浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

研究ノート

生活改革の歴史についてのドイツ語論文集――オープンアクセスの近刊

日本語では生活改善運動のほうが理解しやすいと思いますが、「生活改革(Lebensreform)」を書名に掲げた論文集を見つけました。 主題に「トランスナショナル」と「植民地的」を含むので、気になりました。リンクを貼っておきます。オープンアクセスです。 S…

Statistaの歴史統計データ

データ収集と視覚化に特化した、ドイツのオンライン・プラットフォーム Statista の歴史統計のページを知りました。リンクを貼っておきます。 Statista | Geschichte 特集テーマとして、「第二次世界大戦」、「第一次世界大戦」、「歴史」、「米国の世界大国…

問いつづける民衆史シリーズ刊行記念のトーク・イベント記録

以下、宣伝です。 2024年10月26日、高円寺「本屋の実験室 本店」で、わたしも関わっている有志舎のシリーズ企画「問いつづける民衆史」の刊行記念トーク・イベントが開催されました。 わたしは同日に開催された国際歴史学関係の国際会議の裏方として走り回っ…

「輸出世界チャンピオン」としてのドイツ――L.I.S.A.の近刊書著者インタビュー

少し以前の情報になりますが、2024年7月23日、ゲルダ・ヘンケル財団学術ポータル L.I.S.A. のホームページの近刊書についての著者インタビュー紹介の欄に、ヤン=オトマー・ヘッセ氏へのインタビューが掲載されました。 „Ich würde das als einen deutschen …

グローバル・サウスからの「反植民地的定期刊行物」――ラディカル・ヒストリー・レビューの特集

2024年10月、Radical Histoy Reviewの第150号の特集が公刊されました。グローバル・サウスから出版されてきた反植民地的定期刊行物をテーマにしています。気になりましたので、リンクを貼っておきます。 "Revolutionary Papers: Anticolonial Periodicals fr…

デジタル工場、デジタル労働、デジタル資本主義――International Review of Social History

研究メモです。 アムステルダムの国際社会史研究所が発行する学術誌 International Review of Social History の第69巻第2号(2024年8月)は「デジタル・ファクトリー」特集です。 Review Dossier: The Digital Factory, International Review of Social His…

「近代における移民」特集――Archiv für Sozialgeschichte, Bd. 64(2024)より

社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団が発行する、Archiv für Sozialgeschichte(社会史年報)の第64巻(2024年)の特集は、「近代における移民」です。 Archiv für Sozialgeschichte - Aktuelle Bände 巻頭の序文はオープンアクセスです。 ほかには…

近刊書Feministische Internationaleについて

研究の備忘録です。 2024年10月に、フェミニスト・インターナショナルというタイトルの本がディーツ・ベルリン社から出版されました。 Vincent Streichhahn (Hrsg.), Feministische Internationale: Texte zu Geschlecht, Klasse und Emanzipation 1832-1936…

2024年の第59回リンツ会議「デジタル労働の世界」について

2024年9月26-28日に開催された第59回労働運動史家国際会議、通称リンツ会議のテーマは、「デジタル労働の世界」でした。リンクを貼っておきます。 59th ITH Conference: Worlds of Digital Labour, in: ITH - Internationale Tagung der HistorikerInnen de…

ギーセン大学による博物館収蔵品の植民地来歴調査のための短期講座について

2024年11月4日から8日まで、ギーセン大学が、博物館・美術館などに収蔵されている植民地関係の品々についての来歴調査に関心がある人向けの短期集中講座を提供することを知りました。 2024年6月30日に開催された日本ドイツ学会のシンポジウム「植民地主義、…

ドイツ農村の統治をめぐる近刊書の著者インタビュー――L.I.S.A.より

以前にも、ゲルダ・ヘンケル財団学術ポータル L.I.S.A. のホームページで掲載された近刊書の著者インタビューについて紹介したことがあります。また、少し気になったインタビューがありましたので、ここでリンクを貼ってしておきます。 Georgios Chatzoudis,…

デジタルドイツ女性アーカイブのオードリー・ロード紹介

2024年2月21日、デジタルドイツ女性アーカイブのホームページの女性活動家紹介欄に、アメリカ合州国の作家・詩人であり、フェミニスト・人権活動家として著名なオードリー・ロードが掲載されました。 Marion Kraft, Audre Lorde, in: Digitales Deutsches Fr…

帝政期から冷戦期にいたるまでのドイツ政治・行政エリートのプロフィールとキャリア形成――オープンアクセスの近刊書

ドイツ連邦文書館のホームページに、帝政期以降のドイツの政治・行政エリート層の社会的プロフィールとキャリア形成の過程について分析した研究書がアップされました。ナチ期にとくに着目しているとのことです。オープンアクセスです。 Sylvia Veit, Politis…

スイスの植民地主義についての展示会――スイス国立博物館/チューリヒ州立博物館より

2024年9月13日から2025年1月19日まで、スイス国立博物館/チューリヒ州立博物館(Schweizerisches Nationalmuseum / Landesmuseum Zürich)で、「コロニアル――スイスのグローバルな絡み合い(kolonial – Globale Verflechtungen der Schweiz)」という展示会…

ブレーメンでの植民地ジェノサイドへの追悼と「植民地的現在」――taz紙より

2024年8月12日、ドイツの左派系新聞、taz紙より "Koloniale Gegenwart(植民地的現在)"という記事が掲載されました。 Benno Schirrmeister, Gedenken an Völkermord: Koloniale Gegenwart, in: taz, 12. August 2024. リード文では、120年前にナミビアでド…

