浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ史|移民史

ドイツの右翼テロとその連続性、(非)記憶について――ローザ・ルクセンブルク財団より

2023年2月、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「メルン、NSU、ハレ、ハーナウ――右翼テロ、連続性、ドイツの(非)記憶」というタイトルの論説が掲載されました。 Efsun Kızılay, Mölln, NSU, Halle, Hanau, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung, Februar …

東ドイツにおける移民経験を焦点にあてた論集について

「・・・ドイツ民主共和国は私には約束の地に思えた」というタイトルで、東ドイツにおける移民についての論考を集めた論文集が、2022年3月に出版されました。最近、移民視点の東ドイツをテーマにした本をよく目にします。この本もその一つでしょう。 Carina …

移行期の東ドイツ社会と移民についてのインタビュー論集

「忘却に反対し、民主主義に賛成する」(Gegen Vergessen – Für Demokratie e. V.)という協会のホームページに、『東ドイツにおける移民社会と移行社会』というタイトルの論集が掲載されました。 Deniss Hanovs/ Dennis Riffel/ Anastasia Sudzilovskaya/ A…

ブレーマーハーフェンの「ドイツ移民の家」博物館とキューバ=ドイツ関係史特別展

東ドイツ時代から今日までのキューバ=ドイツ関係史を扱った展示が、ブレーマーハーフェンにある博物館「ドイツ移民の家(Deutsches Auswandererhaus)」で開催されています(2023年2月28日まで)。 „… bisschen anders, aber genauso.“ Kubanisch-deutsche …

移民史視点の1970・80年代西ドイツ労働運動について

研究メモです。 このブログでも、移民史の視点から第二次世界大戦後のドイツ連邦共和国における労働運動・労働組合・ストライキが移民史の視点から問われるようになってきたことを紹介してきました。*1 また関連書籍を目にしましたので、ここにリンクを貼っ…

1992年ロストック=リヒテンハーゲンでのポグロムについて

1992年8月、ロストック=リヒテンハーゲンで起きた大規模なポグロム、人種差別的な排斥運動・暴動から30年目ということで、当事者の経験を回顧するインターネットラジオ放送や論説を紹介します。 まず、Radio Dreyeckland というインターネットラジオ放送か…

カタリーナ・オグントイェさんについて

備忘録です。 2022年5月30日、歴史家・活動家・著述家カタリーナ・オグントイェさんが、ドイツにおけるアフリカ人およびアフリカ系ドイツ人の平等と文化間交流への参加のために長年にわたって尽力し、人種主義、性差別主義、同性愛差別主義に対峙してきたこ…

ドイツ・テューリンゲン州の植民地主義的過去への取り組み

今回は、ドイツのテューリンゲン州における植民地主義的過去についての取り組みを紹介します。 Koloniales Erbe in Thüringen. Wissenschaftliche Koordinationsstelle Erfurt/Jena. 直訳すれば「テューリンゲンにおける植民地遺産――エアフルト/イェナ学術…

ハンブルク現代史研究所の動画チャンネル

最近、vimeo というインターネットサービスを使って、ドイツ語圏の歴史系の動画がアップされていることに気づきました。 たとえば、ハンブルク現代史研究所(Forschungsstelle für Zeitgeschichte in Hamburg, FZH)は、このコロナ危機以降、チャンネルを開…

2022年のドイツ労働史協会博士論文賞――1950-75年トリノとミュンヒェンにおけるイタリア系労働移民

2022年3月3日に、ドイツ労働史協会(German Labor History Association)の会員総会が開催され、そこで2022年同会博士論文賞が授与されました。出版された受賞作はこちらです。 Olga Sparschuh, Fremde Heimat, fremde Ferne. Italienische Arbeitsmigration…

2021年のリンツ会議(労働運動史家国際会議)「世界の移民」について

2021年9月23日から25日にかけて、第56回労働運動史家国際会議(Internationale Tagung der HistorikerInnen der Arbeiter- und anderer sozialer Bewegungen)がリンツで開催されました。毎年、オーストリアのリンツで開催されるので、リンツ会議と呼ばれま…

「想起/抵抗/団結」――ザクセン州ホイエルスヴェルダ市での排外主義的暴行事件から30年

1991年9月17日から23日にかけて、ザクセンの小さな都市ホイエルスヴェルダ(Hoyerswerda)で、契約労働者居住施設および難民宿泊施設への人種主義的な暴行事件が起こりました。それからちょうど30年が経ち、ベルリン州政治教育センターが「想起/抵抗/団結…

「排除された者たちの同盟か」――『他者たちの社会』の著者へのインタビュー記事

2021年5月、ウェブサイト「ルクセンブルク――社会分析と左翼の実践(Luxemburg. Gesellschaftsanalyse und linke Praxis)」に、ヤナ・ヘンゼル(Jana Hensel)と共著で『他者たちの社会(Die Gesellschaft der Anderen)』(2020年)を刊行した、ナイカ・フ…

ルール博物館特別展「わたしたちはここから――トルコ=ドイツ生活、1990年」

ドイツのルール博物館(Ruhr Museum)で、2021年10月31日まで、1961年に締結された西ドイツ・トルコ間二国間協定(労働者募集協定)60周年を機に、写真展が開催されています。 Foto-Ausstellung: Wir sind von hier. Ergun Çağatay | Ruhr Museum 展示された…

アフリカ系ドイツ人の短編歴史ドキュメンタリー紹介記事――西部ドイツ放送より

2021年6月4日、西部ドイツ放送(Westdeutscher Rundfunk, WDR)のウェブサイトに「黒人でありドイツ人――アフリカ系ドイツ人の歴史」と題された記事が掲載されました。 Emily Thomey, "Schwarz und Deutsch" – Die Geschichte der Afrodeutschen, in: WDR, 4.…

