浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

歴史博物館関係

ハンブルク、1923年――ハンブルク歴史博物館展示について

ハンブルク歴史博物館(Museum für Hamburgische Geschichte)では、1923年に焦点を当てたハンブルクの歴史についての一連の展示シリーズが開催されています。 2023年9月20日から2024年1月7日までは、「脅かされた都市(Die Bedrohte Stadt)」というタイト…

博物館の脱植民地化についてのドイツ語近刊紹介――sehepunkteより

ドイツ語圏の歴史学系オンライン書評誌 sehepunkte(視点の意)に、ブリュッケ博物館、ドイツ技術博物館、ベルリン市博物館が編集した、Das Museum dekolonisieren? という論文集の書評が掲載されました。 Tanja-Bianca Schmidt, Rezension von: Das Museum …

ドイツ歴史博物館展示「約束としての進歩――分断ドイツにおける産業写真」について――ヴィジュアル・ヒストリーより

専門テーマであるドイツ植民地主義関連の論考でも、図像史的アプローチを採る研究を目にしたことがありますが、「ヴィジュアル・ヒストリー」というドイツ語圏のウェブサイトを知りました。 Visual History | Visual-History Online-Nachschlagewerk für die…

ドイツにおける文化財施設デジタル化プロジェクト向け法律入門――オープンアクセス

デジタルドイツ女性アーカイブが編纂した、パウル・クリンペル著『始動――ドイツにおける文化財施設デジタル化プロジェクト向け法律入門』という冊子がオープンアクセスになっています。同書は2022年11月に出版され、2023年に一部改訂されました。 Paul Klimp…

クルト・アイスナーについてのあれこれ

2023年2月末にバイエルン州立図書館での資料収集のために、ミュンヒェンへ行ってきました。 その週末にミュンヒェン市博物館を訪問したところ、クルト・アイスナー(Kurt Eisner)にまつわる展示も見つけました。同博物館では、生誕150周年にあたる2017年に…

テクストのなかのバウハウス

「テクストのなかのバウハウス(Bauhaus im Text)」というウェブサイトにたどり着きました。バウハウスの遺産として建築物や日用品、工芸品だけではなく、膨大なテクストがあり、それは「近代の学校」としてのバウハウスの根幹となる特徴の一つだと、このウ…

ドイツ史学習のためのオンライン・ポータルサイトLeMOと「植民地政策」

ドイツ史学習のためのオンライン・ポータルサイト、LeMO、すなわち「生きている博物館オンライン(Lebendiges Museum Online)」は、ドイツ歴史博物館や「ドイツ歴史の家」財団、ドイツ連邦文書館による共同プロジェクトです。便利なので講義準備の際に、よ…

ロシア人権団体メモリアルへの連帯の動きについて――ドイツ連邦政治教育センターへの投稿論説

ロシアの人権団体で、おもにソ連時代の人権侵害を記録する活動を行ってきたメモリアル(Memorial)は、2021年12月28日にロシア最高裁の決定によって解散が決まり、翌日、その判決が下されました。そのおよそ一年後、そのメモリアルは、2022年12月10日、オス…

ブレーマーハーフェンの「ドイツ移民の家」博物館とキューバ=ドイツ関係史特別展

東ドイツ時代から今日までのキューバ=ドイツ関係史を扱った展示が、ブレーマーハーフェンにある博物館「ドイツ移民の家(Deutsches Auswandererhaus)」で開催されています(2023年2月28日まで)。 „… bisschen anders, aber genauso.“ Kubanisch-deutsche …

ノイエンガメ強制収容所記念館の新しいオンライン展示

2022年11月30日、ハンブルク近郊にある、ナチのホロコーストを追悼・記録・検証するノイエンガメ強制収容所記念館が新しいオンライン展示の公開を告知しました。 Neue Online-Ausstellung #WaswillstDutun? 紹介文を要約します。 このオンライン展示は、反ユ…

プレッツェンゼー記念館のオンライン死亡者名簿について

ひと月ほど前に、プレッツェンゼー記念館(Gedenkstätte Plötzensee)のオンライン死亡者名簿 Totenbuch を知りました。この名簿について解説したページへのリンクを貼っておきます。もちろん名簿へのリンクがあります。 Die Totenbuch von Plötzensee 1933…

ヴァイマル共和国についての10の映像――デジタルメディア展示プロジェクトmusealisより

「新しい時代には新しい語り方が必要だ」と謳う、デジタル資料でのオンライン展示に取り組む、MUSEALIS というウェブサイトを知りました。 MUSEALIS そのプロジェクトをチェックしますと、色々なデジタル資料を見ることができます。そのうちの一つ、「ヴァイ…

フライブルクと植民地主義――アウグスティン博物館の展示について

2022年6月25日から2023年6月11日まで、フライブルクのアウグスティン博物館(Augustinermuseum)で「フライブルクと植民地主義――昨日?今日!(Freiburg und Kolonialismus: Gestern? Heute!)」が開催されていることを知りました。 フライブルクの美術館・…

ベルリンの占領博物館計画をめぐって――taz紙より

2022年7月26日、taz紙より「ベルリン占領博物館――自己満足、視野を狭める」と題した記事が掲載されました。 Stephan Lehnstaedt, Besatzungsmuseum in Berlin: Selbstzufrieden, den Blick verengt, in: taz, 26. Juli 2022. リード文では、ドイツ歴史博物館…

ストライキ!――ハンブルク労働博物館企画展について

ハンブルクに労働博物館(Museum der Arbeit)がありまして、2022年5月21日から10月3日まで、「ストライキ!――労働闘争の写真史」と題した企画展が開催されています。 Streik! Fotogeschichten von Arbeitskämpfen, in: Museum der Arbeit 展示されている写…

