浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

いかに戦後西ドイツの歴史学界が米国亡命歴史家のホロコースト研究に抵抗したか――『南ドイツ新聞』より

2023年6月25日に『南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeiung)』のオンライン版に、「部外者の正確なまなざし(Der präzise Blick der Außenseiter)」というタイトルの記事が掲載されました。 Probst Robert, Holocaust-Forschung nach 1945: Präziser Blick der A…

植民地主義批判からみた1848年革命とフランクフルト国民議会――ローザ・ルクセンブルク財団より

2023年6月16日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「帝国的アリーナとしてのパウロ教会」という論説が掲載されました。 Andreas Bohne, Die Paulskriche als imperiale Arena, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung, 16. Juni 2023. 著者のアンドレアス・…

『歴史家論争2.0』、『ムベンべの彼方』へのH-Soz-Kult掲載書評

2023年6月15日、ドイツ語圏の歴史学総合ポータルサイト、H-Soz-Kultに、以下の2冊についての書評が掲載されました。 Neiman, Susan/ Michael Wildt (Hrsg.): Historiker streiten. Gewalt und Holocaust – die Debatte. Berlin: Propyläen Verlag, 2022. Böc…

ポストコロニアルな高等教育を目指して――ドイツの学術フォーラム誌 Forum Wissenschaft よりsenschaft

Forum Wissenschaft(フォーラム・学術)というドイツ語雑誌を知りました。2023年6月に刊行された号の特集は、Postkoloniale Hochschule: Zwischen Amnestie und Aufarbeitung(ポストコロニアル大学――赦しと検証のはざまで)です。リンクを貼っておきます。…

ストライキ・社会紛争研究の学会 IASSC について

International Association Strikes and Social Conflicts (IASSC) という学会を知りました。 Strikes & Social Conflicts IASSC のトップページには、学際的、グローバル、長期・歴史的、非ヨーロッパ中心主義的パースペクティヴにおいて、労働・社会紛争に…

1927年「子ども共和国」――シュレースヴィヒ=ホルシュタイン歴史協会ホームページより

1927年に、当時、キール市が所有したゼーカンプ農場の敷地で、ドイツ、デンマーク、オーストリア、チェコスロヴァキアから労働者家庭出身の男女の子ども2000人がサマーキャンプのために集まりました。その4週間におよぶテント生活は、「子ども共和国ゼーカン…

ホブズボームの論考 The Historians' Group of the Communist Party のオンライン公開――Verso社より

Verso社のウェブサイトに、エリック・ホブズボームが1978年に出版された論文集 Rebels and Their Causes: Essays in Honour of A. L. Morton に寄稿した論文が初めてオンライン公開されました。 以下にリンクを貼っておきます。 Eric Hobsbawm, "The Histori…

#Westsplainingと#Eastsplaining――現在の歴史より

2023年5月28日、ドイツ語圏の現代史オンライン・ウェブサイト Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に、#Westsplaining und #Eastsplainingというタイトルの論説が掲載されました。 Sylvia Sasse, #Westsplaining und #Eastsplaining, in: Geschichte der…

Arbeit-Bewegung-Geschichte(労働・運動・歴史)誌のプロレタリア女性運動特集

ドイツ語圏の学術雑誌、Arbeit - Bewegung - Geschichte(労働・運動・歴史)の2023年5月に刊行された第22巻第2号は、ドイツ帝政期・ヴァイマル期のプロレタリア女性運動特集です。 Töchter ihrer Klasse? Die proletarische Frauenbewegung im deutschen Ka…

旧東ドイツ・アイデンティティと左派政治――ローザ・ルクセンブルク財団評論誌『ルクセンブルク』より

2023年5月、ローザ・ルクセンブルク財団の評論誌 Luxembuerg: Gesellschaftsanalyse und linke Praxis に、ドイツ民主共和国、つまり旧東ドイツ出身であることのアイデンティティが左派の政治にどのようなインスピレーションを与えるか、というテーマの対談…

グリゴリス・ランブラキスについて――ローザ・ルクセンブルク財団より

ギリシャ現代史に関心がありまして、2023年5月25日、ローザ・ルクセンブルク財団ホームページに、グリゴリス・ランブラキス(1912-1963年)の足跡をたどる論説が掲載されましたので、リンクを貼っておきます。 Evi Gkotzaridis, "When Feelings Precede Tho…

スパルタクス団共同設立者ケーテ&ヘルマン・ドゥンクラー書簡集

ローザ・ルクセンブルク財団SNSより、2016年に刊行された、スパルタクス団共同設立者ケーテ・ドゥンクラーとヘルマン・ドゥンクラーの二人の書簡集の紹介を目にしました。出版社の紹介ページへのリンクを貼っておきます。 Heinz Deutschland (Hrsg.), Käte u…

ドイツにおける難民政策についての歴史的位置について――Geschichte der Gegenwartより

2023年5月24日、ドイツ語圏の現代史をテーマとしたウェブサイト、Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に、「『難民妥協』――現在の調停の試みの歴史的位置づけ」というタイトルの論説が掲載されました。 Stefan Zeppenfeld, Der „Asylkompromiss“. Histor…

ベルリンの左派社会運動の書店シュヴァルツェ・リッセについてのインタビュー記事――nd紙より

2023年5月22日、ドイツ語圏の左派系ジャーナル nd 紙Kollectiveökonomie(協同経済)の欄に、左派社会運動系の書店シュヴァルツェ・リッセ(Schwarze Risse、黒い裂け目、割れ目の意)についてのインタビュー記事が掲載されました。 Niels Seibert, Kollekti…

急進主義ポスター・コレクションのデジタル化について――Hyperallergicより

かなり前のことですが、2015年にオンライン・アート誌 Hyperallergic で、2000点を超える米国の急進主義的なポスターを収集したミシガン大学ジョゼフ・A・ラバディ・コレクションがデジタル化されたという記事が掲載されたことを知りました。 Allison Meier,…

博物館の脱植民地化についてのドイツ語近刊紹介――sehepunkteより

ドイツ語圏の歴史学系オンライン書評誌 sehepunkte(視点の意)に、ブリュッケ博物館、ドイツ技術博物館、ベルリン市博物館が編集した、Das Museum dekolonisieren? という論文集の書評が掲載されました。 Tanja-Bianca Schmidt, Rezension von: Das Museum …

マリア・ミースの追悼記事について

2023年5月15日、日本でも『国際分業と女性――進行する主婦化』(奥田暁子訳、日本経済評論社、1997年)や共著の『世界システムと女性』(古田睦美・善本裕子訳、藤原書店、1995年)で知られる、マリア・ミースさんが亡くなりました。 エラスムス・ロッテルダ…

革命の勝利と西欧マルクス主義について――ak紙より

2023年5月16日、ドイツ語圏の左派系オンライン紙 ak(analyse & kritik: Zeitung für linke Debatte & Praxis)に、「どのように革命は勝利できるのか」という論説が掲載されました。 Johannes Tesfal, Wie kann die Revolution siegen, in: analyse & kriti…

Twitterからの閲覧回数の多かった記事(2023年6月末時点)

6月も終わってしまいました。学務・学会業務・校正・執筆などに追われる日常ですが、暑さで頭が回らなくなってきました。 さて、今回はまず、6月末時点でTwitterから閲覧回数の多かった記事トップ5を紹介します。 Twitterからの閲覧回数の多かった記事トップ…