浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ史|植民地主義

ブレーメン・アフリカ資料館の検証作業終了報告書について

ブレーメン大学のワーキンググループ「ブレーメンの植民地史と現在(Bremens koloniale Geschichte & Gegenwart | Bremen's Colonial History Working Group)」というホームぺージに、ブレーメン・アフリカ資料館(Bremer Afrika Archiv)の収蔵物を検証す…

ホロコーストと植民地主義をめぐるシンポジウム

研究メモです。 2023年11月23日に社団法人エーリヒ=ツァイガー=ハウスが "Holocaust und Kolonialismus – Deutungskämpfe um das Erinnern(ホロコーストと植民地主義――記憶をめぐる解釈闘争)"という題目でシンポジウムを開催しました。 Holocaust und Ko…

2023年ドイツ歴史家大会セッション「民主主義が労働をつくる――労働が民主主義をつくるか」報告について

9月19日から22日まで開催された今年のドイツ歴史家大会の一セッション "Demokratie macht Arbeit – macht Arbeit Demokratie?" が、10月7日にドイツ語圏の歴史学系総合ポータルサイト H-Soz-Kultに掲載されました。 Irmela Diedrichs, Tagungsbericht: HT 20…

DeKolについて――ドイツ・ニーダーザクセン州における脱植民地的ネットワーク

DeKolというホームぺージを知りました。 DeKol 「脱植民地的ネットワーク・ノルトヴェスト(Dekoloniales Netzwerk Nordwest)」を名乗っていまして、ドイツのニーダーザクセン州、とくに農村地域におけるBIPoC(Black, Indigenous and People of Color 黒人…

Forum Justizgeschichteについて

Forum Justizgeschichte(フォーラム・司法史)というドイツの法学系の学会とそのウェブサイトを知りました。 Forum Justizgeschichte Startseite - Forum Justizgeschichte 司法史のページを開くと、「ナチ加害者」、「迫害された法学者」、「迫害されたグ…

植民地主義批判からみた1848年革命とフランクフルト国民議会――ローザ・ルクセンブルク財団より

2023年6月16日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「帝国的アリーナとしてのパウロ教会」という論説が掲載されました。 Andreas Bohne, Die Paulskriche als imperiale Arena, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung, 16. Juni 2023. 著者のアンドレアス・…

『歴史家論争2.0』、『ムベンべの彼方』へのH-Soz-Kult掲載書評

2023年6月15日、ドイツ語圏の歴史学総合ポータルサイト、H-Soz-Kultに、以下の2冊についての書評が掲載されました。 Neiman, Susan/ Michael Wildt (Hrsg.): Historiker streiten. Gewalt und Holocaust – die Debatte. Berlin: Propyläen Verlag, 2022. Böc…

ポストコロニアルな高等教育を目指して――ドイツの学術フォーラム誌 Forum Wissenschaft よりsenschaft

Forum Wissenschaft(フォーラム・学術)というドイツ語雑誌を知りました。2023年6月に刊行された号の特集は、Postkoloniale Hochschule: Zwischen Amnestie und Aufarbeitung(ポストコロニアル大学――赦しと検証のはざまで)です。リンクを貼っておきます。…

Arbeit-Bewegung-Geschichte(労働・運動・歴史)誌のプロレタリア女性運動特集

ドイツ語圏の学術雑誌、Arbeit - Bewegung - Geschichte(労働・運動・歴史)の2023年5月に刊行された第22巻第2号は、ドイツ帝政期・ヴァイマル期のプロレタリア女性運動特集です。 Töchter ihrer Klasse? Die proletarische Frauenbewegung im deutschen Ka…

博物館の脱植民地化についてのドイツ語近刊紹介――sehepunkteより

ドイツ語圏の歴史学系オンライン書評誌 sehepunkte(視点の意)に、ブリュッケ博物館、ドイツ技術博物館、ベルリン市博物館が編集した、Das Museum dekolonisieren? という論文集の書評が掲載されました。 Tanja-Bianca Schmidt, Rezension von: Das Museum …

ポール・ロブソンについての評論――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2023年4月9日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、「ポール・ロブソン――左翼の悲劇的英雄」というタイトルの論説が掲載されました。 Mario Kesseler, Paul Robeson: The Left's Tragic Hero, in Rosa-Luxemburg-Stiftung, April 9, 2023. リード…

東ドイツにおける国際友好と契約労働者について

1998年に設立された「ドイツ社会主義統一党独裁検証のための連邦基金(Bundesstiftung zur Aufarbeitung der SED-Diktatur)」のウェブサイトに東ドイツ時代に契約労働者に関連する特設ページがあることを知りました。こちらにメモしておきます。 Völkerfreu…

アフリカ系ドイツ人女性向け雑誌 Afrekete について

ブラック・ライブズ・マター運動を背景に、ヨーロッパ在住のアフリカ系の人びとの社会運動の歴史を振り返る試みをよく目にします。 その事例の一つとして、1988年から1990年まで刊行された、『アフレケーテ――アフリカ系ドイツ人および黒人女性のための新聞』…

(ポスト)コロニアル・ドイツ――近刊関連書籍のSehepunkte書評リスト

このブログでもたびたび紹介している、ドイツ語圏の歴史学書評オンライン・ジャーナル Sehepunkte (視点)ですが、2023年第2号として、これまでに近刊書として掲載された書評を、「(ポスト)コロニアル・ドイツ(Deutschland (post)kolonial)」と題してま…

インターナショナルにおけるパン・アフリカニズムと反植民地主義――ローザ・ルクセンブルク財団より

だいぶ以前の記事ですが、2019年3月22日にローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「共産主義が黒になったとき――共産主義インターナショナルにおけるパン・アフリカニズムと反植民地主義」という題の論説が掲載されました。 Matt Williams, "When Commun…

