浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

2024-01-01から1年間の記事一覧

日本学術会議第193回総会の会長談話ほか

2024年12月22日に日本学術会議第193回総会が開催されました。日本学術会議HPには、会長談話ほか、総会配布資料へのリンクが貼られています。 会長談話「有識者懇談会最終報告及び日本学術会議第193回総会を受けて~より良い役割発揮のための改革に向けて」 …

ロシアにおける刑事的弾圧についての分析ウェブサイト

Criminal repression in Russiaというウェブサイトを知りました。 Criminal repression in Russia その自己紹介では、2022年2月以降のロシアのウクライナ侵攻以降、政治弾圧についての直近のデータの把握が難しくなっていると説明されています。そのために、…

ヴァイマル共和国初期の右翼による「暗殺」についての論説紹介

2024年10月29日、ドイツ語圏の反ファシズム情報ウェブサイト Antifaschistisches Infoblatt に、ヴァイマル共和国初期の右翼による政治的暗殺についての論説が掲載されました。少し気になったので、リンクを貼っておきます。 Rechte "Fememorde", in: Antifa…

問いつづける民衆史シリーズ刊行記念のトーク・イベント記録

以下、宣伝です。 2024年10月26日、高円寺「本屋の実験室 本店」で、わたしも関わっている有志舎のシリーズ企画「問いつづける民衆史」の刊行記念トーク・イベントが開催されました。 わたしは同日に開催された国際歴史学関係の国際会議の裏方として走り回っ…

社会民主主義の160年と16人の女性の紹介――フリードリヒ・エーベルト財団より

ドイツ社会民主党系のフリードリヒ=エーベルト財団のウェブサイトに、その党の起源となる1863年の全ドイツ労働者同盟の設立から160年を記念して、16人の社会民主主義活動家の女性を紹介するページを知りました。 16 Frauen–16 Jahrzehnte, in: Friedrich-Eb…

歴史学系学会・研究会の若手研究者問題への取り組み――第32期日本歴史学協会若手研究者問題特別委員会のウェブアンケート報告

今年11月末に、第32期日本歴史学協会若手研究者問題特別委員会のホームページが立ち上がりました。今期も関わっています。 第32期日本歴史学協会若手研究者問題特別委員会 さっそくですが、第31期に行われた歴史学における若手研究者問題への学会・研究会の…

フェミニズムの知をネットワーク化する――i.d.a.とDDFが始めるEUプロジェクト

少し前の記事になりますが、2024年7月2日、デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトに、同団体がドイツ語圏レズビアン・女性文書館・図書館・記録資料館連合 i.d.a.(Dachverband deutschsprachiger Lesben-/Frauenarhive, -bibliotheken und-dokumentat…

ハンブルク州立・大学図書館の「脱X」声明

2024年12月4日、ハンブルク州立・大学図書館(Staats- und Univeresitätsbibliothek Hamburg)のブログで、「脱X(eXit)」声明が公表されました。リンクを貼っておきます。 eXit – Die Stabi Hamburg verlässt X, in: Stabi-Blog, 4. Dezember 2024. 2022年…

「輸出世界チャンピオン」としてのドイツ――L.I.S.A.の近刊書著者インタビュー

少し以前の情報になりますが、2024年7月23日、ゲルダ・ヘンケル財団学術ポータル L.I.S.A. のホームページの近刊書についての著者インタビュー紹介の欄に、ヤン=オトマー・ヘッセ氏へのインタビューが掲載されました。 „Ich würde das als einen deutschen …

グローバル・サウスからの「反植民地的定期刊行物」――ラディカル・ヒストリー・レビューの特集

2024年10月、Radical Histoy Reviewの第150号の特集が公刊されました。グローバル・サウスから出版されてきた反植民地的定期刊行物をテーマにしています。気になりましたので、リンクを貼っておきます。 "Revolutionary Papers: Anticolonial Periodicals fr…

