浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

植民地主義・帝国主義|一般

ホロコーストと植民地主義をめぐるシンポジウム

研究メモです。 2023年11月23日に社団法人エーリヒ=ツァイガー=ハウスが "Holocaust und Kolonialismus – Deutungskämpfe um das Erinnern(ホロコーストと植民地主義――記憶をめぐる解釈闘争)"という題目でシンポジウムを開催しました。 Holocaust und Ko…

より民主的な社会主義を――ローザ・ルクセンブルク財団の1968年・1973年特集

ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトで、1968年8月のソ連による「プラハの春」の弾圧と1973年9月に起きたチリにおけるアジェンデ政権に対する軍事クーデタを振り返る、特集サイトが開設されました。 Dossier: Demokratischer Sozialismus, in: Rosa-Lu…

アパルトヘイトに抗議したドイツ福音主義女性運動について――デジタルドイツ女性アーカイブより

2023年5月22日、デジタルドイツ女性アーカイブに「連帯からボイコットへ」と題した短い論説が掲載されました。こちらは、1978年に始まった、ドイツ福音主義女性事業(Evangelische Frauenarbeit in Deutschland、略称EFD)のプロジェクト・グループ「南アフ…

Twentieth Century Communismの反人種主義・反植民地主義特集(2023年第24号)

Twentieth Century Communism という学術誌の第24号(2023年)が公刊されまして、「コミンテルン時代における共産主義反人種主義・反植民地主義」特集です。 "Communist anti-racism and ant-colonialism in the Comintern era," Twentieth Century Communis…

マルセル・ファン・デア・リンデンのグローバル労働史のオープンアクセス版

2023年5月、グローバル労働史研究を掲げるオランダの労働史家マルセル・ファン・デア・リンデン氏がこれまでに発表してきた論文を一冊にまとめた論文集がオープンアクセスで刊行されました。 Marcel van der Linden, The World Wide Web of Work: A hisotry …

ラナジット・グハについて――Tagebuchより

ウィーンで刊行されている左派系評論誌『ターゲブーフ(Tagebuch、日記・日誌の意)』のホームページにあるブログ欄に、「サバルタンと歴史の解放」というタイトルの記事が掲載されました。 Jens Kastner, Subalterne und die Befreiung der Geschichte, in:…

ジャカルタ・メソッドについてのローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトの書評

在外期間中、見逃していましたが、ヴィンセント・ベヴィンス『ジャカルタ・メソッド』の日本語訳が2022年4月に出版されていたんですね。 ヴィンセント・ベヴィンス『ジャカルタ・メソッド ――反共産主義十字軍と世界をつくりかえた虐殺作戦』竹田 円訳、河出…

インターナショナルにおけるパン・アフリカニズムと反植民地主義――ローザ・ルクセンブルク財団より

だいぶ以前の記事ですが、2019年3月22日にローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに、「共産主義が黒になったとき――共産主義インターナショナルにおけるパン・アフリカニズムと反植民地主義」という題の論説が掲載されました。 Matt Williams, "When Commun…

ローザ・ルクセンブルク著作集の完全オンライン版公開について

2022年11月8日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトで、ローザ・ルクセンブルクの著作のオンライン化が完成したというニュースが掲載されました。カール・ディーツ出版社がデジタル版を公表しました。オープンアクセスです。 Luxemburg-Werke jetzt v…

ドイツ民主共和国におけるANC(アフリカ民族会議)メンバーの亡命について――近著紹介

ドイツにリット出版社(Lit Verlag)という学術向け出版社があります。今年、その出版社から、『ドイツ民主共和国におけるアフリカ民族会議(ANC)のメンバーの亡命――冷戦期における連帯をめぐるトランスナショナルな交差の歴史』というタイトルの本が刊行さ…

1982年、サブラ・シャティーラの虐殺から40年――taz紙より

2022年9月16日、ドイツの左派系メディア taz 紙より、40年前に起きたレバノンの首都ベイルート近郊のパレスチナ難民キャンプ、シャティーラとサブラで3日間に及んだ虐殺事件、いわゆる「サブラ・シャティーラの虐殺」(1982年9月16-18日)についての記事が…

脱植民地化をテーマにしたシンポジウム――ハインリヒ・ベル財団より

研究メモです。 すでに終わっていますが、2022年10月21-22日の2日間にわたって、ドイツのハインリヒ・ベル財団ほか主催で、「脱植民地化――グローバル化した世界のポスト帝国的視角」というシンポジウムが開催されました。シンポジウムのプログラムは以下の…

ハンブルクのローテンバウム博物館(旧民族学博物館)展示評――H-Soz-Kultより

少し前になりますが、2022年12月7日23日にドイツ語圏の歴史学系総合ポータルサイト H-Soz-Kult に、ハンブルクのローテンバウム博物館で開催された「ベニン――略奪された歴史」という展示評が掲載されました。 Isabel Eiser: Rezension zu: Benin. Geraubte G…

マイケル・ロスバーグ、ホロコーストとアルジェリア独立闘争との関連性を語る――ローザ・ルクセンブルク財団より

研究メモです。 以前に、マイケル・ロスバーグさんの『多方向的記憶』について紹介しました。 「『歴史家論争2.0』――マイケル・ロスバーグの論説より」浅田進史研究室/歴史学ブログ、2021年1月20日 2022年7月4日、ローザ・ルクセンブルク財団のホームページ…

ヨーロッパに在住するアフリカ系の人びとの組織化について――ローザ・ルクセンブルク財団より会議報告

2022年6月21日に「いかにヨーロッパにいる黒人が組織化し始めたか」というタイトルの論説が掲載されました。ベルリンで6月10日-12日に開催された「ブラック・ヨーロッパ」という会議の英文報告です。関心のある方はどうぞ。 Femi Awoniyi, How Black People…

