浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ史|植民地主義

「歴史家論争2.0」――マイケル・ロスバーグの論説より

「現在の歴史(Geschichte der Gegenwart)」というドイツ語のウェブサイトがあります。 Geschichte der Gegenwart このサイトに、2020年9月23日、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のホロコースト史研究者、マイケル・ロスバーグ(Michael Rothberg)氏の論…

「大学と植民地主義――ゲッティンゲン大学の事例」ウェブサイト

ゲッティンゲン大学にはドイツ植民地史を専門とするレベッカ・ハーバマス(Rebekka Harbermas)氏がいます。その2019年のゼミナールの一環で、「大学と植民地主義――ゲッティンゲン大学の事例」というウェブサイトが作成されています。 Universität und Kolon…

ドイツにおける植民地記念碑をめぐる論争――ハンブルクのビスマルク像ほか

2020年はブラック・ライヴズ・マター運動の追い風を受けて、植民地支配の過去を顕彰するような記念碑をめぐって世界各地で大きな議論が起きた年として記録されることでしょう。 2020年6月、イギリスのブリストルではエドワード・コルストン像が引き倒され*1 …

ドイツ技術博物館における大西洋奴隷貿易の展示替え――「犠牲者の語り」からの脱却

2020年8月21日のベルリン日刊紙『デア・ターゲスシュピーゲル(Der Tagesspiegel)』のウェブサイトに、ドイツ技術博物館にある「海運(Shifffahrt)」部門の展示内容についての記事が掲載されました。 Andreas Conrad, Weg mit dem Menschenkäfig: Im Techn…

東ドイツ出身の歴史家、東西ドイツ統一後の学界での差別を語る

2020年8月12日、ベルリンの日刊紙『ベルリナー・ツァイトゥング』(Berliner Zeitung)に、東ドイツ出身の歴史家ウルリヒ・ファン・デア・ハイデン(Ulrich van der Heyden)氏の寄稿が掲載されました。 Ulrich van der Heyden, DDR-Wissenschaftler : „Nie …

ドイツ植民地戦争の過去と補償問題――ナミビア政府の修正要求

ローザ・ルクセンブルク財団からの情報で、ドイツ植民地戦争とその責任追及に関連するニュースを知りました。今年8月上旬のことです。 "Namibia Rejects German Genocide Reparations Offer," Eyewitness News, August 2020 1904年から1908年にかけて、現在…

ポストコロニアル・ベルリン――「歴史を消し去りたいのではない」

ブラック・ライヴズ・マター運動は、ドイツでの植民地支配の歴史との向き合い方をめぐる議論に火をつけた感があります。 2020年8月7日、Norddeutscher Rundfunk (北ドイツ放送)のラジオ&テレビ局のウェブサイトで、Berlin Postkolonial という団体のスポ…

ドイツ植民地主義関連記念碑の地図化プロジェクト――taz紙よりSimone Dede Ayivi氏インタビュー記事

今年はブラック・ライヴズ・マター運動が世界的に広がりました。それは同時にかつての植民地支配国に残存する植民地主義的痕跡を再検討する契機にもなっています。 ドイツ植民地主義に関しては、関連する記念碑をインターネット上で地図化するプロジェクト "…

『インド日記』――1912・13年ベルリンの女権論者アナ・パプリッツの旅行記について

19世紀末から20世紀初頭にかけて、ベルリンでの売春禁止運動に積極的に関与した女権論者で文筆家アナ・パプリッツ(Anna Pappritz, 1861-1939)という人がいます。 1912年11月から1913年2月にかけて、パプリッツはセイロン・インド・カイロに旅行しており、…

『ドイツ再統一後の東ドイツの歴史家たち』(2017年)について

研究のためのメモ書きです。 Sunny Pressから2017年にハードカバー版、2018年にペーパーバック版として、以下の論集が公刊されています。 Axel Fair-Schulz/ Mario Kessler (eds.), East German Historians since Reunification: A Discipline Transformed, …

ドイツにおけるブラック・スタディーズの緊急性にかんする7つのテーゼ――Generation Adefraより

Generation Adefraというウェブサイトを知りました。このサイトを運営するADEFRA e. V. はドイツの黒人女性による、黒人女性のための「文化政治フォーラム(ein kulturpolitisches Forum)」と説明されています。 Generation Adefra - Home ドイツにおける黒…

W・E・B・デュボイスのヨーロッパ旅行ルート(1892-1894年)――Helmut Walser Smithさんのウェブサイトより

数多くの研究業績をもつドイツ近現代史研究者、Helmut Walser Smithさんのホームページに、W. E. B. デュボイスが1892年から1894年にかけてヨーロッパを旅行したルートを記した地図がアップされました。HWS Mapsと題されたページに掲載されています。 The Tr…

「植民地なき植民地主義」としてのスイス――Neue Züricher Zeitungのインタビュー記事より

2020年7月10日、Neue Züricher Zeitung(新チューリヒ新聞)のウェブサイトに、植民地期インドを主な研究領域として、トランスナショナル史・グローバル史に取り組むハラルド・フィッシャー=ティネ(Harald Fischer-Tiné)氏へのインタビュー記事が掲載され…

カント像を撤去すべきか否か――taz紙の記事より

2020年6月26日、 taz 紙にカント像を撤去すべきではない、という主張の記事が掲載されました。リンク先はこちらです。 Immanuel Kant und der Rassismus: Lasst das Denkmal stehen - taz.de ブラック・ライヴズ・マター運動を機に、世界各地で人種主義・植…

