浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2020年度歴研大会特設部会準備ノート(7)――現代史研・東欧史研・近現研共催「西洋史若手研究者問題を考える」(2014年)の振り返り

はじめに 1 当日のプログラム 2 立場別報告書の論点整理 3 コメントの振り返り (1)上村コメントについて 「史学」大学院生数と志願者数の推移 所感――とくにキャリアパスについて (2)辻コメントについて いま、「若手研究者問題」を考えるということ アン…

ホロコースト研究オンライン講座――EHRI(欧州ホロコースト研究基盤)より

EHRI(European Holocaust Research Infrastrukture、欧州ホロコースト研究基盤)のウェブサイトは、ホロコーストに関する研究成果を教育・研究に活用したい人に向けたオンライン講座を公開しています。 EHRI Online Course in Holocaust Studies これは教員…

「1990年東西ドイツ女性会議」――デジタルドイツ女性アーカイブより

デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトで、また興味深いページが追加されました。*1 1990年4月27日から29日にかけて、ベルリンで最初の東西ドイツ女性運動活動家たちによる合同会議が開催されました。その30周年記念企画として、当時のポスターや写真…

「民度」について――帝国主義研究・植民地主義研究の視点から

今さらですが、「民度」は差別表現です。*1 近年、揶揄するような文脈でメディアや日常会話のなかで、この表現が許容されるようになっている気がします。歴史的に帝国主義者・植民地主義者が好んで使ってきた表現で、安易に使われる風潮を懸念しています。確…

「ドイツ基本法と議会評議会」――ドイツ連邦政治教育センター特集ウェブサイト

第二次世界大戦の終結から75周年ということで、ドイツ語圏のインターネット空間でも色々な取り組みがみられます。 2020年5月23日、つまり1949年5月23日にドイツ連邦共和国基本法への署名・公布された日に合わせて、ドイツ連邦政治教育センターのウェブサイト…

Working Class Historyよりサッコ=ヴァンゼッティ事件(1921年)によせて

数年前のゼミで、学生による戦間期の米国社会についてのグループ発表がありました。そのときに、サッコ=ヴァンゼッティ事件について触れる機会がありました。また、ゼミで取り上げる学生がいるかもしれませんので、ここにメモしておきます。 Working Class …

Evangelische Frauenhilfe史料公開プロジェクト――ドイツ女性運動文書館より

デジタル・ドイツ女性アーカイブ(Digitales Deutsches Frauenarchiv)は、さまざまなプロジェクト助成事業を行っています。その取り組みの一つ、カッセルにあるドイツ女性運動文書館が所蔵する"Evangelische Frauenhilfe"の史料公開事業が2020年に始まった…

ハンブルクのフェミニズム運動――女性教育センター"Denk-T-Räume"

デジタル・ドイツ女性アーカイブのウェブサイトをみていたところ、ハンブルクの女性教育センターについての紹介論説にたどり着きました。*1 Helga Braun (2020): Das Frauenbildungszentrum Denk-T-Räume, in: Digitales Deutsches Frauenarchiv (zuletzt be…

ドイツの写真・図像資料ウェブサイト――「ドイチェ・フォトテーク(Deutsche Fotothek)」など

2020年5月22日にアップされた、ベルリン州立図書館のデジタルレクチャー企画(Digitale Lektürtipps)第44回は、「フリーアクセス図像データバンク」です。リンク先は以下になります。*1 Digitale Lektretipps 44: Frei zugängliche Bilddatenbanken ドイツ…

ハプスブルク朝の内閣議事録(1848-1918年)デジタル版公開案内

オーストリア図書館員連合ブログ( VÖBBLOG, Vereinigung Österreichischer Bibliothekarinnen und Bibliothekare)に、ハプスブルク朝の内閣議事録(1848-1918年)デジタル版が公開されたとの案内がありました。*1 Ministerratsprotokolle der Habsburgerm…

