浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

ドイツ史|経済史

2024年の第59回リンツ会議「デジタル労働の世界」について

2024年9月26-28日に開催された第59回労働運動史家国際会議、通称リンツ会議のテーマは、「デジタル労働の世界」でした。リンクを貼っておきます。 59th ITH Conference: Worlds of Digital Labour, in: ITH - Internationale Tagung der HistorikerInnen de…

ジェンダー公正と労働組合――ハンス=ベックラー財団ウェブサイト「労働組合の歴史」より

これまでもこのブログで、ドイツ社会民主党系のハンス=ベックラー財団ウェブサイト「労働組合の歴史」を取り上げてきました。 今回は、「テーマ(Themen)」のタグにある「ジェンダー公正と労働組合(Gender-Gerechtigkeit und Gewerkschaften)」のページ…

女性運動史・労働史関連の2つのCall for Papers

ちょっと気になりましたので、ここにリンクを貼ってメモしておきます。 最初に、2024年11月1日締め切りの Call for Papers です。20世紀の左派の女性運動家の組織化と活動に焦点を当てた国際会議への報告原稿募集です。 CfP: Left-Wing Women's Organizing a…

ドイツ民主共和国期工場経営における性差別についての書評

sehepunkte(視点、観点の意)というドイツ語圏の歴史学におけるオンライン書評ジャーナルの2024年第6号に、ヘンリケ・フォークトレンダーさんの近著についての書評が掲載されました。テーマはドイツ民主共和国期の工場経営にみられた性差別についてです。 H…

ドイツ社会民主党系労働組合のポッドキャスト「歴史は作られる」――ハンス=ベックラー財団ウェブサイトより

以前にこのブログで、ハンス・ベックラー財団が提供する労働組合の歴史についてのポータルサイトを紹介したことがあります。 「ドイツ労働組合の歴史についてのポータルサイト」浅田進史研究室/歴史学ブログ、2021年4月9日 その財団が提供するウェブサイト …

I.G.ファルベンとブーナ=モノヴィッツ強制収容所――ニュルンベルク裁判記念館展示より

「記念館フォーラム(Gedenkstättenforum)」というウェブサイトの新着情報で、2024年6月18日に『ニュルンベルガー・ナーハリヒテン』紙に掲載された、「ニュルンベルク記念館展示――I.G.ファルベンとブーナ=モノヴィッツ強制収容所」というタイトルの記事…

労働運動史関係文書館・図書館支援サークルの会報第65号について

ドイツ語圏の労働運動史関係文書館・図書館の支援団体、Förderkreis Archive und Bibliotheken zur Geschichte der Arbeiterbewegung e.V. (労働運動史関係文書館・図書館支援サークル)の会報第65号がオンラインで公刊されました。 Mitteilungen/Debatte …

IGメタルのナチズムからの解放70年――同時代証言プロジェクトのYouTube動画

ちょっとしたことから、IGメタルの同時代証言プロジェクト「始まりからの記憶」というYouTube動画を知りました。 Zeitzeugenprojekt: "Vom Erinnern an den Anfang", in: YouTube, 6. November 2015. この動画は、ナチズムからの解放から70年を経て、IGメタ…

戦間期ドイツにおける労働者階級出身の児童向け社会主義教育組織を振り返る記事――フリードリヒ・エーベルト財団ブログより

ドイツ社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団ブログで、イルメーラ・ディートリヒスさんによる「子どもの友100年――遊び・楽しみ・社会主義」というタイトルのブログ記事が掲載されました。 Irmela Diedrichs, 100 Jahre Kinderfreunde. Spiel, Spaß un…

L!NXが提供する経済理論入門

これまでもローザ・ルクセンブルク財団系列のデジタル教育プラットフォーム、L!NXが提供するウェブ・コンテンツを紹介してきましたが、2022年11月に公開された「経済理論入門」のページを見つけましたので、リンクを貼っておきます。 Einführung Wirtschafts…

フーアマン『共同決定の歴史のなかの女性』――オープンアクセスの近刊書について

ドイツ労使関係における共同決定の歴史について、女性に焦点を当てた本を知りました。フーゴ・ズィンツハイマー労働・社会法研究所のシリーズの一冊でして、以下にリンクを貼っておきます。オープンアクセスになっています。 Uwe Fuhrmann, Frauen in der Ge…

Workers of the Worldについて

Workers of the World: International Journal on Strikes and Social Conflict というオンライン学術誌を知りました。 Workers of the World: Journal on Strikes and Social Conflict この雑誌は、2012年6月に第1号が刊行されています。そして、学際的、グ…

Moving Workers――オープンアクセスの論文集

今年10月に出版された以下の論文集がオープンアクセスでダウンロードできます。 Clauda Bernardi, Viola Franziska Müller, Biljana Stojić, and Vilhelm Vilhelmsson (eds.), Moving Workers: Historical Perspectives on Labour, Coercion and Im/Mobiliti…

2023年ドイツ歴史家大会セッション「民主主義が労働をつくる――労働が民主主義をつくるか」報告について

9月19日から22日まで開催された今年のドイツ歴史家大会の一セッション "Demokratie macht Arbeit – macht Arbeit Demokratie?" が、10月7日にドイツ語圏の歴史学系総合ポータルサイト H-Soz-Kultに掲載されました。 Irmela Diedrichs, Tagungsbericht: HT 20…

革命的シンボルとしての赤旗の起源――ヘレ・パンケによるYouTube講演会

2023年6月15日、ベルリンの左派団体ヘレ・パンケ(Helle Panke)のYouTubeチャンネルで、「革命的シンボルとしての赤旗の起源」という題目の講演が放送されました。リンクを貼っておきます。 Die Ursprünge der roten Fahne als revolutionäres Symbol. Vort…

