ドイツ史|戦後史・冷戦史・現代史
1998年に設立された「ドイツ社会主義統一党独裁検証のための連邦基金(Bundesstiftung zur Aufarbeitung der SED-Diktatur)」のウェブサイトに東ドイツ時代に契約労働者に関連する特設ページがあることを知りました。こちらにメモしておきます。 Völkerfreu…
2022年6月、ギリシャの外交官であるアリース・ラディオプロス(Aris Radiopoulos)氏が執筆した、第二次世界大戦時のギリシャの被害についての対ドイツ賠償要求を扱った本のドイツ語版が、メトロポール出版社から刊行されました。 Aris Radiopoulos, Die gri…
研究メモです。 ドイツの現代思想系の雑誌『メルクーア』 Merkur の2023年3月号に、「現代史におけるナショナリズム」という論説が掲載されました。オープンアクセスです。 Claudia Gatzka, Nationalismus in der Zeitgeschichte, in: Merkur, 886 (2023), 5…
ブラック・ライブズ・マター運動を背景に、ヨーロッパ在住のアフリカ系の人びとの社会運動の歴史を振り返る試みをよく目にします。 その事例の一つとして、1988年から1990年まで刊行された、『アフレケーテ――アフリカ系ドイツ人および黒人女性のための新聞』…
2023年2月20日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトより、西ドイツ戦後史として、ある農場を営む家族の歴史をたどった本の書評が掲載されました。農業地域における転換を経験した家族の歴史をインタビューをもとに再構成した研究とのことです。ちょっ…
2023年2月15日、『南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)』オンライン版に「司法とナチズム――新たなローブをまとった褐色の法律家」というタイトルの記事が掲載されました。 Ronen Steinke, Justiz und Nationalsozialismus: Braune Juristen in frischen Rob…
ドイツ語圏の現代史オンライン事典ドキュペディア・ツァイトゲシヒテ(Decupedia-Zeitgeschichte)というウェブサイトがあります。 Docupedia-Zeitgeschichte 2022年10月、このウェブサイトに、1989・1990年以降の東ドイツ体制転換についての研究動向をまと…
2023年2月、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「メルン、NSU、ハレ、ハーナウ――右翼テロ、連続性、ドイツの(非)記憶」というタイトルの論説が掲載されました。 Efsun Kızılay, Mölln, NSU, Halle, Hanau, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung, Februar …
2023年2月10日にドイツ語圏の左派系オンライン誌 Jacobin に、生誕125周年を記念して、ベルトルト・ブレヒトがいかに古典となったか、彼の作品をめぐる同時代の評価を論じた記事が掲載されました。 Marc Silberman, Klassiker wider Willen, in: Jacobin, 10…
2023年2月5日にダス・エルステ(Das Erste、第1ドイツ・テレビ)局より放送された、作家マックス・チョレックによる近著『和解劇場』を取り上げた番組が放送されました。 "Versöhnungstheater": Max Czollek über einseitige deutsche Erinnerungskultur, in…
戦後西ドイツと米国のナチズム・ホロコースト研究における亡命経験をもつ歴史家たちに焦点を合わせた研究が、オープンアクセスで公刊されました。以下にダウンロードできるウェブサイトへのリンクを貼っておきます。 Anna Corsten, Unbequeme Erinnerer: Emi…
2023年2月1日、ドイツ語圏の現代史系ウェブサイト、Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に、ドイツの1933年1月30日、つまりヒンデンブルクによってヒトラーが首相に任命されたナチによる権力掌握の日の記憶にかかわる2冊の基本文献を紹介する論説が掲載…
2023年1月31日、ドイツ語圏の雑誌 Arbeit – Bewegung – Geschichte: Zeitschrift für historische Studien(労働-運動-歴史――歴史研究雑誌)より、ベネディクト・ゼップ「プロレタリア・アイデンティティ政治――西ベルリン・ベースグループ、1968-1969年」…
「・・・ドイツ民主共和国は私には約束の地に思えた」というタイトルで、東ドイツにおける移民についての論考を集めた論文集が、2022年3月に出版されました。最近、移民視点の東ドイツをテーマにした本をよく目にします。この本もその一つでしょう。 Carina …
2023年1月、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、『自己防衛運動としての反ファシズム――ポスト・ユーゴスラヴィア空間、ヨーロッパほかにおける今日の反ファシズムの状態についての省察』という本のPDF版がアップされました。フリーアクセスです。 …