「社会の自己理解が問題だ」――ドイツにおける人種主義について

2020年7月2日、Jungle.World というジャーナルのウェブサイトに、ドイツにおける人種主義をめぐる論争を取り上げたインタビュー記事が掲載されました。タイトルとリンク先はこちらになります。 ”Es geht um das Selbstverständnis der Gesellschaft”, in Jun…

「ドイツ植民地犯罪と償いをめぐる闘い」――ドイツのJocobin誌ウェブサイト記事より

2020年6月29日にドイツのBrumaire Verlagという出版社から刊行されている雑誌『ジャコバン(Jocobin)』のウェブサイトに、ドイツ植民地主義にかかわる論説が掲載されました。 Maresi Starzmann, Deutschlands koloniale Schuld und der Kampf um Wiedergutm…

「ドイツ植民地主義」――ローザ・ルクセンブルク財団歴史ポッドキャスト第1回

ローザ・ルクセンブルク財団歴史部門の企画に、ポッドキャスト "Rosalux History" といいうプロジェクトがあります。 2020年8月25日に "Der deutsche Kolonialismus" (ドイツ植民地主義)と題した第1回放送が同財団ウェブサイトにアップされました。 Der de…

ナチ・ドイツによるフランス軍アフリカ人兵士の虐殺について――France 24より

2020年6月21日、国際ニュースチャンネル、France 24のウェブサイトに「フランス軍アフリカ人兵士のナチ虐殺、80年後」という記事がアップされました。 The Nazi massacre of African soldiers in French army, 80 years on 1940年6月にナチがフランスを侵略…

ドイツ学校教科書のなかの植民地主義――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2020年8月20日にローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトで、「教科書のなかの植民地主義」という短い論説が掲載されました。リンク先はこちらになります。 Steffen Vogel, Kolonialismus im Schulbuch: Was Schüler*innen heutzutage über den Kolonialismu…

「植民地スキャンダル」――1894年、A・ベーベル、帝国議会に鞭を持ち込んでドイツ植民地政策を批判する(Das Parlament、2020年1月6日)より

アウグスト・ベーベルは、19世紀末から20世紀初頭にかけてドイツ社会民主党の中心人物の一人です。1894年2月、彼が帝国議会で鞭を持ち込んでドイツ植民地政策を批判した事件も比較的知られた事件かもしれません。 ベーベルは持ち込んだ鞭を手に、ドイツ植民…

「どのように右翼は歴史を歪曲するか」――アンネ・フランク教育センターのブックレット

フランクフルト・アム・マインにあるアンネ・フランク教育センターのウェブサイトを訪問しました。 Bildungsstätte Anne Frank もとは、2020年6月15日の「デジタル・アンネ・フランクの日」の情報に接することがあって、もう一度確認するためでした。 2017年…

ロベルト・コッホとドイツ植民地主義――Der Tagesspiegel紙の記事より

2020年5月25日、ベルリンの日刊紙デア・ターゲススピーゲル紙(Der Tagesspiegel)は、ロベルト・コッホの記事をウェブサイトに掲載しました。*1 Paul Starzmann, Die zwielichtige Karriere des Dr. Robert Koch, in: Der Tagesspiegel, 25. 05. 2020 「ロ…

ドイツ連邦文書館オンライン展示「伝染病!立ち入り禁止!――ドイツ帝国と植民地における感染予防とその闘い、1871-1933年」

感染症に関連するドイツ連邦文書館オンライン展示を紹介します。 "Ansteckende Krankheit! Zutritt verboten!": Infektionsvorsorge und -bekämpfung im Deutschen Reich und seinen Kolonien 1871-1933 「伝染病!立ち入り禁止!――ドイツ帝国と植民地におけ…

ホロコーストとBlack History Matters――ノイエンガメ強制収容所記念館より(2020年8月18日更新)

はじめに Anton de Komについて はじめに ハンブルク近郊にナチのホロコーストを追悼・記録・検証する施設、ノイエンガメ強制収容所記念館があります。*1 同施設のウェブサイトはとても充実しています。そして同時に、SNSによる発信も積極的に行われています…

「民度」について――帝国主義研究・植民地主義研究の視点から

今さらですが、「民度」は差別表現です。*1 近年、揶揄するような文脈でメディアや日常会話のなかで、この表現が許容されるようになっている気がします。歴史的に帝国主義者・植民地主義者が好んで使ってきた表現で、安易に使われる風潮を懸念しています。確…

ドイツ連邦文書館オンライン展示「ポナペ反乱――太平洋におけるドイツ植民地支配に対する抵抗」

ドイツ連邦文書館のウェブサイトには、たくさんのオンライン展示がアップされています。*1 そのうちの一つがポナペ(ポンペイ)島で起きた武装蜂起についてのオンライン展示です。リンク先は以下のとおりです。 Aufruhr auf Ponape: Widerstand gegen die de…

ベルリンにおける植民地主義の検証――教育ポータル「歴史から学ぶ」より

「歴史から学ぶ」(Lernen aus der Geschichte, LAG)という教育ポータルがあります。 そのポータルはオンライン雑誌を発行しており、その2020年4月号(LAG-MAGAZIN, 04/20)は「ベルリンにおける植民地主義の検証(Aufarbeitung von Kolonialismus in Berli…