浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ史|植民地主義

生活改革の歴史についてのドイツ語論文集――オープンアクセスの近刊

日本語では生活改善運動のほうが理解しやすいと思いますが、「生活改革(Lebensreform)」を書名に掲げた論文集を見つけました。 主題に「トランスナショナル」と「植民地的」を含むので、気になりました。リンクを貼っておきます。オープンアクセスです。 S…

ヴィルヘルム・クーネルト(1865-1926年)と『ブレームの動物誌』についての展示――ドイツデジタル図書館より

ドイツデジタル図書館(Deutsche Digitale Bibliothek)のウェブサイトのなかで、ヴァーチャル展示「ライオンと伝説――ヴィルヘルム・クーネルト(1865-1926年)と『ブレームの動物誌』」が開催されていることを知りました。リンクを貼っておきます。 Von Lö…

Statistaの歴史統計データ

データ収集と視覚化に特化した、ドイツのオンライン・プラットフォーム Statista の歴史統計のページを知りました。リンクを貼っておきます。 Statista | Geschichte 特集テーマとして、「第二次世界大戦」、「第一次世界大戦」、「歴史」、「米国の世界大国…

ヨーロッパの奴隷たち――WerkstattGeschichteより

ちょっと見逃していましたが、2015年4月に刊行された、ドイツにおける日常史の中心的な雑誌 WerkstattGeschichte(歴史ワークショップ)の66・67合併号が気になりましたので、リンクを貼っておきます。 europas sklaven, in: WerkstattGeschichte, 66/67 (Ap…

「近代における移民」特集――Archiv für Sozialgeschichte, Bd. 64(2024)より

社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団が発行する、Archiv für Sozialgeschichte(社会史年報)の第64巻(2024年)の特集は、「近代における移民」です。 Archiv für Sozialgeschichte - Aktuelle Bände 巻頭の序文はオープンアクセスです。 ほかには…

ギーセン大学による博物館収蔵品の植民地来歴調査のための短期講座について

2024年11月4日から8日まで、ギーセン大学が、博物館・美術館などに収蔵されている植民地関係の品々についての来歴調査に関心がある人向けの短期集中講座を提供することを知りました。 2024年6月30日に開催された日本ドイツ学会のシンポジウム「植民地主義、…

AI技術によるドイツ植民地関係文書の全文検索について――ドイツ連邦文書館プレスリリースより

少し時間が経ってしまいましたが、2024年6月28日にドイツ連邦文書館から発表されたプレスリリースを紹介します。 Kolonialakten dank Künstlicher Intelligenz jetzt vollständig durchsuchbar, in: Bundesarchiv - Internet, 28. Juni 2024. 2021年に始まっ…

スイスの植民地主義についての展示会――スイス国立博物館/チューリヒ州立博物館より

2024年9月13日から2025年1月19日まで、スイス国立博物館/チューリヒ州立博物館(Schweizerisches Nationalmuseum / Landesmuseum Zürich)で、「コロニアル――スイスのグローバルな絡み合い(kolonial – Globale Verflechtungen der Schweiz)」という展示会…

忘却に抗う移民史ブログについて

Gegen Vergessen – Für Demokratie e. V.(忘却に反対―民主主義に賛成)という団体のブログ「移民史(Migrationsgeschichten)」を知りました。リンクを貼っておきます。 Migrationsgeschichten - Ein Blog von Gegen Vergessen e. V. たくさんの興味深い投…

ブレーメンでの植民地ジェノサイドへの追悼と「植民地的現在」――taz紙より

2024年8月12日、ドイツの左派系新聞、taz紙より "Koloniale Gegenwart(植民地的現在)"という記事が掲載されました。 Benno Schirrmeister, Gedenken an Völkermord: Koloniale Gegenwart, in: taz, 12. August 2024. リード文では、120年前にナミビアでド…

wasbishergeschah.at――ドイツ語圏の歴史プラットフォーム

ウィーンを拠点に、オンライン上で、歴史研究者と共同で過去に何があったのかを伝えるドイツ語のウェブサイト、wasbishergeschah.at を知りました。 Was bisher geschah | Startseite 直訳すると「いままで何がおきたのか」という意味です。 ウェブサイト紹…

