浅田進史研究室/歴史学

研究・教育・学会活動ノート

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

近刊共著紹介:熊野直樹・田嶋信雄・工藤章編『ドイツ=東アジア関係史 1890-1945――財・人間・情報』九州大学出版会、2021年12月

近刊の共著を紹介します。 熊野直樹・田嶋信雄・工藤章編『ドイツ=東アジア関係史 1890-1945――財・人間・情報』九州大学出版会、2021年 この論文集は、ドイツと東アジアの近現代関係史を研究するドイツ近現代史研究者の研究グループによるものです。わたし…

ベルリン最初の「女性の家」(1976ー2001年)について――デジタルドイツ女性アーカイブより

少し前になりますが、2019年3月にデジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトに、ドイツ連邦共和国で最初に設立された「第一ベルリン女性の家(Erstes Frauenhaus Berlin)」についての論説が掲載されました。興味が引かれましたので、リンクを貼っておきま…

ベンヤミン・ブーム――ターゲスシュピーゲル紙より

2021年11月7日、ベルリンの日刊紙『ターゲスシュピーゲル(Tagesspiegel)』紙のオンライン版に、「希望の断章(パサージュ)」と題した論説が掲載されました。そのリード文は、「ヴァルター・ベンヤミンがブームだ!」と書き出し、2021年11月4-6日にベルリ…

マーカス・レディカー「下からの歴史」を語る――Counter Punchより

2021年11月9日、オンライン上で論説を掲載するカウンター・パンチ(Counter Punch)誌に、歴史家・作家・活動家マーカス・レディカー(Marcus Rediker)へのインタビュー記事が掲載されました。タイトルは「下からの歴史を書くことについて(On Writing Hist…

ドイツ連邦議会史上、3人目の女性議長の選出に寄せて――デジタルドイツ女性アーカイブより

2021年10月26日、第20期ドイツ連邦議会が成立し、ドイツ社会民主党のベアベル・バース(Bärbel Bas)議員が新しい議長に選ばれました。ドイツ連邦議会の歴史上、女性が議長に就任する3人目になりました。 デジタルドイツ女性アーカイブのウェブサイトでは、…

「諸々のネットワークを動かす」――デジタルドイツ女性アーカイブについて

このブログでは、デジタルドイツ女性アーカイブ(DDF=Digitales Deutsches Frauenarchiv)からの情報を、定期的に紹介してきました。 このDDFの活動を紹介するインタビュー記事が、Digital Media Women というウェブサイトに掲載されました。インタビューさ…

ドイツデジタル図書館によるドイツ新聞ポータルの開始

2021年10月28日、ドイツデジタル図書館のホームページに、ドイツ新聞ポータル(Deutsche Zeitungsportal)の開始に関するプレスリリースが掲載されました。 Die Deutsche Digitale Bibliothek startet das Deutsche Zeitungsportal mit zentralem Zugang zu …

フリッツ・トビアス関係資料のオンライン公開――1933年2月ドイツ国会議事堂放火事件との関わりで

昨日の経済史講義で、ドイツ国会議事堂放火事件について触れました。ちょうどドイツ連邦文書館より、フリッツ・トビアス氏(Fritz Tobias, 1912-2011年)関係資料のデジタル化と大部分のオンライン公開についての記事を知りました。 Digitalisierung der "S…

第二次世界大戦後のハンブルク女性運動関係資料収集・デジタル化プロジェクト――Hamburger Frauenringなど

2021年10月8日、デジタルドイツ女性アーカイブ(Digitales Deutsches Frauenarchiv)のウェブサイトで、同機関が研究助成を行い、ハンブルク女性市文書館(Frauenstadtarchiv Hamburg、FSA)が推進するプロジェクトを紹介する記事が掲載されました。プロジェ…

ドイツ連邦文書館紹介YouTube動画「歴史と記憶――連邦文書館」について

2021年6月18日、ドイツ連邦文書館の活動を紹介する動画がYouTubeにアップされました(18分38秒)。「歴史と記憶」というタイトルです。リンク先はこちら。 Geschichte und Erinnerung - Das Bundesarchiv, 18. Juni 2021. 各地の文書館の映像、日常の史料の…

ドイツにおけるアフリカ系の人びとの歴史――3satのドキュメンタリー

2021年9月29日、ドイツ、オーストリア、スイスの公共放送局が共同で提供する衛星放送総合テレビ・プログラム、3satのウェブサイトに「元々どこから来たの――ドイツにおける黒人」というタイトルのドキュメンタリー放送がアップされました。リンク先はこちら。…