札幌市のコールセンターについて――「さっぽろ青年ユニオン」の取り組み

総合サポートユニオンからの情報で、札幌のコールセンターの職場環境改善の取り組みについて知りました。 2020年5月20日付の北海道新聞より、「さっぽろ青年ユニオン」は、新型コロナウイルス感染症にかかわってコールセンター労働者の相談内容を公表したと…

ナチ犯罪と戦後補償――「ゲットー年金」受給資格の新たな判例

ナチ犯罪、戦争責任、戦後補償に関連する記事を目にしました。『南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)』2020年5月20日付のものです。*1 Bundessozialgericht spricht wegweisendes Urteil zu Ghettorenten 同日、ドイツ連邦社会裁判所がナチ・ドイツ占領下ポ…

訪れる価値のあるベルリン図書館セレクション――Tip Berlinの記事より

ドイツの図書館団体より、Tip Berlinの記事(2020年7月16日最新更新)を紹介する情報に触れる機会がありました。*1 12 Bibliotheken in Berlin, in denen Lesen - und sogar Lernen - richtig Spaß macht この記事では、蔵書量と建築様式の点で訪れる価値の…

ドイツ連邦文書館「ヨーロッパ終戦75年」――1945年5月8日関連史料について

2020年は第二次世界大戦が終わりを迎えて75年目。ドイツ連邦文書館のウェブサイトでは、「現代史史料(Dokumente zur Zeitgeschichte)」のページ内に「75年――ヨーロッパ終戦」と題した関連画像7点とその解説、さらに関連する史料へのリンクが紹介されていま…

「30年・分断されたフェミニズム」――デジタルドイツ女性アーカイブより

デジタルドイツ女性アーカイブ(Digitales Deutsches Frauenarchiv)がフェミニズム的視点からドイツ統一30年を振り返る特集サイトを公開しています。リンク先は以下の通りです。*1 30 Jahre geteiler Feminismus 特集のなかの一つ、ザビーネ・バルケ・エス…

2020年5月31日バーニー・サンダースのツイート――Black Lives Matterに寄せて

今年度の講義やゼミでは、やはりブラック・ライヴズ・マター(Black Lives Matter)運動に言及することが多いです。また、学生からもそうしたコメントが寄せられることが度々あります。 2020年5月31日、アメリカ合州国大統領選挙で民主党候補指名を目指し、…

イギリス男女平等賃金の歴史に寄せて――TUCのDageham Women's Strike紹介動画

2020年5月29日、イギリス労働組合会議(Trades Union Congress, TUC)は、ロンドン東部のダゲナム・フォード工場で1968年6月7日に始まった女性によるストライキの紹介動画をYoutubeにアップしました。*1 Dagenham Women's Strike このダゲナム・フォード工場…

Peking Gazette(1873年、1877年)のオープンアクセスにたどりつく

講義準備で追われるなか、なんとか翻訳仕事を進めていますが、そんななか『京報』の英訳版 Peking Gazette の1873年、1877年のオープンアクセスにたどりつきました。知らなかった。*1 Peking Gazette 関連する最近の論文には、以下のものがありました。 殷晴…

ドイツ連邦文書館オンライン展示「ポナペ反乱――太平洋におけるドイツ植民地支配に対する抵抗」

ドイツ連邦文書館のウェブサイトには、たくさんのオンライン展示がアップされています。*1 そのうちの一つがポナペ(ポンペイ)島で起きた武装蜂起についてのオンライン展示です。リンク先は以下のとおりです。 Aufruhr auf Ponape: Widerstand gegen die de…

「アーカイブ女性と音楽」(Archiv Frau und Musik)について

「デジタルドイツ女性文書館(Digitales Deutsches Frauenarchiv)」というウェブサイトがあります。 Digitales Deutsches Frauenarchiv その配信情報をチェックしていたところ、「アーカイブ女性と音楽(Archiv Frau und Musik)」というウェブサイトを知り…