移民の歴史についての近刊論集 Migrant Actors Worldwide について

研究メモです。 Brill社から移民史についての論文集が公刊されました。以下に出版社のウェブサイトのリンクを貼っておきます。 Dirk Hoerder/Lukas Neissl (eds.), Migrant Actors Worldwide: Capitalist Interests, States Regulations, and Left-Wing Stra…

バウハウスと成人教育についてのオープンアクセスの論文集

とくにバウハウスにそれほど関心があるわけではないのですが、このブログでたびたびとりあげるテーマですね。 今回は、成人教育、なかでも「改革教育学(Reformpädagogik)」、労働者運動との関係がテーマです。 Anke Grotlüschen/Anette Richter-Boisen (Hg…

『社会史年報』第63巻特集「1945年以降の極右」について

ドイツ社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団が出版している学術誌『社会史年報(Archiv für Sozialgeschichte)』の第63巻は「1945年以降の極右」です。リンクを貼っておきます。 Rechtsextremismus nach 1945, in: Archiv für Sozialgeschichte, Bd.…

マイ・アイムの「下からのコスモポリタニズム」――History Workshopより

先日、第40回日本ドイツ学会大会シンポジウムで報告してきました。「植民地主義、ホロコースト、想起の文化――いま『負の歴史』にいかに向き合うか」というものです。 そこで、マイ・アイム(May Ayim)について触れましたが、報告を準備している過程で、Hist…

イスラエル・ガザ戦争とドイツにおける学問の自由・言論の自由について

ガザ戦争へのドイツ連邦政府によるイスラエルへの関与に抗議した、ベルリン自由大学での抗議活動のキャンプ撤去以降、学問の自由・言論の自由をめぐって、いくつか気になる声明や記事をピックアップしてみました。 もちろん網羅的ではなく、備忘録的なもので…

アイデンティティ・ポリティクスとしてのドイツ歴史建造物――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトの書評より

ちょっと興味がわいたので、ここにメモしておきます。 2024年5月2日にローザ・ルクセンブルク財団のホームぺージに、"Bauen am nationalen Haus: Architektur als Identitätspolitik(国民の家を建てる――アイデンティティ・ポリティクスとしての建築)"とい…

ジェンダー・ペイ・ギャップの歴史と現在についてのドイツ語論文集

研究メモです。 2023年11月、ディーツ出版社より、ジェンダー・ペイ・ギャップの歴史と現在についての論文集が出版されました。 Wiebke Wiede / Johanna Wolf / Rainer Fattmann (Hg.), Gender Pay Gap, Bonn: J.H.W. Dietz Nachf., 2023. 研究だけではなく…

「再移民」概念についての批判的な歴史学に向けて――ローザ・ルクセンブルク財団テューリンゲン局より

研究メモです。 2024年4月5日、ローザ・ルクセンブルク財団のテューリンゲン局より、「再移民(Remigration)」という概念の歴史的な展開について討論したYouTube動画がアップされました。 Kritische Geschichte des Begriffs "Remigration" - Annegret Schü…

世界革命の旅行者と苦い泉――ローザ・ルクセンブルク財団の討論会動画

2024年3月12日、ローザ・ルクセンブルク財団が主催となって、以下の2冊にの著者を交えた討論会が開催されました。 Brigitte Studer, Reisende der Weltrevolution: Eine Globalgeschichte der Kommunistischen Internationale, Berlin: Suhrkamp, 2020. Regi…

21世紀のグローバルな記憶を議論するドイツ語新刊書について

研究メモです。 2023年10月に、21世紀におけるグローバルな記憶文化を議論する新刊書が出ました。出版社のウェブサイトからの紹介ページをリンクしておきます。 Mirjam Zadoff: Gewalt und Gedächtnis. Globale Erinnerung im 21. Jahrhundert, München: Han…

ドイツ語圏におけるユダヤ史――Clio-Guideより

ミリアム・リュールップさんによる「ドイツ語圏におけるユダヤ史」という論説を見つけました。こちらは、「クリオ・ガイド(Clio Guide)」という歴史学向けのデジタル資料ハンドブックの第3改訂新版に掲載されたものです。 Miriam Rürup, Clio-Guide: Jüdis…

ホロコーストと植民地主義をめぐるシンポジウム

研究メモです。 2023年11月23日に社団法人エーリヒ=ツァイガー=ハウスが "Holocaust und Kolonialismus – Deutungskämpfe um das Erinnern(ホロコーストと植民地主義――記憶をめぐる解釈闘争)"という題目でシンポジウムを開催しました。 Holocaust und Ko…

ドイツのレーテ・コミュニズム人物事典(1920-1960年)について

2023年11月7日、ローザ・ルクセンブルク財団のホームぺージに、2023年に出版された、Biografisches Lexikon des deutschen Rätekommunismus 1920-1960(レーテ・コミュニズム人物事典、1920-1960年)についての紹介が掲載されました。 Biografisches Lexiko…

The Palgrave Handbook of Communist Women Activist around the Worldについて

研究ノートです。 2023年1月に、世界における共産主義女性活動家についてのパルグレイヴ版ハンドブックが出版されました。関心をもちまして、出版社へのリンクを貼っておきます。 Francisca de Haan (eds.), The Palgrave Handbook of Communist Women Activ…

ドイツのオーラル・ヒストリー・デジタルについて

オーラル・ヒストリー・デジタルというドイツ語のウェブサイトを知りました。リンクを貼っておきます。 Projekt • Oral-History.Digital 教育・メディア関係の研究・関心をもつ人たちに向けに、インタビュー資料を横断的に検索できるウェブサイトということ…