浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

学会関係、若手研究者問題

ドイツ歴史家連合によるハラスメント対策の取り組み

ドイツ歴史家連合(Verband der Historiker und Historikerinnen Deutschlands, VHD)が同団体ホームページに「歴史学における職権乱用」というページを設置したことを知りました。 Machtmissbrauch in der Geschichtswissenschaft – VHD 同ウェブサイトによ…

2025年度第48回ドイツ現代史学会大会のパネル企画・自由論題報告者募集のお知らせ

以下、宣伝です。 2025年度第48回ドイツ現代史学会大会は、2025年9月20日(土)・21日(日)に駒澤大学駒沢キャンパスで開催予定です。下記の通り、パネル企画および自由論題報告者を募集します。 自由論題は修士課程・博士前期課程以上、パネル企画は博士課…

日本歴史学協会の2本の声明の更新と新しい声明の発表――ガザ危機関連声明、日本学術会議「法人化」反対声明、国文学資料館関連声明

先日のブログ更新では、公開設定をミスしまして、ちょっと混乱してしまいました。 さて、3月1日に日本歴史学協会ホームページで同会によって以前に発表された2つの声明に賛同する学会会員を追記する更新がありました。また、同日新しく国文学資料館に関する…

日本学術会議「法人化」反対声明――日本歴史学協会より

これまでもこのブログで日本学術会議の「法人化」問題をとりあげてきましたが、歴史学の学会連合である日本歴史学協会が、2025年2月2日付の「法人化」反対声明を、ホームぺージに公開しました。 以下にリンクを貼っておきます。 日本歴史学協会 「日本学術会…

イスラエルのガザ侵攻に関する声明――現代史研究会より

2025年1月、わたしも会員の現代史研究会のホームページに会員有志による「イスラエルのガザ侵攻に関する声明」が公表されました。 即時の停戦、イスラエルによるガザ地区・東エルサレム・ヨルダン川西岸での市民に対する人権侵害の停止、さらに「国際社会が…

日本学術会議第193回総会の会長談話ほか

2024年12月22日に日本学術会議第193回総会が開催されました。日本学術会議HPには、会長談話ほか、総会配布資料へのリンクが貼られています。 会長談話「有識者懇談会最終報告及び日本学術会議第193回総会を受けて~より良い役割発揮のための改革に向けて」 …

歴史学系学会・研究会の若手研究者問題への取り組み――第32期日本歴史学協会若手研究者問題特別委員会のウェブアンケート報告

今年11月末に、第32期日本歴史学協会若手研究者問題特別委員会のホームページが立ち上がりました。今期も関わっています。 第32期日本歴史学協会若手研究者問題特別委員会 さっそくですが、第31期に行われた歴史学における若手研究者問題への学会・研究会の…

女性運動史・労働史関連の2つのCall for Papers

ちょっと気になりましたので、ここにリンクを貼ってメモしておきます。 最初に、2024年11月1日締め切りの Call for Papers です。20世紀の左派の女性運動家の組織化と活動に焦点を当てた国際会議への報告原稿募集です。 CfP: Left-Wing Women's Organizing a…

日本学術会議「法人化」問題シンポジウムについて

2024年7月27日(土)に「日本学術会議の法人化は社会と学問をどう変えるのか」が早稲田大学で、オンライン併用形式で開催されます。詳細は大学フォーラムのXアカウントよりこちらからどうぞ。 【ご案内】共同企画シンポジウム 「日本学術会議の法人化は社会…

ドイツにおける研究者の任期付きの雇用形態を止めさせるためのキャンペーンについて

すでにキャンペーン開始から半年が過ぎているようです。WeAct!という署名サイトのサービスを利用して、"Bündnis gegen Dauerbefristung in der Wissenschaft(学術における有期雇用反対同盟)"という団体が、ドイツ連邦教育研究大臣および関係連邦議会委員会…

ドイツの博士課程向け奨学金引上げを求める公開書簡について

2023年9月13日、ドイツの日刊紙『ターゲスシュピーゲル』オンライン版で、ドイツの博士課程の学生が「奨学金引上げネットワーク」を設立し、教育研究大臣宛に公開書簡をオンライン上で発表することで、よりよい労働条件を求めている、という記事を知りました…

metoohistory――第54回ドイツ歴史家大会における特別部会案内

2023年9月19日-22日まで、ライプツィヒにて第54回ドイツ歴史家大会が開催されましたが、その2日目、9月20日11時30分-13時の間で、「ミー・トゥー・ヒストリー――ドイツ学術体制における権力濫用についての討論会」が開催されました。その趣旨説明へのリンク…

新しい下からの歴史のために――L.I.S.A.より

以前に、このブログで、ゲルダ・ヘンケル財団L.I.S.A.学術ポータルで掲載された「ユートピア――歴史学の未来」というテーマを掲げて、若手歴史家の投稿を呼びかける試みを紹介しました。 そこに「新しい下からの歴史のために」というタイトルの投稿を見かけた…

ドイツ学術評議会によるジェンダー研究のいっそうの確立をもとめるプレスリリースについて

2023年7月10日、ドイツ学術評議会(Wissenschaftsrat)がジェンダー研究がいっそう普及することを求めるプレスリリースを発表しました。 Geschlechterforschung breiter verankern! Wissenschaftsrat nimmt Stellung zu Status und Weiterentwicklung des Fo…

Society for the Study of Labour Historyよりチチェスター大学歴史科目削減についての声明

2023年8月7日、労働史を専門とする学会 Society for the Study of Labour History が、現在チチェスター大学が進める、アフリカおよびアフリカ系ディアスポラの歴史に関する修士研究科目および学部生向け近代史科目の削減を憂慮する声明を出しました。 Unive…