「11月革命」――ローザ・ルクセンブルク財団歴史ポッドキャストRosalux Historyより

このブログでは、ローザ・ルクセンブルク財団の歴史ポッドキャストRosalux Historyに投稿された音声放送を紹介してきました。今回は、第12回「11月革命」です。以下のリンク先から視聴できます。 Rosalux History - Rosa-Luxemburg-Stiftung リード文では、…

「ドイツ統一、ドイツの多様性――10月3日のための新しい語りへの探求」について

これまで何度か、ドイツ語圏の歴史系ウェブサイト Geschichte der Gegenwart(現在の歴史)に掲載された論説を紹介してきました 。 ありがたいことに、前回紹介したジェノサイド研究者A・ディルク・モーゼス(A. Dirk Moses)さんの論考は、文章だけでなく、…

ローザ・ルクセンブルク理解のために――zeitgeschichte | onlineより

2021年4月27日、「ルクセンブルクへの中傷、あるいはパブリック・ヒストリはどれだけ不正確であるこことが許されるのか」という意味のタイトルを掲げた論説が掲載されました。 Dominik Rigoll/ Nikolai Okunew: Lästern über Luxemburg ... oder, wie ungena…

ベルリンから強制収容所へ――80年前を振り返るオンライン記事について

グルーネヴァルト駅の17番線は、おそらくベルリンから強制収容所へ移送される最も有名な場所です。そのような一文から始まる記事が、2021年10月18日、rbbというベルリンのラジオ局のウェブサイトに掲載されました。 Matthias Schirmer, Von wo aus Berliner …

ミュンヒェンの女性運動を想起する記念碑を――Hypothesesより

今年のドイツ歴史家大会のテーマは「解釈闘争(Deutungskämpfe)」です。このテーマにハッシュタグ(#)をつけて、歴史学関係の各ブログで論説を掲載する「ブログパレード」が取り組まれました。 その一つに、ミュンヒェンに、ドイツ最初の女性運動の民主主…

100年前のドイツにおけるアナーキスト女性団体による全国大会について

2021年10月15日、ローザ・ルクセンブルク財団ウェブサイトにて、「1921年――サンディカリスト女性同盟の第一回全国大会」というドイツ語論説が公開されました。リンクはこちら。 Vera Bianchi: 1921: Erste Reichskonferenz des Syndikalistischen Frauenbund…

フリードリヒ・エーベルト財団の『労働運動史研究年報』のオンライン化

ドイツ社会民主党系のフリードリヒ・エーベルト財団のウェブサイトに、労働運動史に関する雑誌がデジタル化され、オンラインで閲覧できるようになりました。いいですね。リンクはこちら。 JahrBuch für Forschungen zur Geschichte der Arbeiterbewegung, 20…

ドイツ連邦議会選挙での社会民主党勝利についての専門家評――歴史家クリスティーナ・モリーナへのインタビュー

2021年10月6日、フランクフルター・ルントシャウ(Frankfurter Rundschau)のオンライン版に、ビーレフェルト大学の歴史研究者クリスティーナ・モリーナさんへのインタビュー記事が掲載されました。 Historikerin Morina: „Die SPD weiß nicht, was ihre Zuk…

東西ドイツ統一から31年目のあれこれ

ドイツ再統一から31年目ということで、色々と関連情報が回ってきます。とくに移民視点のものが多いですね。 まず、フェアブレッヒャー出版社(Verbrecher Verlag)より、移民とユダヤ系の視点からみた「壁の崩壊」の記憶を問い直す論集です。それにしても Ve…

チューリヒ美術館でのビューレ・コレクションの来歴について――武器商人とナチ・ドイツ

チューリヒ美術館(Kunsthaus Zürich)のエミール・ビューレ(Emil Bührle)の美術収集品についての紹介記事です。 Niklas Maak, Das Kunsthaus Zürich zeigt die Sammlung des Waffenhändlers Emil Bührle, in: Frankfurter Allgemeine Zeitung, 3. Oktober…

「ノスタルジーの功罪――グローバル比較のなかの脱工業化の文化遺産」について

Zeithistorische Forschungen(現代史研究)の2021年第1号の特集テーマは「ノスタルジー」です。そこに掲載されたシュテファン・ベルガーさんの論考がオンライン上で読めます。 Stefan Berger, Vom Nutzen und Nachteil der Nostalgie: Das Kulturerbe der D…