2022年11月、権威主義と対抗戦略についての国際研究グループ(International Research Group on Authoritarinism and Counter-Strategies、IRGAC)が、transcript社より『グローバル権威主義――南からの視点と異議申し立て』と題した論文集を刊行しました。オ…
「忘却に反対し、民主主義に賛成する」(Gegen Vergessen – Für Demokratie e. V.)という協会のホームページに、『東ドイツにおける移民社会と移行社会』というタイトルの論集が掲載されました。 Deniss Hanovs/ Dennis Riffel/ Anastasia Sudzilovskaya/ A…
ロシアの人権団体で、おもにソ連時代の人権侵害を記録する活動を行ってきたメモリアル(Memorial)は、2021年12月28日にロシア最高裁の決定によって解散が決まり、翌日、その判決が下されました。そのおよそ一年後、そのメモリアルは、2022年12月10日、オス…
東ドイツ時代から今日までのキューバ=ドイツ関係史を扱った展示が、ブレーマーハーフェンにある博物館「ドイツ移民の家(Deutsches Auswandererhaus)」で開催されています(2023年2月28日まで)。 „… bisschen anders, aber genauso.“ Kubanisch-deutsche …
ドイツ連邦政治教育センターが発行する雑誌 Aus Politik und Zeitgeschichte(APuZ、政治と現代史から)の2022年12月号の特集は、「1990年代における右翼の暴力」です。無料でPDF版がダウンロードできます。 Rechte Gewalt in den 1990er Jahren, in: Aus Po…
2022年11月9日、デジタルドイツ女性アーカイブに、「東フェミニズムは存在するか」というタイトルの記事が掲載されました。 Gibt es einen Ostfeminismus? in: Digitales Deutsches Frauenarchiv, 9. November 2022. リード文を紹介します。 1989年11月9日、…
歴史研究者・歴史研究機関のポッドキャスト番組を知る機会が多くなりました。 今回は、ポツダム現代史研究所ライプニッツ・センター(ZZF、Leibniz-Zentrum für Zeithistorische Forschung Potsdam)が提供するポッドキャスト番組を紹介します。 まずリンク…
2022年11月2日、ドイツのラジオ放送、ドイチュラントフンク(Deutschlandfunk)のウェブサイトに、「1949年後の西ドイツ・エリート官僚――どのように元ナチと協力者が新国家を建設したか」というタイトルのプログラムを放送しました。 Maximilian Brose, West…
2022年10月、ベルリナーレの創設以来のディレクター、アルフレート・バウアーのナチズムの過去を調査していた、ミュンヒェン=ベルリン現代史研究所の委託研究の結果が公表されました。研究所の紹介ページへのリンクは以下の通りです。 Schaufenster im Kalt…
2022年をもって、ドイツ連邦共和国の諜報機関である連邦情報局の1968年までの歴史を分析してきた連邦情報局歴史家委員会の事業として、最後の刊行物が出版されたとの報道がありました。2022年11月26日のフランクフルター・アルゲマイネ紙オンライン版に掲載…
研究ノートです。 ドイツ語圏の書評サイト sehepunkte に『東欧の癒えない傷――第二次世界大戦の記憶の場への旅』という本の書評が掲載されました。 Offene Wunden Osteuropas, in: Sehepunkte, 22: 11 (2022), rezensiert von Bert Hoppe. 2022年に刊行され…
2022年11月9日、ライプツィヒ権威主義研究の2022年版が、ハインリヒ・ベル財団のウェブサイトに掲載されました。 Leipziger Autoritarismus-Studie 2022, in: Heinrich-Böll-Stiftung PDF版が自由にダウンロードできます。テーマは「不確かな時代における権…
ドイツにリット出版社(Lit Verlag)という学術向け出版社があります。今年、その出版社から、『ドイツ民主共和国におけるアフリカ民族会議(ANC)のメンバーの亡命――冷戦期における連帯をめぐるトランスナショナルな交差の歴史』というタイトルの本が刊行さ…
2022年10月6日より、ドイツで上映開始された In einem Land, das es nicht mehr gibt(もう存在しないある国で)の紹介記事が、デジタルドイツ女性アーカイブに掲載されました。 Subkultur & Modeszene: Untypische DDR-Bilder auf großer Kinoleinwand, in:…
2022年は「ナチズムの不正の補償」のための国際協定、いわゆる「ルクセンブルク協定」の調印から70周年ということで、ドイツ連邦文書館がヴァーチャル展示を開催しています。 背景説明によれば、ルクセンブルク協定は、1952年9月10日に、ユダヤ系のナチ迫害…