcast: Enzo Traverso and Adam Shatz · A History of Revolution, in: LRB 23 November 2021 近…

2021年のリンツ会議(労働運動史家国際会議)「世界の移民」について

2021年9月23日から25日にかけて、第56回労働運動史家国際会議(Internationale Tagung der HistorikerInnen der Arbeiter- und anderer sozialer Bewegungen)がリンツで開催されました。毎年、オーストリアのリンツで開催されるので、リンツ会議と呼ばれま…

イェニー・フォン・ヴェストファーレン、あるいはイェニー・マルクスについて

2021年12月2日は、イェニー・フォン・ヴェストファーレン、あるいはカール・マルクスの妻、イェニー・マルクスの没後140周年です。ディーツ・ベルリン出版社のSNSより、2008年に同社から出版された彼女の伝記が紹介されていました。 Jörn Schütrumpf (Hrsg.)…

現代のドイツ新右翼と歴史修正主義――taz紙より

2021年11月29日、ドイツの左派系新聞 taz紙オンライン版に、歴史家二クラス・ヴェーバーによる「新右翼とハッセルホルン一件書類――マルティン・グルントヴェークの帰還」という記事が掲載されました。 Niklas Weber, Neue Rechte und die Akte Hasselhorn: D…

女性に対する暴力からの保護――デジタルドイツ女性アーカイブより

11月25日は「女性に対する暴力撤廃の国際デー(International Day for Elimination of Violence against Women)」です。 この日に合わせて、デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトでは、通報された暴力事件の増加を警告する論説が掲載されました。 Je…

ドイツデジタル図書館による植民地関係資料オンライン・ポータル開始について

2021年11月30日、ドイツデジタル図書館のウェブサイトに植民地関係資料のオンライン・ポータル開始についてのプレス・リリースが掲載されました。 Onlineportal „Sammlungsgut aus kolonialen Kontexten“ gestartet, in: Deutsche Digitale Bibliothek, 30. …

「インディメディア」の20年――ローザ・ルクセンブルク財団より

3年前にローザ・ルクセンブルク財団に掲載された記事を紹介します。 20 Jahre Indymedia – Ein anderes Internet schien möglich, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung, 24. November 2019. ドイツでの「インディメディア(Indymedia)」の共同設立者であるアンネ・…

「1948年ゼネスト――ドイツ連邦共和国の神話」――nd紙より

数年前の記事ですが、2018年11月9日、ドイツ語圏の左派系オンライン紙 nd に掲載されたインタビュー記事を紹介します。1948年11月12日にドイツ連邦共和国で起きたゼネストと「社会的市場経済」の標語の登場を取り上げたものです。 Generalstreik 1948: Der M…

ハンガリー蜂起――ドイツ連邦文書館ヴァーチャル展示より

2021年10月23日から11月11日まで、ドイツ連邦文書館は、「ハンガリー蜂起」――「ハンガリー動乱」の方がなじみがあると思います――の65周年を機に、同館およびシュタージ文書館に所蔵されている史料に注釈をつけて、公開しており、同時にオンライン上での史料…

ナチ・ドイツ「全国収穫感謝祭」の過去を記録するビュッケベルク記録・学習施設について

2021年11月25日、北ドイツ放送(NDR, Norddeutscher Rundfunk)のウェブサイトに、ナチ・ドイツの「全国収穫感謝祭(Reichserntedankfest)」(あるいは「帝国収穫感謝祭」)の地となったハーメルンのビュッケベルク(Bückeberg)に、記録・学習祈念施設の設…

ドイツ表現主義と植民地主義――ローザ・ルクセンブルク財団より

2021年11月22日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、ドイツ表現主義と植民地主義の関連を問う論文集を紹介する記事が掲載されました。リンク先はこちらです。 Aagesen (Hrsg.): Kirchner und Nolde. Expressionismus Kolonialismus; 2021, in: Ro…

ロバート・オーウェンも生誕250周年――nd紙より

少し前の記事になりますが、2021年5月13日、ドイツ語圏の左派系メディア、nd紙のウェブサイトに、ロバート・オーウェンの生誕250周年を記念して、彼の社会主義思想を振り返る記事が掲載されました。 Michael Brie, Robert Owen: »Die Welt ist gesättigt mit…

ベルリンのフェミズム文書館FFBIZ、運営補助金の削減予算案に反対する公開書簡について

ベルリンにあるフェミニズム文書館FFBIZ(Das feministische Archiv FFBIZ)は、1978年に女性運動活動家たちによって設立され、1968年以降の女性運動史とそれから派生した社会・政治・芸術運動を記録することを目的に掲げています。さらに、19世紀末以降の女…

現代奴隷制の世界地図――ローザ・ルクセンブルク財団より

2021年11月、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイト、『奴隷化図説――強制労働と搾取についてのデータと事実(Atlas der Versklavung: Daten und Fakten über Zwangsarbeit und Ausbeutung)』という冊子の紹介記事が掲載されました。リンク先はこちらで…