第二次世界大戦後ドイツにおける女性の平和運動――デジタルドイツ女性アーカイブより

2024年8月8日、デジタルドイツ女性アーカイブ(DDF)のホームページに、第二次世界大戦後のドイツ平和運動に取り組んだ女性活動家ゲルダ・ヴェーバー(1923-2021年)が遺した資料を整理するDDFプロジェクトを紹介する記事が掲載されました。 Barbara Krautw…

ナチズムに抵抗した女性についてのウェブサイト――ドイツ抵抗記念館より

以前にこのブログで、ナチズムに抵抗した女性たちについてのウェブサイトを紹介したことがありました。 「ナチズムに抵抗した女性たちについてのウェブサイト」浅田進史研究室/歴史学ブログ、2022年9月23日 こちらは、Antifaschistinnen aus Anstand(良識…

デジタル工場、デジタル労働、デジタル資本主義――International Review of Social History

研究メモです。 アムステルダムの国際社会史研究所が発行する学術誌 International Review of Social History の第69巻第2号(2024年8月)は「デジタル・ファクトリー」特集です。 Review Dossier: The Digital Factory, International Review of Social His…

「近代における移民」特集――Archiv für Sozialgeschichte, Bd. 64(2024)より

社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団が発行する、Archiv für Sozialgeschichte(社会史年報)の第64巻(2024年)の特集は、「近代における移民」です。 Archiv für Sozialgeschichte - Aktuelle Bände 巻頭の序文はオープンアクセスです。 ほかには…

フランツ・ノイマンと『ビヒモス』について――ローザ・ルクセンブルク財団より

2024年10月2日、本だと長すぎて読めない、という人向けに、ローザ・ルクセンブルク財団が左派理論家の古典を解説するポッドキャスト tl;dr("too long, didn't read?")の第42回に、フランツ・ノイマンの『ビヒモス』がアップされました。 tl;dr #42: Franz …

近刊書Feministische Internationaleについて

研究の備忘録です。 2024年10月に、フェミニスト・インターナショナルというタイトルの本がディーツ・ベルリン社から出版されました。 Vincent Streichhahn (Hrsg.), Feministische Internationale: Texte zu Geschlecht, Klasse und Emanzipation 1832-1936…

ドイツ連邦文書館の歴史ギャラリー

これまでドイツ連邦文書館のヴァーチャル展示など紹介してきましたが、「歴史ギャラリー」と題されたウェブページをみつけました。 Geschichtsgalerien, in: Bundesarchiv 直近のテーマは、ナチズムに対する「抵抗の闘士」であり、最初に処刑された女性リー…

テューリンゲンの「運命の年」1924年――ローザ・ルクセンブルク財団より

2024年6月、ローザ・ルクセンブルク財団テューリンゲン局より、"Das Thüringer Schicksalsjahr 1924: Der Rechtsruck in Thürngen damals und heute"(テューリンゲンの運命の年、1924年――テューリンゲンにおける右傾化のかつてと今)というタイトルの論集が…

2024年の第59回リンツ会議「デジタル労働の世界」について

2024年9月26-28日に開催された第59回労働運動史家国際会議、通称リンツ会議のテーマは、「デジタル労働の世界」でした。リンクを貼っておきます。 59th ITH Conference: Worlds of Digital Labour, in: ITH - Internationale Tagung der HistorikerInnen de…

ローテ・ヒルフェ100年――Arbeit - Bewegung - Geschichteより

このブログでは、ドイツ語圏のオンライン学会誌 Arbeit - Bewegung - Geschichte: Zeitschrift für historische Studien(労働=運動=歴史――歴史研究のための雑誌)の特集について、これまでも紹介してきました。 2024年9月に公刊された第23巻第3号は、設立…