第一次世界大戦以前のドイツ社会民主党における植民地問題――フリードリヒ・エーベルト財団より

2024年7月25日に、ドイツ社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団ホームページに、「『万国のプロレタリアよ、団結せよ」』か――ドイツ社会民主主義の植民地問題の論議」というタイトルの論説が掲載されました。1884年のドイツ帝国の植民地獲得による領土…

ワファ・ムスタファのツァイト紙オンライン版への投稿について

2024年8月11日の朝日新聞デジタルに、インタビュー記事「つながるガザとホロコーストの記憶 ドイツの歴史家論争2.0とは」が掲載されました。また、関連して8月15日付の朝日新聞の文化面に「ドイツ、岐路に立つ『過去の克服』」でも、コメントを載せてもらい…

移民の歴史についての近刊論集 Migrant Actors Worldwide について

研究メモです。 Brill社から移民史についての論文集が公刊されました。以下に出版社のウェブサイトのリンクを貼っておきます。 Dirk Hoerder/Lukas Neissl (eds.), Migrant Actors Worldwide: Capitalist Interests, States Regulations, and Left-Wing Stra…

マイ・アイムの「下からのコスモポリタニズム」――History Workshopより

先日、第40回日本ドイツ学会大会シンポジウムで報告してきました。「植民地主義、ホロコースト、想起の文化――いま『負の歴史』にいかに向き合うか」というものです。 そこで、マイ・アイム(May Ayim)について触れましたが、報告を準備している過程で、Hist…

I.G.ファルベンとブーナ=モノヴィッツ強制収容所――ニュルンベルク裁判記念館展示より

「記念館フォーラム(Gedenkstättenforum)」というウェブサイトの新着情報で、2024年6月18日に『ニュルンベルガー・ナーハリヒテン』紙に掲載された、「ニュルンベルク記念館展示――I.G.ファルベンとブーナ=モノヴィッツ強制収容所」というタイトルの記事…

ベルリンと反アパルヘイト闘争――ベルリンへ亡命した南部アフリカ出身者に関する展示会について

2024年は南アフリカにおけるアパルトヘイト体制の終焉から30年であり、またアフリカ分割で知られるベルリン会議から140年になります。それに関連して、「闘争――ベルリンへ亡命した南部アフリカ人(1884-1994年) 反植民地抵抗110年」という展示会が、5月9日…

アイデンティティ・ポリティクスとしてのドイツ歴史建造物――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトの書評より

ちょっと興味がわいたので、ここにメモしておきます。 2024年5月2日にローザ・ルクセンブルク財団のホームぺージに、"Bauen am nationalen Haus: Architektur als Identitätspolitik(国民の家を建てる――アイデンティティ・ポリティクスとしての建築)"とい…

ドイツ植民地における抑圧と抵抗――ドイツ連邦文書館より

2024年4月23日にドイツ連邦文書館のウェブサイトから、プレスリリースが公表されました。ドイツ連邦文書館の新しい出版シリーズとして "Im Fokus(焦点に、の意)" が始まるとのことです。その最初の出版物が、『「この問題は持ちこたえられない」――ドイツ植…

ハンブルクの女性移民の「抵抗の歴史」について――デジタルドイツ女性アーカイブより

2023年11月27日に、デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトに、「抵抗の(諸)歴史」というタイトルの論説が掲載されました。 Cäcilia Maag, Geschichte(n) des Widerstands, in: Digitales Deutsches Frauenarchiv, 27. November 2023. リード文では、…

