浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

思想史

反ユダヤ主義についての教材リーフレット――ローザ・ルクセンブルク財団より

2023年8月にローザ・ルクセンブルク財団より刊行された『反ユダヤ主義を定義する?――政治教育事業のための助言』というタイトルの冊子を知りました。 Rosa-Luxemburg-Stiftung (Hg.), Antisemitismus definieren? Berlin 2023. 2年ほどの間、反ユダヤ主義研…

21世紀のグローバルな記憶を議論するドイツ語新刊書について

研究メモです。 2023年10月に、21世紀におけるグローバルな記憶文化を議論する新刊書が出ました。出版社のウェブサイトからの紹介ページをリンクしておきます。 Mirjam Zadoff: Gewalt und Gedächtnis. Globale Erinnerung im 21. Jahrhundert, München: Han…

左翼、近東紛争、反ユダヤ主義についての解説付き文献目録――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2014年にローザ・ルクセンブルク財団の 「分析(Analysen)」 シリーズの一冊として、ペーター・ウルリヒさんによる『左翼、近東紛争、反ユダヤ主義――一つの論争を通じた道案内』という解説つき文献目録の第3版が公刊されました。オンライン版のみでオープン…

ジェンダーと革命――2023年10月19日開催の討論動画より

2023年10月18-20日、ベルリンで "1923. Sattelzeit der Revolution – Umbrüche in Politik, Kultur und radikaler Gesellschaftskritik"(1923年――革命のはざま期 政治・文化・急進的社会批判における諸転換)という会議が開催されました。その企画の一部と…

アントニオ・ネグリ――ローザ・ルクセンブルク財団のYouTubeチャンネルより

日本でも『〈帝国〉』や『マルティチュード』の翻訳書で知られる、2023年12月15日にアントニオ・ネグリさんが逝去されたとの報道に触れました。大学院生のときに『〈帝国〉』をゼミで発表した記憶があります。 ローザ・ルクセンブルク財団のSNSで、同財団のY…

L!NXが提供する経済理論入門

これまでもローザ・ルクセンブルク財団系列のデジタル教育プラットフォーム、L!NXが提供するウェブ・コンテンツを紹介してきましたが、2022年11月に公開された「経済理論入門」のページを見つけましたので、リンクを貼っておきます。 Einführung Wirtschafts…

世界人権宣言75周年を記念したローザ・ルクセンブルク財団特集サイトについて

2024年になってしまいましたが、2023年は世界人権宣言75周年でした。1948年12月10日に国際連合総会で採択された、この宣言について、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトでは、その意義について考える特集が組まれています。リンクはこちらです。 75 J…

革命的シンボルとしての赤旗の起源――ヘレ・パンケによるYouTube講演会

2023年6月15日、ベルリンの左派団体ヘレ・パンケ(Helle Panke)のYouTubeチャンネルで、「革命的シンボルとしての赤旗の起源」という題目の講演が放送されました。リンクを貼っておきます。 Die Ursprünge der roten Fahne als revolutionäres Symbol. Vort…

Radical Online Collections and Archivesのサイトについて

以前にこのブログで、ラディカル・オンライン・コレクション&アーカイヴズという急進左派のオンライン史料リンク集を紹介したことがあります。 「Radical Online Collections and Archivs について――New Historical Expressより」浅田進史研究室/歴史学ブ…

オーストリア左翼の概説書について――sehepunkteより

ドイツ語圏の歴史学系書評ウェブサイト sehepunkte(視点・観点の意)の第23巻第9号(2023年)に、オーストリア左翼の歴史についての概説書の書評が掲載されました。 Robert Foltin: Die Linke in Österreich, in: Sehepunkte, 23: 9 (2023), rezensiert von…

労働運動のなかのユダヤ系の人びと――フリードリヒ・エーベルト財団より

ドイツ社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団は『社会民主主義アルヒーフ(Archiv der sozialen Demokratie)』という雑誌を発行していますが、同誌からの論文選集第18冊、『労働運動のなかのユダヤ系の人びと――人物像・議論・動機』が、2023年にオー…

ホブズボームの論考 The Historians' Group of the Communist Party のオンライン公開――Verso社より

Verso社のウェブサイトに、エリック・ホブズボームが1978年に出版された論文集 Rebels and Their Causes: Essays in Honour of A. L. Morton に寄稿した論文が初めてオンライン公開されました。 以下にリンクを貼っておきます。 Eric Hobsbawm, "The Histori…

#Westsplainingと#Eastsplaining――現在の歴史より

2023年5月28日、ドイツ語圏の現代史オンライン・ウェブサイト Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に、#Westsplaining und #Eastsplainingというタイトルの論説が掲載されました。 Sylvia Sasse, #Westsplaining und #Eastsplaining, in: Geschichte der…

グリゴリス・ランブラキスについて――ローザ・ルクセンブルク財団より

ギリシャ現代史に関心がありまして、2023年5月25日、ローザ・ルクセンブルク財団ホームページに、グリゴリス・ランブラキス(1912-1963年)の足跡をたどる論説が掲載されましたので、リンクを貼っておきます。 Evi Gkotzaridis, "When Feelings Precede Tho…

スパルタクス団共同設立者ケーテ&ヘルマン・ドゥンクラー書簡集

ローザ・ルクセンブルク財団SNSより、2016年に刊行された、スパルタクス団共同設立者ケーテ・ドゥンクラーとヘルマン・ドゥンクラーの二人の書簡集の紹介を目にしました。出版社の紹介ページへのリンクを貼っておきます。 Heinz Deutschland (Hrsg.), Käte u…

