浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

現代社会・経済

「アパルトヘイト、NO!」――冷戦下東西ドイツの国際連帯について

2019年12月、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「アパルトヘイト、NO!――ドイツ民主共和国とドイツ連邦共和国における連帯の諸相」という論集が掲載されました。 Andreas Bohne, Bernd Hüttner, Anja Schade, Apartheid No! Facetten von Solidari…

「ファシズムの世紀」について――ローザ・ルクセンブルク財団より

やはり昨今の状況のせいでしょうか。ファシズム研究がふたたび盛んになっている感があります。 2020年、フリードリヒ・ブルシェルが編集した「ファシズムの世紀――西洋、アイデンティティ、ヨーロッパ、新自由主義についての新右翼的言説」というタイトルの論…

「歴史家論争2.0」――マイケル・ロスバーグの論説より

「現在の歴史(Geschichte der Gegenwart)」というドイツ語のウェブサイトがあります。 Geschichte der Gegenwart このサイトに、2020年9月23日、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のホロコースト史研究者、マイケル・ロスバーグ(Michael Rothberg)氏の論…

国際連合の歴史についてのレポート――ローザ・ルクセンブルク財団より

研究備忘録です。 2017年8月、ローザ・ルクセンブルク財団より創設から70年を過ぎた国際連合の歴史を批判的に検証する冊子が公開されました。フリーでダウンロードできます。 James A. Paul, Of Foxes and Chickens: Oligarchy and Global Power in the UN S…

移民女性の視点からドイツ再統一を再考する――1992年ロストック=リヒテンハーゲンでの人種主義的暴動について

デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトに「見境のない嫌悪」と題したレポートがアップされました。 Eine Kooperation von DaMigra und DDF (2020), Grenzenloses Unbehagen, in: Digitales Deutsches Frauenarchiv このレポートは、1992年8月22日に始…

ネオナチにとっての「ベルリンの壁の崩壊」――北ドイツ放送ウェブサイト記事について

ドイツ民主共和国の消失は、ドイツ連邦共和国のネオナチにとってどのような意味を持ったのでしょうか。また、ドイツ民主共和国時代に「ネオナチ」はそもそも存在していたのでしょうか。 この問いについて、当事者のインタビューを中心に構成された番組(30分…

ドイツにおける植民地記念碑をめぐる論争――ハンブルクのビスマルク像ほか

2020年はブラック・ライヴズ・マター運動の追い風を受けて、植民地支配の過去を顕彰するような記念碑をめぐって世界各地で大きな議論が起きた年として記録されることでしょう。 2020年6月、イギリスのブリストルではエドワード・コルストン像が引き倒され*1 …

ドイツ技術博物館における大西洋奴隷貿易の展示替え――「犠牲者の語り」からの脱却

2020年8月21日のベルリン日刊紙『デア・ターゲスシュピーゲル(Der Tagesspiegel)』のウェブサイトに、ドイツ技術博物館にある「海運(Shifffahrt)」部門の展示内容についての記事が掲載されました。 Andreas Conrad, Weg mit dem Menschenkäfig: Im Techn…

現代ドイツにおける移民の権利向上に向けた多様な取り組み――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

現代移民問題への社会的な関心が高まっていますが、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに次のような論説が掲載されました。 Jonas Engelmann, »Diese Schrift ist eine Kampfhandlung«. in Rosa Luxemburg Stiftung, 2020. この論説では、日常的な人…

東ドイツ出身の歴史家、東西ドイツ統一後の学界での差別を語る

2020年8月12日、ベルリンの日刊紙『ベルリナー・ツァイトゥング』(Berliner Zeitung)に、東ドイツ出身の歴史家ウルリヒ・ファン・デア・ハイデン(Ulrich van der Heyden)氏の寄稿が掲載されました。 Ulrich van der Heyden, DDR-Wissenschaftler : „Nie …

1970年代西ドイツにおける移民と労働闘争――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2020年8月、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、1970年代西ドイツにおける移民労働者とその闘争に関する論説が掲載されました。 Efsun Kızılay, Migration und Arbeitskämpfe: Ein Blick zurück in die Zeit der «Gastarbeiter*innen» und ihre Kä…

新しい世代の「右翼の現代史」研究――zeitgeschichte | online(現代史オンライン)より

いつもながらローザ・ルクセンブルク財団からの情報で、「右翼」をめぐる現代史研究の新しい動向を知りました。 Zeitgeschichte der Rechten. Neue Arbeiten zu einem jungen Forschungsfeld 「右翼の現代史――最近の研究領域への新しい研究」といった意味で…

ドイツ植民地戦争の過去と補償問題――ナミビア政府の修正要求

ローザ・ルクセンブルク財団からの情報で、ドイツ植民地戦争とその責任追及に関連するニュースを知りました。今年8月上旬のことです。 "Namibia Rejects German Genocide Reparations Offer," Eyewitness News, August 2020 1904年から1908年にかけて、現在…

ポストコロニアル・ベルリン――「歴史を消し去りたいのではない」

ブラック・ライヴズ・マター運動は、ドイツでの植民地支配の歴史との向き合い方をめぐる議論に火をつけた感があります。 2020年8月7日、Norddeutscher Rundfunk (北ドイツ放送)のラジオ&テレビ局のウェブサイトで、Berlin Postkolonial という団体のスポ…

権威主義と対抗戦略に関する国際研究グループについて――ローザ・ルクセンブルク財団

2020年8月、ローザ・ルクセンブルク財団に新しい研究グループが発足したとの知らせを目にしました。 International Research Group on Authoritarianism and Counter-Strategies (IRGAC) ”About us” をみると、ローザ・ルクセンブルク財団のイニシアチブで「…

