浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

2020-01-01から1年間の記事一覧

ホロコースト記念館の生存者の証言映像について

ヤド・ヴァシェム、すなわちホロコースト記念館(The World Holocaust Remembrance Center、Internationale Holocaust Gedenkstätte)については、いまさら紹介するまでもないかもしれません。一応、ここにリンクを貼っておきます。 Yad Vashem - The World …

第一次世界大戦後ドイツの女性ソーシャルワーカーの一日

ドイツ連邦文書館のウェブサイトには、第一次世界大戦以降の様々な映画をオンラインで観ることができる、Filmothek というページがあります。 Deutsche Geschichte suchen und finden - Filme aus dem Bestand des Bundesarchiv そのなかに1920年に撮影され…

ドイツデジタル図書館について

ドイツデジタル図書館(Deutsche Digitale Bibliothek)のウェブサイトを訪問しました。 Deutsche Digitale Bibliothek カレントアウェアネスにこのサイトについての記事が掲載されています。 「『ドイツデジタル図書館』のウェブサイトがスタート」Current …

ヴェストファーレン地域の諸文書館ポータルサイトについて

2020年8月21日、ドイツ連邦文書館SNSより、ドイツのヴェストファーレン=リッペ地方連合(Landschaftsverband Westfalen-Lippe、LWL)の文書館担当課、LWL-Archivsamt für Westfalen のポータルサイト開設を知りました。ミュンスターにあります。 LWL-Archiv…

ドイツ連邦文書館所蔵史料のデジタル化報告――軍関係史料とヴァイマル期史料について(女性参政権関連無声映画リンクあり)

2020年8月の間にドイツ連邦文書館のSNSやウェブサイトで、所蔵史料のデジタル化進行状況について2つの報告がありました。 1つめは軍関係史料のデジタル化状況についてです。 Der Überblick über bereits digitalisierte und zur Digitalisierung ausgewählte…

第3回関西デジタルヒストリー研究会「COVID-19下の図書館によるデジタルサービスの実態と課題」に向けて

告知です。 2021年1月23日(土)13時~15時に第3回関西デジタルヒストリー研究会がZoomミーティング方式で開催されます。テーマは「COVID-19下の図書館による デジタルサービスの実態と課題」です。チラシ、参加申込フォーム、プログラムのリンクはこちらで…

「ベルリンの壁」建設の新史料――Welt紙オンライン記事より

もう2年前となる記事ですが、2018年8月12日付のヴェルト(Welt)紙オンライン版で、「ベルリンの壁」建設の開始となった1961年8月13日についてのドイツ民主共和国(東ドイツ)内務省の内部史料の発見が報道されました。リンク先はこちらです。 Tobias Westho…

ナチ・ドイツによるホロコーストに関する史料集VEJ、第10巻・第11巻の刊行

2020年、De Gruyterより出版されているホロコースト史料集 Die Verfolgung und Ermordung der europäischen Juden durch das nationalsozialistische Deutschland 1933–1945(VEJ、ナチ・ドイツによるヨーロッパ・ユダヤ系住民の迫害と殺害、1933-1945年)…

2020年度歴研大会特設部会を終えて

はじめに 歴研大会特設部会の準備 打ち合わせで議論していたこと、言い残したこと 提言作成に向けて はじめに 10月半ばまでこのブログで、2020年度歴史学研究会大会特設部会「『生きづらさ』の歴史を問うII――若手研究者問題について考える」に向けた準備ノー…

1920年「東方諸民族大会」から100周年――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイト記事より

2020年8月28日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、100年前に開催された「東方諸民族会議」を記念する論説が掲載されました。 Mario Kessler, Sieben Tage Empowerment: Vor 100 Jahren tagte in Baku der antikoloniale "Kongress der Völker des …

ネオナチにとっての「ベルリンの壁の崩壊」――北ドイツ放送ウェブサイト記事について

ドイツ民主共和国の消失は、ドイツ連邦共和国のネオナチにとってどのような意味を持ったのでしょうか。また、ドイツ民主共和国時代に「ネオナチ」はそもそも存在していたのでしょうか。 この問いについて、当事者のインタビューを中心に構成された番組(30分…

ドイツにおける植民地記念碑をめぐる論争――ハンブルクのビスマルク像ほか

2020年はブラック・ライヴズ・マター運動の追い風を受けて、植民地支配の過去を顕彰するような記念碑をめぐって世界各地で大きな議論が起きた年として記録されることでしょう。 2020年6月、イギリスのブリストルではエドワード・コルストン像が引き倒され*1 …

「68年以前」――ドイツにおける冷戦と新左翼についての新しい研究

2020年、ミヒャエル・フライ『1968年以前――ドイツ連邦共和国とアメリカ合州国における冷戦と新左翼』と題した研究が公刊されました。 Michael Frey, Vor Achtundsechzig. Der Kalte Krieg und die Neue Linke in der Bundesrepublik und den USA, Göttingen:…

ドイツ技術博物館における大西洋奴隷貿易の展示替え――「犠牲者の語り」からの脱却

2020年8月21日のベルリン日刊紙『デア・ターゲスシュピーゲル(Der Tagesspiegel)』のウェブサイトに、ドイツ技術博物館にある「海運(Shifffahrt)」部門の展示内容についての記事が掲載されました。 Andreas Conrad, Weg mit dem Menschenkäfig: Im Techn…

現代ドイツにおける移民の権利向上に向けた多様な取り組み――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

現代移民問題への社会的な関心が高まっていますが、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに次のような論説が掲載されました。 Jonas Engelmann, »Diese Schrift ist eine Kampfhandlung«. in Rosa Luxemburg Stiftung, 2020. この論説では、日常的な人…