#アフリカ――「現在の歴史」より

少し前の論説になりますが、2020年11月11日にドイツ語圏歴史系ウェブサイト、Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)にゲジーネ・クリューガーさんによる 「#アフリカ」という論説が掲載されました。リンクを貼っておきます。 Gesine Krüger, #Afrika, in: …

ドイツ史学習のためのオンライン・ポータルサイトLeMOと「植民地政策」

ドイツ史学習のためのオンライン・ポータルサイト、LeMO、すなわち「生きている博物館オンライン(Lebendiges Museum Online)」は、ドイツ歴史博物館や「ドイツ歴史の家」財団、ドイツ連邦文書館による共同プロジェクトです。便利なので講義準備の際に、よ…

W.E.B.デュボイス、ナチ・ドイツへの旅、1936年

アメリカ黒人解放運動、パン=アフリカニズムの指導者として名高い、W.E.B.デュボイスは、1936年、ナチ支配下のドイツを訪れました。2022年、その旅行記のドイツ語訳が出版されました。 W. E. B. Du Bois, 'Along the color line': Eine Reise durch Deut…

ゲッティンゲン・ポストコロニアルの映画プロジェクト

ゲッティンゲン・ポストコロニアルという地域から植民地主義を批判するポストコロニアル的社会活動を行う団体があります。 そのウェブサイトでは、クラウドファンディングによるドキュメンタリー映画の制作プロジェクトが紹介されています。最近、知りました…

植民地のための権利請願――ブログ・民主主義の歴史(Blog Demokratiegeschichten)より

日常の小さな歴史から民主主義の歴史を確立させることを目的に掲げた、「ブログ・民主主義の歴史(Blog Demokratiegeschichten)」を知りました。リンク先はこちらです。 Blog Demokratiegeschichten 歴史(Geschichte)を複数形にすることで、民主主義が、…

脱植民地化をテーマにしたシンポジウム――ハインリヒ・ベル財団より

研究メモです。 すでに終わっていますが、2022年10月21-22日の2日間にわたって、ドイツのハインリヒ・ベル財団ほか主催で、「脱植民地化――グローバル化した世界のポスト帝国的視角」というシンポジウムが開催されました。シンポジウムのプログラムは以下の…

歴史家は論争する――アインシュタイン・フォーラムより

2022年9月29日に、ズーザン・ナイマンさんとミヒャエル・ヴィルトさんによって編集された論文集、Historiker streiten: Gewalt und Holocaust - die Debatte(歴史家は論争する――暴力とホロコースト、その議論)が出版されました。出版社のウェブサイトはこ…

ポーランド分割――ローザ・ルクセンブルク財団歴史ポッドキャストRosalux Historyより

2022年9月21日、ローザ・ルクセンブルク財団SNSより、歴史ポッドキャスト Rosalux History より、第19回「ポーランド分割(Die Teilungen Polens)」の配信のお知らせがありました。リンク先は以下の通りです。 Rosalux History - Rosa-Luxemburg-Stiftung …

フライブルクと植民地主義――アウグスティン博物館の展示について

2022年6月25日から2023年6月11日まで、フライブルクのアウグスティン博物館(Augustinermuseum)で「フライブルクと植民地主義――昨日?今日!(Freiburg und Kolonialismus: Gestern? Heute!)」が開催されていることを知りました。 フライブルクの美術館・…

植民地犯罪、ホロコースト、新しい記憶について―― taz紙ブログより

2022年9月7日、ドイツの左派系新聞 taz 紙のブログに、ジャーナリストのシャルロッテ・ヴィーデマンさんへのインタビューが掲載されました(ポッドキャスト配信)。ドイツ植民地主義とホロコーストの記憶をめぐる最近の論争について扱ったものです。 Dissens…

ベルリンにおけるポストコロニアルの記憶について

研究ノートです。 ドイツのフェアブレッヒャー出版社から、『ポストコロニアル都市を読む――フリードリヒスハイン=クロイツベルクにおける歴史的調査』という論集が出版されました。 Natalie Bayer/ Mark Terkessidis (Hg.), Postkoloniale Stadt lesen: His…

ルードルフ・ドゥアラ・マンガ・ベルとその名誉回復をめぐって

2022年8月15日、ドイツの左派系の新聞、taz 紙のオンライン版に、ドイツの都市アーレンとウルムが、1914年にドイツ植民地統治下のカメルーンで処刑されたドゥアラ王ルードルフ・ドゥアラ・マンガ・ベルの名をある広場につけることで、彼を顕彰することになっ…

カタリーナ・オグントイェさんについて

備忘録です。 2022年5月30日、歴史家・活動家・著述家カタリーナ・オグントイェさんが、ドイツにおけるアフリカ人およびアフリカ系ドイツ人の平等と文化間交流への参加のために長年にわたって尽力し、人種主義、性差別主義、同性愛差別主義に対峙してきたこ…

ホロコーストと記憶へのアフリカ的パースペクティブ――Geschichte der Gegenwartより

2022年7月31日、「ホロコーストと記憶へのアフリカ的パースペクティブ」と題した論説が、「現在の歴史(Geschichte der Gegenwart)」のウェブサイトに掲載されました。 Charlotte Wiedemann, Afri­ka­ni­sche Perspek­tiven auf Holo­caust und Erin­ne­run…

植民地的過去-ポスト植民地的未来?――ドイツ=ナミビア関係論集と討論会

2022年、つまり今年ですが、『植民地的過去-ポスト植民地的未来?――ドイツ=ナミビア関係を新たに考える』と題した論集が、ブランデス&アプゼル出版社より刊行されました。 Henning Melber/Kirstin Platt (Hrsg.), Koloniale Vergangenheit - Postkolonial…