ハンガリーのルカーチ資料館閉鎖に寄せて――Deutschlandfunk Kulturより

2020年8月2日、ドイツのラジオ放送局ドイチュラントフンク(Deutschlandfunk)の文化部門のウェブサイト、Deutschlandfunk Kultur にハンガリーの首都ブダペストにあるルカーチ文書館の閉鎖に寄せた記事が掲載されました。 Anat Kalman, Das Lukács-Archiv i…

女性移民およびアフリカ系ディアスポラからみたドイツ再統一――デジタル・ドイツ女性アーカイブより

また、今回も東西ドイツ統一30周年企画に関する記事の紹介です。 デジタル・ドイツ女性アーカイブのウェブサイトで、女性移民およびアフリカ系ディアスポラからみたドイツ再統一についての討論会記事が掲載されました。リンク先はこちらになります。 Eine Ko…

戦後75年、ドイツの記憶をめぐる政治について――ローザ・ルクブルク財団ウェブサイトより

2020年7月に、戦後75年を記念して戦争とナチ支配をめぐる記憶に関する小冊子が、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに掲載されました。リンク先は以下の通りです。PDFのマークがあるアイコンをクリックしてください。 Jan Korte, Umkämpftes Gebiet: …

「世界で最も美しい本屋」――デア・シュピーゲル紙より

2020年7月23日、ドイツの週刊誌『デア・シュピーゲル(Der Spiegel)』誌のホームページに「世界で最も美しい本屋」という記事が掲載されました。リンク先はこちらになります。 Die schönsten Buchläden der Welt von Stuart Husband und Horst A. Friedrich…

ドイツにおけるブラック・スタディーズの緊急性にかんする7つのテーゼ――Generation Adefraより

Generation Adefraというウェブサイトを知りました。このサイトを運営するADEFRA e. V. はドイツの黒人女性による、黒人女性のための「文化政治フォーラム(ein kulturpolitisches Forum)」と説明されています。 Generation Adefra - Home ドイツにおける黒…

フランツ・ファノンについて――ドキュメンタリーほか

Piet Hansenさん――とくに知人でも何でもありませんが――が、2020年7月20日にフランツ・ファノン(Frantz Fanon, 1926年7月20日ー1961年12月6日)の95回目の誕生日に寄せて、1996年に撮影されたドキュメンタリー映像の情報を発信していました。 FRANTZ FANON: …

日本学術会議の任命拒否問題について――図にしてみました

2020年10月1日、日本学術会議候補者6名の任命が内閣総理大臣によって拒否されました。日本学術会議はもとより、各学会・団体・個人が次々と批判しています。わたしもいくつかの取り組みに関わっています。 すでに批判の論点は出そろっていると思います。とく…

金属製の拘束具と手錠――人種差別的な警察行動における英米間「特別な関係」について

2020年7月9日、History Workshopのウェブ・サイトに人種主義的な警察行動についての歴史を振り返る論説が掲載されました。 Joseph Yannielli and Christine Whyte, "Shackles and Handcuffs: The 'Special Relationship' of Racist Policing", July 9, 2020,…

カント像を撤去すべきか否か――taz紙の記事より

2020年6月26日、 taz 紙にカント像を撤去すべきではない、という主張の記事が掲載されました。リンク先はこちらです。 Immanuel Kant und der Rassismus: Lasst das Denkmal stehen - taz.de ブラック・ライヴズ・マター運動を機に、世界各地で人種主義・植…

「社会の自己理解が問題だ」――ドイツにおける人種主義について

2020年7月2日、Jungle.World というジャーナルのウェブサイトに、ドイツにおける人種主義をめぐる論争を取り上げたインタビュー記事が掲載されました。タイトルとリンク先はこちらになります。 ”Es geht um das Selbstverständnis der Gesellschaft”, in Jun…

イギリスの博物館とBlack Lives Matter運動――BBC Newsより

2020年6月29日に、BBC Newsのウェブサイトで、「どのようにイギリスの博物館がブラック・ライヴズ・マターに応えているのか」と題した論説が掲載されました。 How UK museums are responding to Black Lives Matter この論説には、「ブラック・ライヴズ・マ…

「反ファシズム小史」について――スミソニアン・マガジン誌のウェブサイトより

ローザ・ルクセンブルク財団からの情報で、2020年6月24日、『スミソニアン・マガジン(Smithsonian Magazine)』という雑誌のウェブサイトに、「反ファシズム小史」と題した論説が掲載されましたことを知りました。 James Stout, A Brief History of Anti-Fa…

ヨーロッパのAmazon配送センターをめぐる越境的労働組合運動について――Sozial.Geschichte Onlineより

現代史関係のオンライン雑誌をみつけました。 Sozial.Geschichte Online. Zeitschrift für historische Analyse des 20. und 21. Jahrhunderts 雑誌のタイトルは「社会史オンライン――20・21世紀の歴史分析のための雑誌」という意味です。2020年6月25日付のKr…

「ハーナウ後の120日」――現代ドイツにおける移民背景をもつ人たちとの連帯の取り組み

ローザ・ルクセンブルク財団が取り組んでいるプロジェクトの一つ、antifra* というブログがあります。*1 Blog | ANTIFRA - Debatte, Bildung, Vernetzung zu Migration und gegen Rassismus und Neonazismus ブログのタイトルに記されているとおり、こちらは…

H・アーレント研究所ブログ――1990年代以降の東ドイツ女性運動史の紹介論説

2020年6月4日、ハンナ・アーレント研究所ブログに、1990年代東ドイツ女性運動史についての論説が掲載されました。 Aufbruch – Anpassung – Selbstbehauptung: Die ostdeutsche Frauenbewegung in den 1990er Jahren am Beispiel Leipzigs 著者のイェシカ・ボ…