急進主義ポスター・コレクションのデジタル化について――Hyperallergicより

かなり前のことですが、2015年にオンライン・アート誌 Hyperallergic で、2000点を超える米国の急進主義的なポスターを収集したミシガン大学ジョゼフ・A・ラバディ・コレクションがデジタル化されたという記事が掲載されたことを知りました。 Allison Meier,…

革命の勝利と西欧マルクス主義について――ak紙より

2023年5月16日、ドイツ語圏の左派系オンライン紙 ak(analyse & kritik: Zeitung für linke Debatte & Praxis)に、「どのように革命は勝利できるのか」という論説が掲載されました。 Johannes Tesfal, Wie kann die Revolution siegen, in: analyse & kriti…

ドイツの新右翼研究――デュイスブルク言語社会研究所より

2023年4月に、デュイスブルク言語・社会研究所が刊行する雑誌 DISS-Journal の別冊6号として、「メタ政治と世界観――経済・社会政策問題についての新右翼の概念と議論」というプロジェクト報告書が公刊されました。PDFでダウンロードできます。 Helmut Keller…

ラナジット・グハについて――Tagebuchより

ウィーンで刊行されている左派系評論誌『ターゲブーフ(Tagebuch、日記・日誌の意)』のホームページにあるブログ欄に、「サバルタンと歴史の解放」というタイトルの記事が掲載されました。 Jens Kastner, Subalterne und die Befreiung der Geschichte, in:…

ドイツの右翼ネットワークについて――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2023年4月21日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「右翼ネットワーク――民主主義の危険か」というタイトルの論説が掲載されました。リンクはこちらです。 Martina Renner/ AnikaTaschke, Rechte Netzwerke: Gefahr für die Demokratie? in: Rosa-L…

カール・ディーツ出版社が語る『マルクス=エンゲルス著作集』改訂の苦労と新たな知見の獲得――nd紙より

2023年4月21日、ドイツ語圏の左派系メディア nd 紙に、「マルクス=エンゲルス著作集――責任のない読み物ではない」という趣旨のインタビュー記事が掲載されました。インタビューに答えている人は、マルクス=エンゲルス著作集(MEW)を改訂しているカール・…

カール・コルシュ(1886-1961年)について

2023年4月19日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、ブックミラー編『マルクス主義の刷新――カール・コルシュ(1886-1961年)』という本の紹介が掲載されました。 Sebastian Klauke, Buckmiller (Hrsg.): Die Erneuerung des Marxismus. Karl Korsch…

右翼に対抗する研究――テュービンゲン大学における極右研究所の設置についてのインタビュー記事

2023年4月14日、ドイツの左派系メディア、nd 紙に、「極右研究所――右翼に抗する研究」という論説が掲載されました。テュービンゲン大学に新しい研究所が設置されるとのことで、その設置申請を作成した一人、メディア学を専攻するターニャ・トーマスさんへイ…

Sozial.Geschichte Onlineのジャック・ランシエール特集

2023年5月にインターネット公開された、Sozial.Geschichte Online(社会史オンライン)の第35号は、ジャック・ランシエール特集です。1975年から1980年の間に発表された論考を扱うものです。それらは1981年に発表された博士論文『プロレタリアの夜』へと発展…

スターリン主義の歴史的検証の現況についての討論会YouTube動画――ローザ・ルクセンブルク財団

ベルリンの左派系の団体ヘレ・パンケ=ローザ・ルクセンブルク財団("Helle Panke"e.V.-Rosa-Luxemburg-Stiftung)のウェブサイトに、2023年4月17日に開催された討論会「今日の共産主義研究――スターリン主義検証の現状について(Kommunismusforschung heute.…

フランクフルト社会研究所創設100周年に寄せたフランクフルト学派を振り返る記事

2023年3月30日、ドイツの左派系ジャーナル『ジャコバン』(Jacobin)誌に「階級闘争から文明批判へ(Vom Klassenkampf zur Zivilisationskritik)」という記事が掲載されました。こちらは、フランクフルト・アム・マインにあるフランクフルト社会研究所(Ins…

ドイツ連邦文書館が所蔵するカール・マルクスおよびフリードリヒ・エンゲルス関連資料についてのヴァーチャル展示

ドイツ連邦文書館ウェブサイトで、同館所蔵のドイツ民主共和国時代の政党・大衆組織関連文書から、カール・マルクスおよびフリードリヒ・エンゲルス関連史料を紹介するヴァーチャル展示があることを知りました。 Sammlung zu Karl Marx und Friedrich Engels…

第5回ヘルマン・ヴェーバー会議とウェブサイト「民主主義の隠された声」

2023年3月15日から17日にかけて、ベルリンのフリードリヒ・エーベルト財団の会議場で、共産主義の歴史研究をテーマとした、第5回目のヘルマン・ヴェーバー会議が開催されました。 この第5回会議の詳細は、「民主主義の隠された声――1945年以降の西ヨーロッパ…

バウハウスと戦間期左派学生運動――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

バウハウスの歴史を扱った論説を、たびたび目にしますが、今度は社会主義をタイトルに掲げた書評を紹介します。 Bernd Hüttner, Sozialismus am Bauhaus, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung, 21. März 2023. これは近著の2冊を取り上げたもので、1920年代末・1930…

ローザ・ルクセンブルクを支えた社会主義者マティルデ・ヤーコプ――WDRより

2023年3月8日、WDR(Westdeutscher Rundfunk、西部ドイツ放送)のウェブサイトより、「社会主義者マティルデ・ヤーコプ(Mathilde Jacob, Sozialistin)」というポッドキャスト番組が配信されました。 Mathilde Jacob, Sozialistin (Geburtstag, 08.03.1873)…