「移民としてのマルクス」――MARX 200より

いまさらですが、2018年はマルクス生誕200周年ということで、日本でも映画を始め記憶に新しいかと思います。 その生誕200周年を記念した、MARX 200 というウェブサイトを知りました。リンクを貼っておきます。 MARX 200 「移民としてのマルクス」をテーマに…

トルコからの「ガストアルバイター」女性について――Deutschlandfunk Kulturより

2021年4月12日、「ドイチュラントフンク(Deutschlandfunk)」というドイツのラジオ放送局のウェブサイトに、「故郷と郷愁のはざまで」というタイトルで、トルコからの出稼ぎ労働者(ガストアルバイター)の女性に焦点をあてた記事が掲載されました。 Luise …

ドイツ民主共和国における元モザンビーク出身契約労働者への補償を求める公開書簡について

2021年4月13日、ドイツの歴史系ウェブサイトに、ドイツ民主共和国時代に二国間協定によって就労したモザンビーク出身契約労働者に対する補償支払いを、ドイツ連邦政府に求める公開書簡が掲載されました。2つのサイトを見つけましたので、それぞれリンクを貼…

フランクフルトの住宅占拠闘争(1970ー1974年)について

Frankfurter Archiv der Revolte(フランクフルト反乱文書館)という文書館を知りました。運営団体は2019年5月に設立されたとのことです。ウェブサイトへのリンクを貼っておきます。 Frankfurter Archiv der Revolte その文書館が2020年秋にフランクフルト大…

歴史雑誌『労働-運動-歴史』の特集「労働者と他者」より

Arbeit-Bewegung-Geschichte(労働-運動-歴史)という労働史を専門とするドイツ語の学術雑誌があります。その2021年第1号の特集が、「労働者と他者」です。目次はこちらからどうぞ。 20. Jahrgang - Heft 2021/I | Arbeit – Bewegung – Geschichte: Zeit…

ラインラント=プファルツ州文書館のバーチャル閲覧室について

2021年1月22日、ラインラント=プファルツ州文書館がヴァーチャル閲覧室を開室したという知らせを目にしました。以下、そのお知らせのリンク先です。 Landesarchivverwaltung Rheinland-Pfalz | Eröffnung Lesesaal APERTUS, 22. Januar 2021. 記者会見映像…

ドイツ移民関係資料センター兼博物館とTheodor Wonja Michaelについて

ケルンにドイツ移民関係史資料センター兼博物館があることをはじめて知りました。以下にホームページへのリンクを貼っておきます。 DOMiD e.V. – Dokumentationszentrum und Museum über die Migration in Deutschland そのサイトに、Theodor Wonja Michael…

写真集『ドイツ民主共和国のなかのシンティ――マイノリティの日常』(2020年)――Der Freitag紙の書評より

2020年10月、東ドイツ時代のシンティをテーマにした写真集が出版されました。タイトルを訳せば、「ドイツ民主共和国のなかのシンティ――マイノリティの日常」になります。 Markus Hawlik-Abramowitz/ Simone Trieder, Sinti in der DDR. Alltag einer Minderh…

東ドイツ女性からみた東西ドイツ統一30年――デジタル・ドイツ女性アーカイブ討論企画

2020年9月21日、デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトに東西ドイツ統一30年討論会の案内が掲載され、30日以降、録画映像も追加されました。 この討論会の説明文には、東西ドイツ統一30年を経ても、体制転換と移行についての語りに、東ドイツのフェミ…

戦後ドイツの移民たちの自己組織化について――ローザ・ルクセンブルク財団より

2020年9月のことですが、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに「移民の長征――戦後ドイツにおける移民自己組織化の開始」というタイトルの冊子PDFがアップされました。 紹介ページへのリンクはこちらです。 Albert Scharenberg (2020) Der lange Marsch …

移民女性の視点からドイツ再統一を再考する――1992年ロストック=リヒテンハーゲンでの人種主義的暴動について

デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトに「見境のない嫌悪」と題したレポートがアップされました。 Eine Kooperation von DaMigra und DDF (2020), Grenzenloses Unbehagen, in: Digitales Deutsches Frauenarchiv このレポートは、1992年8月22日に始…

現代ドイツにおける移民の権利向上に向けた多様な取り組み――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

現代移民問題への社会的な関心が高まっていますが、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに次のような論説が掲載されました。 Jonas Engelmann, »Diese Schrift ist eine Kampfhandlung«. in Rosa Luxemburg Stiftung, 2020. この論説では、日常的な人…

1970年代西ドイツにおける移民と労働闘争――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2020年8月、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、1970年代西ドイツにおける移民労働者とその闘争に関する論説が掲載されました。 Efsun Kızılay, Migration und Arbeitskämpfe: Ein Blick zurück in die Zeit der «Gastarbeiter*innen» und ihre Kä…

女性移民およびアフリカ系ディアスポラからみたドイツ再統一――デジタルドイツ女性アーカイブより

また、今回も東西ドイツ統一30周年企画に関する記事の紹介です。 デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトで、女性移民およびアフリカ系ディアスポラからみたドイツ再統一についての討論会記事が掲載されました。リンク先はこちらになります。 Eine Koop…

1972年BMW工場でのイタリア人労働者によるストライキについて

2020年7月11日、Abendzeitung紙のウェブサイトに、1972年にBMW工場でのイタリア人労働者ストライキを研究したジーモン・ゲーケ(Simon Goeke)さんへのインタビュー記事が掲載されました。 リンク先はこちらになります。 Der BMW-Streik, von dem kaum jeman…