50年前のドイツ労働総同盟の不一致決議について――フリードリヒ・エーベルト財団ブログより

2023年9月29日に、フリードリヒ・エーベルト財団のブログで、「寛容の限界――ドイツ労働総同盟の不一致決議50年」という記事が掲載されました。 Marcel Bois/ Alexandra Jaeger, Die Grenzen der Toleranz: 50 Jahre Unvereinbarkeitsbeschlüsse des DGB, in:…

Radical Online Collections and Archivesのサイトについて

以前にこのブログで、ラディカル・オンライン・コレクション&アーカイヴズという急進左派のオンライン史料リンク集を紹介したことがあります。 「Radical Online Collections and Archivs について――New Historical Expressより」浅田進史研究室/歴史学ブ…

WerkstattGeschichte(歴史ワークショップ)の第88号「お金について語る」

ドイツの日常史研究のジャーナルといえば、WerkstattGeschichteですが、その2023年9月に公刊された第88号の特集は、"reden über geld"(お金について語る)です。リンクを貼っておきます。 reden über geld, in: WerkstattGeschichte, 88 (September 2023). …

キッチン・ポリティクス――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトの書評より

「キッチン・ポリティクス――クィア・フェミニスト的介入」というシリーズ本がドイツ語で刊行されていることを知りました。2023年に刊行された『台所の新秩序』でもう5冊目とのことです。 この本について、ギーゼラ・ノッツさんがローザ・ルクセンブルク財団…

実践のなかの革命的サンディカリズム――ドイツ自由労働者同盟についての近刊書

2023年1月に、『実践のなかの革命的サンディカリズム――ドイツ自由労働者同盟の経営評議会活動、1918-1933年(Revolutionärer Syndikalismus in der Praxis)』というタイトルのドイツ語の研究書が出版されました。出版社の紹介サイトはこちらです。 Jule Eh…

労働運動のなかのユダヤ系の人びと――フリードリヒ・エーベルト財団より

ドイツ社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団は『社会民主主義アルヒーフ(Archiv der sozialen Demokratie)』という雑誌を発行していますが、同誌からの論文選集第18冊、『労働運動のなかのユダヤ系の人びと――人物像・議論・動機』が、2023年にオー…

いかにナチ富豪が戦後ドイツでさらに豊かになったのか――Jacobin誌より

だいぶ前になりましたが、2023年1月10日、ドイツの左派系メディア、Jacobin誌に「どのようにナチ億万長者が戦後ドイツでさらに豊かになったのか」という記事が掲載されました。 Wie Nazi-Milliardäre im Nachkriegsdeutschland noch reicher wurden, in: JAC…

ストライキ・社会紛争研究の学会 IASSC について

International Association Strikes and Social Conflicts (IASSC) という学会を知りました。 Strikes & Social Conflicts IASSC のトップページには、学際的、グローバル、長期・歴史的、非ヨーロッパ中心主義的パースペクティヴにおいて、労働・社会紛争に…

1927年「子ども共和国」――シュレースヴィヒ=ホルシュタイン歴史協会ホームページより

1927年に、当時、キール市が所有したゼーカンプ農場の敷地で、ドイツ、デンマーク、オーストリア、チェコスロヴァキアから労働者家庭出身の男女の子ども2000人がサマーキャンプのために集まりました。その4週間におよぶテント生活は、「子ども共和国ゼーカン…

Arbeit-Bewegung-Geschichte(労働・運動・歴史)誌のプロレタリア女性運動特集

ドイツ語圏の学術雑誌、Arbeit - Bewegung - Geschichte(労働・運動・歴史)の2023年5月に刊行された第22巻第2号は、ドイツ帝政期・ヴァイマル期のプロレタリア女性運動特集です。 Töchter ihrer Klasse? Die proletarische Frauenbewegung im deutschen Ka…

スパルタクス団共同設立者ケーテ&ヘルマン・ドゥンクラー書簡集

ローザ・ルクセンブルク財団SNSより、2016年に刊行された、スパルタクス団共同設立者ケーテ・ドゥンクラーとヘルマン・ドゥンクラーの二人の書簡集の紹介を目にしました。出版社の紹介ページへのリンクを貼っておきます。 Heinz Deutschland (Hrsg.), Käte u…

ドイツのストライキと移民、1973-2023年――ローザ・ルクセンブルク財団より

ローザ・ルクセンブルク財団ノルトライン=ヴェストファーレン支局は、2023年8月から10月にかけて、半世紀前からのストライキの過去を振り返る映画鑑賞や討論企画を各地で開催するとのことです。*1 „Ihr Kampf ist unser Kampf!“ Streik 1973 bis 2023 und d…

ナチ独裁と労働組合の破壊――ドイツ語圏のポータルサイト・労働組合の歴史より

以前にこのブログで、ドイツ語圏のポータルサイト「労働組合の歴史」を紹介しました。 「ドイツ労働組合の歴史についてのポータルサイト」浅田進史研究室/歴史学ブログ、2021年4月9日 SNSなどで、このサイト内の、"NS-Diktatur und Zweiter Weltkrieg(ナチ…

ヴォルフガング・アーベントロートについてのウェブサイト

ドイツ連邦共和国の成立初期を代表する政治的知識人の一人として、法学・政治学・歴史学を専門としたヴォルフガング・アーベントロート(Wolfgang Abendroth、1906-1985年)を紹介するウェブ空間上のプロジェクトを知りました。私はこれまでほとんど知らない…

社会史国際研究所のESSHCについて

オランダのアムステルダムにある社会史国際研究所(International Institute of Social History)が主催する「第14回ヨーロッパ社会科学史会議(European Social Science History Conference, ESSHC)」が4月12-15日にスウェーデンのヨーテボリ大学で開かれ…