ドイツ表現主義と植民地主義――ローザ・ルクセンブルク財団より

2021年11月22日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、ドイツ表現主義と植民地主義の関連を問う論文集を紹介する記事が掲載されました。リンク先はこちらです。 Aagesen (Hrsg.): Kirchner und Nolde. Expressionismus Kolonialismus; 2021, in: Ro…

Memoria, 48(09/2021)――アムステルダムのホロコースト・ネーム・モニュメントより

メモです。 オランダのアムステルダムにあるホロコースト・ネーム・モニュメントが発行する機関誌 MEMORIA が公開されています。 Memoria, No. 48 (09/2021) 内容は以下の通りです。 KL Plaszow. An Interview about the New Space of Memory in Cracow Holo…

フンボルト・フォーラムへの反植民地主義的批判――taz紙より

2021年9月20日、タッツ(taz)紙に「フンボルト・フォーラム――そしてそれ〔プロイセン文化財団〕はさらに漕いでさかのぼる」という記事が掲載されました。 Susanne Messmer, Humboldt Forum: Und sie rudern weiter zurück, in: taz.de, 20. September 2021.…

SYNAGOGA――ホロコースト後の最初の大きなユダヤ教・芸術展覧会カタログのデジタル化

ベルリンのユダヤ博物館(Jüdisches Museum Berlin)のウェブサイトに、1961年にノルトライン=ヴェストファーレン州のレクリングハウゼン(Recklinghausen)で開催された、ホロコースト後の最初の大きなユダヤ教・ユダヤ芸術展覧会のカタログがデジタル化さ…

「ブランデンブルクの森のなかのカール=マルクス=アレー」――ローザ・ルクセンブルク財団より

2021年9月8日、ローザ・ルクセンブルク財団に「ブランデンブルクの森のカール=マルクス=アレー」という論説が掲載されました。 Irmgard Zündorf/ Dr. Jürgen Danyel: Die Karl-Marx-Allee im Brandenburger Wald, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung, 8. Septemb…

1920年の対抗革命、中部ドイツにおけるカップ=リュトヴィッツ一揆――イエナ市立博物館より

以前にこのブログで、第一次世界大戦直後に起きた、反ヴァイマル共和国勢力による軍事クーデタ、カップ=リュトヴィッツ一揆についてのドイツ連邦文書館ヴァーチャル展示を紹介しました。 「カップ=リュトヴィッツ一揆、1920年――ドイツ連邦文書館ヴァーチャ…

ルール博物館特別展「わたしたちはここから――トルコ=ドイツ生活、1990年」

ドイツのルール博物館(Ruhr Museum)で、2021年10月31日まで、1961年に締結された西ドイツ・トルコ間二国間協定(労働者募集協定)60周年を機に、写真展が開催されています。 Foto-Ausstellung: Wir sind von hier. Ergun Çağatay | Ruhr Museum 展示された…

ドイツほか歴史博物館のなかの「社会的市民権」展示について

ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトで、2021年6月14日に、ヴォルフガング・イエーガー『博物館における社会的市民権――9つの文化史博物館における社会的民主主義の表象』(2020年)の書評が掲載されました。 Wolfgang Jäger, Die Repräsentation soziale…

マウトハウゼン強制収容所記念館ウェブサイトについて

オーストリアで建設されたナチ強制収容所の中心施設であったマウトハウゼン強制収容所。その記念館ウェブサイトのリンク先を貼っておきます。 Mauthausen KZ-Gedenkstätte ”Wissen” には、この収容所の歴史、副施設、証言者、強制収容所記念館の歴史、収集物…

フリッツ・バウアー特別展――「テロのトポグラフィー」より

ナチズムによるホロコーストの犠牲者を追悼する祈念施設・野外博物館「テロのトポグラフィー」がベルリン国会議事堂の近くにあります。すでに多くの方が知っていると思います。 2021年5月22日から10月17日まで、同館でフリッツ・バウアー特別展が開催されて…

新型コロナ感染症を記録する風刺画、ポスター、モノなど――ドイツ歴史博物館ブログより

ドイツ歴史博物館(Deutsches Historisches Museum)のブログでは、新型コロナ感染症の世界的流行をテーマとする Pandemie のカテゴリーがあります。 Pandemie – Deutsches Historisches Museum: Blog いまのところ5つの記事が投稿されています。 Zeugnisse …

フンボルト・フォーラムとベニン・ブロンズ返還問題

2021年3月22日、『南ドイツ新聞』(Süddeutsche Zeitung)オンライン版に、フンボルト・フォーラムがベルリン民族学博物館からベニン・ブロンズとして知られる銅像・レリーフの返還について、9月までに決定されるという記事が掲載されました。 Benin-Bronzen…

「抗議と民主主義」――ボンの歴史館YouTube動画の紹介

ボンにあるドイツ連邦共和国歴史館(Haus der Geschichte der Bundesrepublik Deutschland)のYouTubeチャンネルに「抗議と民主主義(Protest und Demokratie)」と題された短い動画(2分32秒)がアップされました。2020年12月1日のことです。 Protest und D…

ポルトのホロコースト博物館について

2021年2月9日、Jewish Heritage Europe というウェブサイトに、ポルトガルのポルトでイベリア半島初のホロコースト博物館が開館したという記事が掲載されました。 Portugal: Holocaust Museum in Porto has opened, the first on the Iberian peninsula, in …

ケルン市ナチ資料センターを仮想訪問してみました

4月ですね。講義・ゼミの資料を探す季節です。 ケルン市ナチ資料センターのウェブサイトで、同館の展示がヴァーチャル見学できることを知りました。以下は同サイトのトップページのリンク先です。 NS-Dokumentationszentrum der Stadt Köln トップページの左…