1956年、西ドイツにおけるドイツ共産党の非合法化について――ローザ・ルクセンブルク財団より

ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトで、以下の資料をみつけました。 Das KPD-Verbot 1956: Vorgeschichte und Folgen der Illegalisierung der KPD in Westdeutschland, in Rosa Luxemburg Stiftung, 2016. 1956年のドイツ共産党の非合法化についての…

東ドイツ出身の歴史家、東西ドイツ統一後の学界での差別を語る

2020年8月12日、ベルリンの日刊紙『ベルリナー・ツァイトゥング』(Berliner Zeitung)に、東ドイツ出身の歴史家ウルリヒ・ファン・デア・ハイデン(Ulrich van der Heyden)氏の寄稿が掲載されました。 Ulrich van der Heyden, DDR-Wissenschaftler : „Nie …

1970年代西ドイツにおける移民と労働闘争――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

2020年8月、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、1970年代西ドイツにおける移民労働者とその闘争に関する論説が掲載されました。 Efsun Kızılay, Migration und Arbeitskämpfe: Ein Blick zurück in die Zeit der «Gastarbeiter*innen» und ihre Kä…

新しい世代の「右翼の現代史」研究――zeitgeschichte | online(現代史オンライン)より

いつもながらローザ・ルクセンブルク財団からの情報で、「右翼」をめぐる現代史研究の新しい動向を知りました。 Zeitgeschichte der Rechten. Neue Arbeiten zu einem jungen Forschungsfeld 「右翼の現代史――最近の研究領域への新しい研究」といった意味で…

ドイツ植民地戦争の過去と補償問題――ナミビア政府の修正要求

ローザ・ルクセンブルク財団からの情報で、ドイツ植民地戦争とその責任追及に関連するニュースを知りました。今年8月上旬のことです。 "Namibia Rejects German Genocide Reparations Offer," Eyewitness News, August 2020 1904年から1908年にかけて、現在…

ポストコロニアル・ベルリン――「歴史を消し去りたいのではない」

ブラック・ライヴズ・マター運動は、ドイツでの植民地支配の歴史との向き合い方をめぐる議論に火をつけた感があります。 2020年8月7日、Norddeutscher Rundfunk (北ドイツ放送)のラジオ&テレビ局のウェブサイトで、Berlin Postkolonial という団体のスポ…

権威主義と対抗戦略に関する国際研究グループについて――ローザ・ルクセンブルク財団

2020年8月、ローザ・ルクセンブルク財団に新しい研究グループが発足したとの知らせを目にしました。 International Research Group on Authoritarianism and Counter-Strategies (IRGAC) ”About us” をみると、ローザ・ルクセンブルク財団のイニシアチブで「…

近著紹介:『グローバル経済史にジェンダー視点を接続する』日本経済評論社、2020年

近著を紹介しておきます。経済史関係の学術図書は初版の発行部数が少ないので、関心のある方はぜひお早目にご注文くださるとうれしいです。 以下に日本経済評論社の紹介ページへのリンクを貼っておきます。 浅田進史・榎一江・竹田泉編『グローバル経済史に…

ハンガリーのルカーチ資料館閉鎖に寄せて――Deutschlandfunk Kulturより

2020年8月2日、ドイツのラジオ放送局ドイチュラントフンク(Deutschlandfunk)の文化部門のウェブサイト、Deutschlandfunk Kultur にハンガリーの首都ブダペストにあるルカーチ文書館の閉鎖に寄せた記事が掲載されました。 Anat Kalman, Das Lukács-Archiv i…

南北戦争後の黒人女性活動家のポートレート――米国議会図書館デジタル化史資料より

2020年8月6日のローザ・ルクセンブルク財団歴史部門の情報発信で、オンライン・アート誌 Hyperallergic のサイトに、南北戦争後の黒人女性活動家のポートレートを紹介する記事を知りました。 Allison Meier, "Library of Congress Digitizes 19th-Century Ph…

Radical Online Collections and Archivs について――New Historical Expressより

New Historical Expressというウェブサイトを知りました。 New Historical Express このウェブサイトを運営しているエヴァン・スミス氏は、南オーストラリア州のフリンダース大学で歴史学のリサーチ・フェローです。イギリスの共産党および戦後の反人種主義…

1848年革命後のドイツの女性と市民層の女性運動――ドイツ連邦政治教育センターより

ドイツ連邦政治教育センター(Bundeszentrale für politische Bildung)のウェブサイトに、ドイツ女性運動家ルイーゼ・オットー=ペータース(Louise Otto-Peters, 1819-1895)についての特集号が掲載されていることに気づきました。 Louise Otto-Peters, in…

女性運動家マリアンネ・ヴェーバーの生誕150周年特集記事――Deutschlandfunkより

2020年8月2日、ドイツのラジオ放送局ドイチュラントフンク(Deutschlandfunk)のウェブサイトで、 マリアンネ・ヴェーバー(Marianne Weber, 2. August 1870 - 12 März 1954)生誕150周年特集記事が掲載されました。 Monika Köpcke, Kämpferin für die Fraue…

ナチ体制下のシンティ・ロマ虐殺について―― der Freitag紙より

2020年8月2日、ドイツの週刊新聞 『デア・フライターク』(der Freitag、金曜日) にナチ体制下のシンティ・ロマ虐殺について、「沈黙を破る」と題された記事が掲載されました。8月2日は2015年にEUがシンティ・ロマの犠牲者を追悼する記念日に定められていま…

女性移民およびアフリカ系ディアスポラからみたドイツ再統一――デジタルドイツ女性アーカイブより

また、今回も東西ドイツ統一30周年企画に関する記事の紹介です。 デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトで、女性移民およびアフリカ系ディアスポラからみたドイツ再統一についての討論会記事が掲載されました。リンク先はこちらになります。 Eine Koop…