2020年度歴研大会特設部会準備ノート(6)――九州歴史科学研究会主催「若手研究者問題を考える」(2013年)の振り返り(暫定版)

はじめに 1 当日のスケジュール 報告 討論テーブル 2 各報告について 3 全体討論 まとめ はじめに 西洋史若手研究者問題検討ワーキンググループの活動を振り返る投稿は、あと3~4回ほど続きます。学会とは独立した有志の活動として考えると、やはり目を見張…

マルクス記念図書館(Marx Memorial Library)ポスターコレクションのインターネット公開

マルクス記念図書館(Marx Memorial Library)より、同館所蔵のポスターコレクションがウェブサイト”Social History Portal”で検索可能になったとの情報を目にしました。*1 ヨーロッパの労働運動に関心がある人は興味をもつと思います。 Social History Port…

ベルリンにおける植民地主義の検証――教育ポータル「歴史から学ぶ」より

「歴史から学ぶ」(Lernen aus der Geschichte, LaG)という教育ポータルがあります。 そのポータルはオンライン雑誌を発行しており、その2020年4月号(LaG-MAGAZIN, 04/20)は「ベルリンにおける植民地主義の検証(Aufarbeitung von Kolonialismus in Berli…

「署名のない手紙」――BBCラジオのなかのドイツ民主共和国史

今日は「署名のない手紙」という博物館展示についてです。ローザ・ルクセンブルク財団からの情報で知りました。すでに色々な方が紹介していますが、こちらでも情報提供します。*1 ベルリン情報通信博物館(Die Ausstellung im Museum für Kommunikation Berl…

"Catcalls of Berlin"――現代ドイツのフェミニズム運動

ドイツの現代フェミニズム運動に関心のある方は、きっと興味をもつのではないでしょうか。 Der Tagesspiegel紙が、アクション「キャットコールズ・オブ・ベルリン(catcallsofberlin)」というウェブサイトを立ち上げています。*1 リンク先は以下の通りです…

1945年以降のドイツ女性政治組織について――G・ノッツ氏へのインタビュー

2020年5月22日、Radio Coraxというウェブサイトで「1945年以降の女性政治組織」とのタイトルのインタビューが掲載されました。インタビューを受けた人は、フェミニストで女性史・社会学者ギーゼラ・ノッツ(Gisera Notz)さんです。*1 このインタビューのき…

"Eigensinn im Burderland"――東ドイツ移民史研究との関わりで

2020年5月14日、ローザ・ルクセンブルク財団の情報から、"Eigensinn im Bruderland(兄弟国のなかの自己意識)"というウェブサイトについて知りました。このサイトが2020年のグリム・オンライン・アワードにノミネートされたとのことです。*1 冷戦期にドイツ…

「エンゲルス2020」――ヴッパータール市エンゲルス生誕200年記念行事について

2020年はフリードリヒ・エンゲルス(1820年11月28日ー1895年8月5日)生誕200年とのことで、ドイツ連邦共和国ノルトライン=ヴェストファーレン州の都市ヴッパータールでは、"Das Engels-Jahr 2020(Engels 2020)"と題した一連の記念行事が行われています…

ナチズムとホロコーストについての遠隔授業向けデジタル教材リンク集

2020年5月12日、ドイツ連邦政治教育センター(Bundeszentrale für politische Bildung、bpb)のウェブサイトで、ナチズムとホロコーストについての遠隔授業向け教材リンク集がアップされました("Lernen auf Entfernung: Digitale Angebote über Nationalsoz…

2020年度歴研大会特設部会準備ノート(5)――西洋史若手研究者問題検討WG「西洋史若手研究者問題アンケート調査報告会」(2013年)の振り返り

はじめに――プログラムと報告資料 1 報告の振り返り (1)崎山報告について アンケートの概要 科研費「西洋史分野申請状況」の推移(2007年~2012年) 提案 (2)菊池報告について 文献入手環境について (学術)コミュニケーション環境について (3)大谷報…