1910年2月22日に撮影されたドイツ社会民主党の党学校記念写真とローザ・ルクセンブルク

2021年3月5日、フリードリヒ・エーベルト財団のウェブサイトに、1910年2月22日に撮影されたある記念写真とその解説が掲載されました。 その写真は、ベルリンにあったドイツ社会民主党の党学校内で撮影されたもので、ローザ・ルクセンブルク、ハインリヒ・シ…

IALHI(労働史研究機関国際協会)よりロシア人権団体「メモリアル」閉鎖の危機を憂慮する声明

このブログでは、以前にIALHI(International Association of Labour History Institutions、労働史研究機関国際協会)について紹介しました。 2021年11月15日、この協会のウェブサイトに、ロシア人権団体「メモリアル(Memorial)」(モスクワ)が最高裁の…

近刊共著紹介:熊野直樹・田嶋信雄・工藤章編『ドイツ=東アジア関係史 1890-1945――財・人間・情報』九州大学出版会、2021年12月

近刊の共著を紹介します。 熊野直樹・田嶋信雄・工藤章編『ドイツ=東アジア関係史 1890-1945――財・人間・情報』九州大学出版会、2021年 この論文集は、ドイツと東アジアの近現代関係史を研究するドイツ近現代史研究者の研究グループによるものです。わたし…

ベルリン最初の「女性の家」(1976ー2001年)について――デジタルドイツ女性アーカイブより

少し前になりますが、2019年3月にデジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトに、ドイツ連邦共和国で最初に設立された「第一ベルリン女性の家(Erstes Frauenhaus Berlin)」についての論説が掲載されました。興味が引かれましたので、リンクを貼っておきま…

ベンヤミン・ブーム――ターゲスシュピーゲル紙より

2021年11月7日、ベルリンの日刊紙『ターゲスシュピーゲル(Tagesspiegel)』紙のオンライン版に、「希望の断章(パサージュ)」と題した論説が掲載されました。そのリード文は、「ヴァルター・ベンヤミンがブームだ!」と書き出し、2021年11月4-6日にベルリ…

マーカス・レディカー「下からの歴史」を語る――Counter Punchより

2021年11月9日、オンライン上で論説を掲載するカウンター・パンチ(Counter Punch)誌に、歴史家・作家・活動家マーカス・レディカー(Marcus Rediker)へのインタビュー記事が掲載されました。タイトルは「下からの歴史を書くことについて(On Writing Hist…

ドイツ連邦議会史上、3人目の女性議長の選出に寄せて――デジタルドイツ女性アーカイブより

2021年10月26日、第20期ドイツ連邦議会が成立し、ドイツ社会民主党のベアベル・バース(Bärbel Bas)議員が新しい議長に選ばれました。ドイツ連邦議会の歴史上、女性が議長に就任する3人目になりました。 デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトでは、…

「諸々のネットワークを動かす」――デジタルドイツ女性アーカイブについて

このブログでは、デジタルドイツ女性アーカイブ(DDF=Digitales Deutsches Frauenarchiv)からの情報を、定期的に紹介してきました。 このDDFの活動を紹介するインタビュー記事が、Digital Media Women というウェブサイトに掲載されました。インタビューさ…

ドイツデジタル図書館によるドイツ新聞ポータルの開始

2021年10月28日、ドイツデジタル図書館のホームページに、ドイツ新聞ポータル(Deutsche Zeitungsportal)の開始に関するプレスリリースが掲載されました。 Die Deutsche Digitale Bibliothek startet das Deutsche Zeitungsportal mit zentralem Zugang zu …

フリッツ・トビアス関係資料のオンライン公開――1933年2月ドイツ国会議事堂放火事件との関わりで

昨日の経済史講義で、ドイツ国会議事堂放火事件について触れました。ちょうどドイツ連邦文書館より、フリッツ・トビアス氏(Fritz Tobias, 1912-2011年)関係資料のデジタル化と大部分のオンライン公開についての記事を知りました。 Digitalisierung der "S…

第二次世界大戦後のハンブルク女性運動関係資料収集・デジタル化プロジェクト――Hamburger Frauenringなど

2021年10月8日、デジタルドイツ女性アーカイブ(Digitales Deutsches Frauenarchiv)のウェブサイトで、同機関が研究助成を行い、ハンブルク女性市文書館(Frauenstadtarchiv Hamburg、FSA)が推進するプロジェクトを紹介する記事が掲載されました。プロジェ…

ドイツ連邦文書館紹介YouTube動画「歴史と記憶――連邦文書館」について

2021年6月18日、ドイツ連邦文書館の活動を紹介する動画がYouTubeにアップされました(18分38秒)。「歴史と記憶」というタイトルです。リンク先はこちら。 Geschichte und Erinnerung - Das Bundesarchiv, 18. Juni 2021. 各地の文書館の映像、日常の史料の…

ドイツにおけるアフリカ系の人びとの歴史――3satのドキュメンタリー

2021年9月29日、ドイツ、オーストリア、スイスの公共放送局が共同で提供する衛星放送総合テレビ・プログラム、3satのウェブサイトに「元々どこから来たの――ドイツにおける黒人」というタイトルのドキュメンタリー放送がアップされました。リンク先はこちら。…