浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

金属製の拘束具と手錠――人種差別的な警察行動における英米間「特別な関係」について

2020年7月9日、History Workshopのウェブ・サイトに人種主義的な警察行動についての歴史を振り返る論説が掲載されました。 Joseph Yannielli and Christine Whyte, "Shackles and Handcuffs: The 'Special Relationship' of Racist Policing", July 9, 2020,…

リンツ・アム・ライン市文書館の新ホームページ

2020年7月7日にリンツ・アム・ライン市文書館のホームページが新しくなったという情報を知りました。リンツ・アム・ライン(Linz am Rhein)はボン南東にある都市です。 Linz am Rhein: Stadtarchiv コンテンツは、以下の通りです。 Kontakt(連絡先) Bestä…

2020年度歴研大会特設部会準備ノート(13)――「歴史学のなかの若手研究者問題」『歴史評論』第804号(2017年4月)の振り返り

はじめに 1 1980~2016年度人文社会科学系本務教員数・兼務教員数および1人当たり学生数の推移 2 2019年度人文社会科学系博士課程卒業者の進路状況 3 全国大学院生協議会『2019年度大学院生の研究・生活実態に関するアンケート調査報告書』について 4 研究資…

K・テーヴェライトの「フェミサイド」論――iz3wより

iz3wというドイツ語圏の「第3世界」研究雑誌があります。 そのウェブサイトにクラウス・テーヴェライトによる「フェミサイド」(男性による女性の殺人、ジェンダーに基づく憎悪犯罪)についての論説が掲載されました。 Klaus Theweleit, Mörderische Anti-We…

ドイツの大学で歴史学を学びたい人に

2020年7月7日にドイツ歴史学者の団体、Verband der Historiker und Historikerinnen Deutschlandsより、歴史学が学べるドイツ高等教育機関の一覧サイト案内が配信されました。 各学問分野別の大学情報を集めたポータルサイト、Studium.org のなかの Geschich…

スイスの社会民主主義者・労働運動活動家ロベルト・グリムの旅行記(1902年)

いつもローザ・ルクセンブルク財団からお役立ち情報を入手しています。 社会民主主義者で、20世紀前半にスイスの労働運動の指導的人物であったロベルト・グリム(Robert Grimm、1881年4月16日-1958年3月8日)の旅行記が、ロベルト・グリム協会ウェブサイト…

フレデリック・ダグラス「奴隷にとっての独立記念日」演説についてのあれこれ

2020年7月4日、ローザ・ルクセンブルク財団「歴史」部門からの情報で、「奴隷にとっての独立記念日」の意味を問う、フレデリック・ダグラスの演説史料がインターネットで公開されていることを知りました。 Frederick Douglass, "What to the Slave Is the Fo…

カント像を撤去すべきか否か――taz紙の記事より

2020年6月26日、 taz 紙にカント像を撤去すべきではない、という主張の記事が掲載されました。リンク先はこちらです。 Immanuel Kant und der Rassismus: Lasst das Denkmal stehen - taz.de ブラック・ライヴズ・マター運動を機に、世界各地で人種主義・植…

東西ドイツ統一への新しいパースペクティヴ――8人の女性と同性愛者のライフ・ストーリー

2020年7月2日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、「ベルリンの壁の崩壊」した転換期をテーマに東西ドイツの女性・同性愛者8人についての経歴を収録した冊子の書評が掲載されました。 Peggy Piesche (Hg.), Labor 89. Intersektionale Bewegungsg…

「社会の自己理解が問題だ」――ドイツにおける人種主義について

2020年7月2日、Jungle.World というジャーナルのウェブサイトに、ドイツにおける人種主義をめぐる論争を取り上げたインタビュー記事が掲載されました。タイトルとリンク先はこちらになります。 ”Es geht um das Selbstverständnis der Gesellschaft”, in Jun…

「家父長制を学ぶ」――1992年ドイツの妊娠中絶法改正をめぐって

2020年6月25日、デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトに「家父長制を学ぶ」というタイトルの論説が掲載されました。 Ulrike Lembke (2020): Partiarchat lernen, in: Digitales Deutsches Frauenarchiv, Zuletzt besucht am: 18.09.2020 1992年6月25…

1920年6月30日ベルリン「第1回国際ダダ・メッセ」について

ダダ、あるいはダダイズムは、戦間期のドイツ社会・文化について取り上げるならば、触れないわけにはいけません。しかし、わたしはほとんど説明できません。 2020年6月30日、ドイシュラントフンク(Deutschlandfunk、インターネット視聴可能な全国ラジオ放送…

イギリスの博物館とBlack Lives Matter運動――BBC Newsより

2020年6月29日に、BBC Newsのウェブサイトで、「どのようにイギリスの博物館がブラック・ライヴズ・マターに応えているのか」と題した論説が掲載されました。 How UK museums are responding to Black Lives Matter この論説には、「ブラック・ライヴズ・マ…

「ドイツ植民地犯罪と償いをめぐる闘い」――ドイツのJocobin誌ウェブサイト記事より

2020年6月29日にドイツのBrumaire Verlagという出版社から刊行されている雑誌『ジャコバン(Jocobin)』のウェブサイトに、ドイツ植民地主義にかかわる論説が掲載されました。 Maresi Starzmann, Deutschlands koloniale Schuld und der Kampf um Wiedergutm…

「反ファシズム小史」について――スミソニアン・マガジン誌のウェブサイトより

ローザ・ルクセンブルク財団からの情報で、2020年6月24日、『スミソニアン・マガジン(Smithsonian Magazine)』という雑誌のウェブサイトに、「反ファシズム小史」と題した論説が掲載されましたことを知りました。 James Stout, A Brief History of Anti-Fa…