日本学術会議のあり方をめぐる大学フォーラムの見解について

「大学の危機をのりこえ、明日を拓くフォーラム」を掲げる大学フォーラムに賛同しています。2023年7月27日、同フォーラムは以下の見解を公表しました。 【見解】政府による「日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会」の設置について ―内容的にも組織的に…

ストライキ・社会紛争研究の学会 IASSC について

International Association Strikes and Social Conflicts (IASSC) という学会を知りました。 Strikes & Social Conflicts IASSC のトップページには、学際的、グローバル、長期・歴史的、非ヨーロッパ中心主義的パースペクティヴにおいて、労働・社会紛争に…

歴史家のためにMastodonを紹介するドイツ語記事

ふたたびドイツ語圏の人文社会科学系プラットフォーム、Hypothesesに掲載された記事の紹介です。 Mareike König: Tröten über Droysen. Ein Mastodon-Leitfaden für Historiker:innen, in: Hypotheses, 20. November 2022, aktualisiert 25. Januar 2023. 表…

L.I.S.A.学術ポータル「ユートピア――歴史学の未来」の試み

2023年5月9日、ドイツのゲルダ・ヘンケル財団L.I.S.A.学術ポータルで、「ユートピア――歴史学の未来」というテーマへの投稿呼びかけが掲載されました。 Utopia. Die Zukünfte der Geschichtswissenschaft, in: L.I.S.A. Wissenschaftsportal Gerda Henkel Sti…

社会史国際研究所のESSHCについて

オランダのアムステルダムにある社会史国際研究所(International Institute of Social History)が主催する「第14回ヨーロッパ社会科学史会議(European Social Science History Conference, ESSHC)」が4月12-15日にスウェーデンのヨーテボリ大学で開かれ…

キャンペーン「日本学術会議法の『改悪』に反対しましょう!」の紹介

研究仲間であり、発起人の一人から「日本学術会議法の『改悪』に反対しましょう!」というキャンペーンをお知らせいただきました。こちらでも紹介しておきます。 キャンペーン · 日本学術会議法の「改悪」に反対しましょう! · Change.org 日本学術会議は学…

イェナ大学ジェンダー史講座の抹消をめぐって――nd紙より

2022年9月26日、ドイツ語圏の左派系オンライン紙 nd に、イェナ大学のジェンダー史教授職が、デジタル人文学に置き換えられる予定となった経緯を探るインタビュー記事が掲載されました。タイトルは「大学政策――巻き添えとしてのジェンダー研究」です。 Tanja…

ドイツ歴史家連合による歴史学博士課程のネットワーク化への呼びかけについて

2022年7月11日、ドイツ歴史家連合(Verband der Historiker und Historikerinnen Deutschlands)のホームページに、歴史学で博士号取得を目指す博士課程院生に向けて、ネットワーク化を呼びかける文書が掲載されました。 VHD: Aufruf zur Vernetzung an Prom…

ストップ・カット!――ドイツ学術交流会とアレクサンダー・フォン・フンボルト財団予算削減に反対する公開書簡について

2022年7月12日、ドイツ学術交流会とアレクサンダー・フォン・フンボルト財団の予算削減方針に反対する、"Stop the Cuts! Offener Brief gegen Kürzungen bei DAAD und AvH"という公開書簡が公表されました。 Stop the Cuts! Offener Brief gegen Kürzungen b…

世界の大学におけるジェンダー平等政策の遅れについて――Times Higher Educationより

Times Higher Educationというウェブサイトに、「ほとんどの大学がジェンダー平等政策の証拠を示すことに失敗する」というタイトルの記事が掲載されました。世界大学ランキングを公表するウェブサイトで、その点では賛同できないのですが、論説のテーマは重…

オーラル・ヒストリー協会のハラスメント・ポリシーについて

学会のハラスメント対策について勉強しています。 今回は Oral History Association (OHA) のハラスメント・ポリシーについて、そのポイントを確認していきます。 OHA Harassment Policy and Procedures | Oral History Association まず構成についてです。 …

ハラスメントと「学問の自由」について――Geschichte der Gegenwartより

ひきつづきオンライン・ハラスメントについての勉強ノートです。 以前に、ドイツ語歴史ウェブサイト、Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に掲載された論説 「神話ではなく権力関係を――学問の自由の解放的理解のために(Machtverhältnisse statt Mythen.…

AAS(アジア研究協会)によるオンライン・ハラスメントに関する声明

オンライン・ハラスメントについて勉強中です。 2021年9月29日、Association for Asian Studies(AAS、アジア研究協会)がオンライン・ハラスメントに関する声明をウェブサイトにて公表しました。 Northeast Asia Council Statement on Academic Integrity a…

アメリカ歴史学会(AHA)のオンライン・ハラスメントに対処するための指針について

オンライン・ハラスメントについて色々と勉強する必要がありまして、2019年6月にアメリカ歴史学会(American Historical Association、AHA)が採択・公表したガイドラインの内容を要約しておきます。 American Historical Association (2019) Guide for Deal…

2020年度歴研大会特設部会を終えて

はじめに 歴研大会特設部会の準備 打ち合わせで議論していたこと、言い残したこと 提言作成に向けて はじめに 10月半ばまでこのブログで、2020年度歴史学研究会大会特設部会「『生きづらさ』の歴史を問うII――若手研究者問題について考える」に向けた準備ノー…