ベルリンの記念碑探訪――ベルリン州記念碑保存局のYouTubeチャンネルより

ひと月ほど前に、ベルリン州記念碑保存局のYouTubeチャンネルがアップした、ベルリンのオリンピアシュタディオンの歴史ドキュメンタリーを紹介しました。 「ベルリン・オリンピアシュタディオンの歴史――ベルリン州記念碑保存局のYouTubeチャンネルより」浅田…

ジェンダー公正と労働組合――ハンス=ベックラー財団ウェブサイト「労働組合の歴史」より

これまでもこのブログで、ドイツ社会民主党系のハンス=ベックラー財団ウェブサイト「労働組合の歴史」を取り上げてきました。 今回は、「テーマ(Themen)」のタグにある「ジェンダー公正と労働組合(Gender-Gerechtigkeit und Gewerkschaften)」のページ…

ギーセン大学による博物館収蔵品の植民地来歴調査のための短期講座について

2024年11月4日から8日まで、ギーセン大学が、博物館・美術館などに収蔵されている植民地関係の品々についての来歴調査に関心がある人向けの短期集中講座を提供することを知りました。 2024年6月30日に開催された日本ドイツ学会のシンポジウム「植民地主義、…

1960-1980年代の小児性愛・児童虐待をめぐる議論へのインタビュー記録保存の取り組み――デジタルドイツ女性アーカイブより

2024年6月27日、デジタルドイツ女性アーカイブより、同機関が1年間助成する「沈黙された暴力――当事者保護のための闘い」という研究プロジェクトの紹介が公表されました。 Berti Schallner, Verschwiegene Gewalt: Der Kampf für Betroffenenschutz, in: Digi…

AI技術によるドイツ植民地関係文書の全文検索について――ドイツ連邦文書館プレスリリースより

少し時間が経ってしまいましたが、2024年6月28日にドイツ連邦文書館から発表されたプレスリリースを紹介します。 Kolonialakten dank Künstlicher Intelligenz jetzt vollständig durchsuchbar, in: Bundesarchiv - Internet, 28. Juni 2024. 2021年に始まっ…

ドイツ農村の統治をめぐる近刊書の著者インタビュー――L.I.S.A.より

以前にも、ゲルダ・ヘンケル財団学術ポータル L.I.S.A. のホームページで掲載された近刊書の著者インタビューについて紹介したことがあります。また、少し気になったインタビューがありましたので、ここでリンクを貼ってしておきます。 Georgios Chatzoudis,…

トルコ=ドイツ間の移民史についての近刊書オープンアクセス

研究ノートです。 移民が出身国へと回帰するリターン・マイグレーションの視点を取り入れた、トルコ=ドイツ関係史を分析した研究が、2024年8月に公刊されました。気になりましたので、以下にリンクを貼っておきます。オープンアクセスです。 Michelle Lynn …

新右翼の言説を研究したドイツ語論文集『ファシストの世紀』について

研究ノートです。専門にしているテーマではありませんが、本のタイトルが気になりましたので、メモしておきます。2020年に出版された論文集です。 Friedrich Burschel (Hg.), Das Faschistische Jahrhundert: Neurechte Diskurse zu Abendland, Identität, E…

デジタルドイツ女性アーカイブのオードリー・ロード紹介

2024年2月21日、デジタルドイツ女性アーカイブのホームページの女性活動家紹介欄に、アメリカ合州国の作家・詩人であり、フェミニスト・人権活動家として著名なオードリー・ロードが掲載されました。 Marion Kraft, Audre Lorde, in: Digitales Deutsches Fr…

帝政期から冷戦期にいたるまでのドイツ政治・行政エリートのプロフィールとキャリア形成――オープンアクセスの近刊書

ドイツ連邦文書館のホームページに、帝政期以降のドイツの政治・行政エリート層の社会的プロフィールとキャリア形成の過程について分析した研究書がアップされました。ナチ期にとくに着目しているとのことです。オープンアクセスです。 Sylvia Veit, Politis…