「帰ってきたドイツ労働史」――GLHAについて

ドイツ労働史協会(German Labour History Association)、略称GLHAという団体を知りました。2017年2月に設立された団体で、労働史・労働運動史についての研究、発表、記録、教育事業および社会運動の促進を目的としています。ホームページはこちらからどう…

2020年度歴研大会特設部会準備ノート(12)――東歴研シンポコメント、大学・大学院進学率および高等教育機関への公私費負担の国際比較

1.東歴研コメントについて 2.「低学歴社会」としての日本――高等教育機関(学士号相当以上)の進学率の推移 3.高等教育機関への公財政支出の対GDP比とその公私負担の割合 1.東歴研コメントについて 2015年3月22日に東京歴史科学研究会が主催した緊急シン…

「ドイツ植民地主義」――ローザ・ルクセンブルク財団歴史ポッドキャスト第1回

ローザ・ルクセンブルク財団歴史部門の企画に、ポッドキャスト "Rosalux History" といいうプロジェクトがあります。 2020年8月25日に "Der deutsche Kolonialismus" (ドイツ植民地主義)と題した第1回放送が同財団ウェブサイトにアップされました。 Der de…

ナチ・ドイツによるフランス軍アフリカ人兵士の虐殺について――France 24より

2020年6月21日、国際ニュースチャンネル、France 24のウェブサイトに「フランス軍アフリカ人兵士のナチ虐殺、80年後」という記事がアップされました。 The Nazi massacre of African soldiers in French army, 80 years on 1940年6月にナチがフランスを侵略…

アリーセ・ザーロモン文書館のデジタル化プロジェクト――デジタルドイツ女性アーカイブより

2020年7月15日、デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトで、「社会事業の先駆的女性としてのユダヤ系女性たち」というタイトルの記事が掲載されました。 Jüdische Frauen als Pionierinnen der Sozialen Arbeit デジタルドイツ女性アーカイブは、アリー…

ドイツ学校教科書のなかの植民地主義――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2020年8月20日にローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトで、「教科書のなかの植民地主義」という短い論説が掲載されました。リンク先はこちらになります。 Steffen Vogel, Kolonialismus im Schulbuch: Was Schüler*innen heutzutage über den Kolonialismu…

小冊子『初心者のための文書館学』――ドイツ連邦文書館ウェブサイトより

2020年6月26日にドイツ連邦文書館ウェブサイトで、文書館学についての入門的な小冊子PDFが掲載されました。小冊子についての説明とPDFへのリンクが貼ってあるページはこちらからどうぞ。 Archivisch für Anfänger: 25 Fachbegriffe einfach erklärt 25の専門…

ヨーロッパのAmazon配送センターをめぐる越境的労働組合運動について――Sozial.Geschichte Onlineより

現代史関係のオンライン雑誌をみつけました。 Sozial.Geschichte Online. Zeitschrift für historische Analyse des 20. und 21. Jahrhunderts 雑誌のタイトルは「社会史オンライン――20・21世紀の歴史分析のための雑誌」という意味です。2020年6月25日付のKr…

2020年度歴研大会特設部会準備ノート(11)――人文科学分野および「史学」専攻の大学院生数と男女比の推移(1992-2019年度)

はじめに 1 人文科学分野各専攻の大学院生数の推移(1992-2019年度) 2 人文科学分野および「史学」の男女別大学院生数・男女比の推移(1992-2019年度) 所感 はじめに 前回、日本歴史学協会若手研究者問題検討委員会がウェブ・アンケート調査を実施するま…

市庁舎内ウィーン図書館(Wienbibliothek im Rathaus)のデジタル化事業について

Bib-Link.orgというドイツ語圏の図書館ファンのグループを知りました。*1 Bib-Link - verlinkt Bibliotheksfans! | Bib-Link.org そのBib-Linkより、市庁舎内ウィーン図書館(ウィーン市庁舎内図書館? Wienbibliothek im Rathaus)が蔵書のデジタル化に力を…

ドイツ連邦政府内閣議事録オンライン――ドイツ連邦文書館より

2020年6月18日にドイツ連邦文書館のウェブサイトに、1973年度ドイツ連邦政府内閣議事録の暫定オンライン版が注釈つきの完全版に差し替えられたとの情報が掲載されました。リンク先は以下の通りです。*1 Jahresband 1973 der Kabinettsprotokolle jetzt onlin…

オーストリア国立図書館の歴史紹介記事とデジタル化プロジェクト

VÖBBLOGというオーストリア図書館員団体が作成しているブログサイトがあります。 VÖBBLOG - Vereinigung Österreichischer Bibliothekarinnen und Bibliothekare 「オーストリア図書館員連合」と訳せばよいでしょうか。その団体が2020年6月23日にウィーンに…

ドイツの自転車の歴史に関心のある人に――Netzwerk Fahrrad/Geschichte

以前に、6月3日「自転車の日」に寄せたフリードリヒ・エーベルト財団の自転車関連新聞記事資料について、こちらで紹介しました。 別の機会に、19世紀末のハンブルクの自転車競走路についての研究・刊行プロジェクトに触れる機会がありました。当時の写真つき…

「ハーナウ後の120日」――現代ドイツにおける移民背景をもつ人たちとの連帯の取り組み

ローザ・ルクセンブルク財団が取り組んでいるプロジェクトの一つ、antifra* というブログがあります。*1 Blog | ANTIFRA - Debatte, Bildung, Vernetzung zu Migration und gegen Rassismus und Neonazismus ブログのタイトルに記されているとおり、こちらは…