補償の三角形=アルジェリア・フランス・ドイツについて

研究ノートです。 2022年3月24日、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、「補償の三角形――アルジェリア、フランス、ドイツについての小論」という論説が掲載されました。 Claus Leggewie, Reparationsdreieck, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung, 24. Mär…

脱植民地化について――Cambridge Core Blogより

2022年5月13日、「世界における西欧近代」を研究テーマとするクリストフ・カルターさん(ノルウェーのアグデル大学)が、Cambridge Core Blogに「脱植民地化について」と題する論考を投稿しました。 Christoph Kalter, "On decolonization," in Cambridge Co…

セティフの虐殺について――ローザ・ルクセンブルク財団HPより

1945年5月8日から6月末まで、アルジェリアのセティフとその近郊を中心に発生した虐殺は、「セティフの虐殺」と呼ばれますが、この出来事についての論説が、2022年5月6日にローザ・ルクセンブルク財団ホームページに掲載されました。 Mehdi Lallaoui, Sétif, …

「流れに抗して――社会主義者と1870・71年独仏戦争」について

2022年5月、ローザ・ルクセンブルク財団に、「流れに抗して」と題して、1870・71年の普仏戦争、もうドイツでは独仏戦争と呼ばれるのが一般的になったこの戦争で、戦争反対の立場を採った社会主義者に焦点をあてた論説が掲載されました。その紹介ページへのリ…

「植民地主義の終焉」――ローザ・ルクセンブルク財団歴史ポッドキャストRosalux Historyより

このブログでは、ローザ・ルクセンブルク財団の歴史ポッドキャストRosalux Historyに投稿された音声放送を紹介してきました。今回は、第17回「植民地主義の終焉」についてです。以下のリンク先から視聴できます。 Rosalux History - Rosa-Luxemburg-Stiftung…

中央アジアのソ連理解――オープンアクセスの論文集

2021年12月に、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトに、『中央アジアにおけるソ連的なるものの理解』というタイトルの論文集のPDF版ががアップされました。いまのところ、PDF版が自由にダウンロードできます。 Oksana Šatalova / Georgij Mamedov (Hrs…

パン・アフリカ主義活動家 Joseph Ekwe Bilé のベルリン記念銘板

ベルリン州政府は、2022年4月12日のプレスリリースで、パン・アフリカ主義活動家ヨーゼフ(ジョゼフ)・エクウェ・ビレ(Joseph Ekwe Bilé, 1892-1959)がベルリン記念銘板で顕彰すると発表しました。そして、4月21日に記念式典が開催されました。 プレスリ…

「グローバルなオルタナティヴとしての第三世界」――analyse & kritikより

2022年4月12日、パリのドイツ歴史研究所のアフリカ現代史研究者であるローベルト・ハインツェさんによる「グローバルなオルタナティヴとしての第三世界」というタイトルの論説が、ak(analyse & kritik)という左派系ドイツ語新聞ウェブサイトに掲載されまし…

フォークランド紛争開始から40年――ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトより

日本でもすでに取り上げられていますが、2022年4月2日は、1982年に始まったフォークランド紛争/マルビナス戦争から40年ということで、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトに回顧する論説が掲載されました。 Florian Weis, Thatchers Sieg und Aufstieg.…

反戦記念日としての国際女性デー――SoZより

『社会主義新聞(Sozialistische Zeitung、Soz)』の2022年3月号オンライン版に、国際女性デーを反戦記念日でもあると論じた、女性史家・活動家ギーゼラ・ノッツ(Gisela Notz)氏の寄稿が掲載されました。 Gisela Notz, Der Internationale Frauentag ist a…

ナチ期のベルリンでユダヤ系の人びとを救ったアラブ人ネットワークについて――ターゲスシュピーゲル紙のインタビュー記事より

2017年10月19日付のベルリンの日刊紙ターゲスシュピーゲル紙のウェブサイトに、「あるユダヤ系女性を救ったムスリム」というインタビュー記事が掲載されました。 Johannes C. Bockenheimer, Berlin während des Holocausts: Der Muslim, der eine Jüdin rett…

第一次世界大戦期のドイツ帝国による中東政策――SWRのラジオ放送より

2021年12月16日、ドイツ西南地域の公共放送 Südwestrundfunk のウェブサイトに、「ドイツ帝国にとってのジハード――第一次世界大戦におけるる中東政策」というタイトルの録音放送がアップされました。 Anselm Weidner, Dschihad für das Deutsche Reich: Orie…

Public History Weeklyの脱植民地化特集

すでにご存じの方も多いと思いますが、Public History Weekly というオンライン雑誌があります。その第9号に脱植民地化特集が組まれました。2021年11月に連続して5本が掲載されています。 以下にリンクを貼っておきます。英語版とドイツ語版があります。 Tho…

1937・38年ソ連での大テロルにおけるドイツ出身・ドイツ国籍者の犠牲者――ローザ・ルクセンブルク財団よりオープンアクセス文献

2006年3月、ローザ・ルクセンブルク財団のウェブサイトで、以下の文献が公開されました。オープンアクセスです。 Ulla Plener/ Natalia Mussienko (Hrsg.) (2006) Verurteilt zur Höchststrafe: Tod durch Erschießen, in: Rosa-Luxemburg-Stiftung. 「死刑…

エンツォ・トラヴェルソが自著を語る――The LRBポッドキャストより

ホロコースト研究などで知られる思想史家エンツォ・トラヴェルソさんが、ロンドン・レビュー・オブ・ブックスのポッドキャストで近著について語っています。 Podcast: Enzo Traverso and Adam Shatz · A History of Revolution, in: LRB 23 November 2021 近…