ブレーメン・アフリカ資料館の検証作業終了報告書について

ブレーメン大学のワーキンググループ「ブレーメンの植民地史と現在(Bremens koloniale Geschichte & Gegenwart | Bremen's Colonial History Working Group)」というホームぺージに、ブレーメン・アフリカ資料館(Bremer Afrika Archiv)の収蔵物を検証す…

ホロコーストと植民地主義をめぐるシンポジウム

研究メモです。 2023年11月23日に社団法人エーリヒ=ツァイガー=ハウスが "Holocaust und Kolonialismus – Deutungskämpfe um das Erinnern(ホロコーストと植民地主義――記憶をめぐる解釈闘争)"という題目でシンポジウムを開催しました。 Holocaust und Ko…

2023年ドイツ歴史家大会セッション「民主主義が労働をつくる――労働が民主主義をつくるか」報告について

9月19日から22日まで開催された今年のドイツ歴史家大会の一セッション "Demokratie macht Arbeit – macht Arbeit Demokratie?" が、10月7日にドイツ語圏の歴史学系総合ポータルサイト H-Soz-Kultに掲載されました。 Irmela Diedrichs, Tagungsbericht: HT 20…

DeKolについて――ドイツ・ニーダーザクセン州における脱植民地的ネットワーク

DeKolというホームぺージを知りました。 DeKol 「脱植民地的ネットワーク・ノルトヴェスト(Dekoloniales Netzwerk Nordwest)」を名乗っていまして、ドイツのニーダーザクセン州、とくに農村地域におけるBIPoC(Black, Indigenous and People of Color 黒人…

Forum Justizgeschichteについて

Forum Justizgeschichte(フォーラム・司法史)というドイツの法学系の学会とそのウェブサイトを知りました。 Forum Justizgeschichte Startseite - Forum Justizgeschichte 司法史のページを開くと、「ナチ加害者」、「迫害された法学者」、「迫害されたグ…

植民地主義批判からみた1848年革命とフランクフルト国民議会――ローザ・ルクセンブルク財団より

2023年6月16日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「帝国的アリーナとしてのパウロ教会」という論説が掲載されました。 Andreas Bohne, Die Paulskriche als imperiale Arena, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung, 16. Juni 2023. 著者のアンドレアス・…

『歴史家論争2.0』、『ムベンべの彼方』へのH-Soz-Kult掲載書評

2023年6月15日、ドイツ語圏の歴史学総合ポータルサイト、H-Soz-Kultに、以下の2冊についての書評が掲載されました。 Neiman, Susan/ Michael Wildt (Hrsg.): Historiker streiten. Gewalt und Holocaust – die Debatte. Berlin: Propyläen Verlag, 2022. Böc…

ポストコロニアルな高等教育を目指して――ドイツの学術フォーラム誌 Forum Wissenschaft よりsenschaft

Forum Wissenschaft(フォーラム・学術)というドイツ語雑誌を知りました。2023年6月に刊行された号の特集は、Postkoloniale Hochschule: Zwischen Amnestie und Aufarbeitung(ポストコロニアル大学――赦しと検証のはざまで)です。リンクを貼っておきます。…

Arbeit-Bewegung-Geschichte(労働・運動・歴史)誌のプロレタリア女性運動特集

ドイツ語圏の学術雑誌、Arbeit - Bewegung - Geschichte(労働・運動・歴史)の2023年5月に刊行された第22巻第2号は、ドイツ帝政期・ヴァイマル期のプロレタリア女性運動特集です。 Töchter ihrer Klasse? Die proletarische Frauenbewegung im deutschen Ka…

博物館の脱植民地化についてのドイツ語近刊紹介――sehepunkteより

ドイツ語圏の歴史学系オンライン書評誌 sehepunkte(視点の意)に、ブリュッケ博物館、ドイツ技術博物館、ベルリン市博物館が編集した、Das Museum dekolonisieren? という論文集の書評が掲載されました。 Tanja-Bianca Schmidt, Rezension von: Das Museum …